イグナリナ原子力発電所

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原子力発電所
原子力発電所

イグナリナ原子力発電所は、リトアニアヴィサギナスにある原子力発電所である。なお、イグナリナとはヴィサギナスから最も近い街の名前。ソビエト連邦時代に建設された原発であるため1986年原発事故を起こしたチェルノブイリ原発と似た構造をしており、その危険性が指摘されている。なお、イグナリナ原発に代わる原子力発電所の建設も計画されている。

目次

[編集] 地理

ヴィサギナスは、発電所で働く人々の居住区として新たに作られた街だった。元々そこは村すらもないところであったため、インフラ整備から開拓したようなものであった。水冷のために水の供給が必要であったため、リトアニア最大のとして知られるドルークシェイに近くであったこの場所が選ばれた。なお、この湖はベラルーシとの国境に位置している。環境保護団体などはこの湖が原発に用いる水を供給するには小さすぎることを懸念しており、また平均水温の上昇が湖の生態系に影響を与えることも指摘している。

[編集] 原子炉

RBMK型原子炉

イグナリナ原子力発電所はRBMK-1500型の原子炉で構成されている。ソビエト式のRBMK-1500型原子炉は、元々は1,500メガワット(150万キロワット)の電力を生み出す世界で最も強力な原子炉であったが、今では他の原子炉に取って代わられている。なお、チェルノブイリ原発事故の後は1,360メガワットにまで落とされている。

[編集] 歴史

[編集] 建設と操業開始

建設準備は1974年から始められ、現地調査が開始されたのはその4年後であった。

1983年に第1号機の運転が開始され、その後1986年に第2号機が完成した。そのまま運転も開始される予定であったが、チェルノブイリ原発事故の影響で運転開始が1年延期され、翌年1987年に運転を開始した。また、同様の影響から第3号機の建設も延期され、結局1989年に建設計画は中止、そのまま解体された。

[編集] 操業停止と国民投票

イグナリナ原発の原子炉は、チェルノブイリ原発の RBMK-1000 型と炉心の格納構造の脆弱性という点で類似していることから、欧州連合(EU)は原発の閉鎖を求めていた。そしてリトアニアもEU加盟に際して現存する原子炉の操業を停止することに同意していた。第1号機の操業停止前までリトアニアの全電力のおよそ 80 % を供給しているなど、リトアニアは、フランスとともにヨーロッパで最も原発に依存する国であった。そのため、EUは2013年まで原子炉廃用のための費用や補償のために資金援助することを決めている。

しかし一方で原発の操業停止にはリトアニア国民の強烈な反対もあった。発電所は地元経済を支えており、地元住民の補償のために観光などの新たな産業が促進されている。また操業停止に伴う電気料の高騰も指摘されており、多額の費用負担を懸念する声もある。

結局リトアニアは、EU加盟に際し、2004年12月31日に第1号機の運転を終了した。同様に第2号機も2009年までの閉鎖が予定されていたが、同機は2006年までリトアニア国内の全供給の 70 % にあたる電力を供給しており[1]、原発に大きく依存するリトアニアにとって第2号機の閉鎖は現実的な選択とは言えなかった。2008年10月12日操業の続行をめぐる国民投票が行われ、国民投票自体は投票率が50%を下回ったために無効となっているものの、投票者のおよそ9割は操業続行を支持した。

[編集] 新たな原発

詳細は「ヴィサギナス原子力発電所」を参照

操業停止により起こりうる電力不足に対応するため、イグナリナ原発と同じ場所に新たな原発を建設するべきだという議論が1990年代から2000年代にかけて起こった。2006年2月27日トラカイでのバルト三国首相による会合で、3カ国はそれぞれの国営電力会社に対してリトアニアの新原発建設計画に投資するよう働きかける旨の公式声明を発表した[2]2007年6月28日リトアニア議会は新原発建設のための新法を成立させ、建設は実行に移されることとなった[3]2008年7月30日、リトアニア・ラトビアエストニアポーランドの電力会社は、3,000〜3,200ワットの電力を供給する新原発建設に向けて、ヴィサギナス原子力発電所会社の開業に同意した[4]。新原発の操業開始は2015年2018年になるものとみられている[5]。なお、エストニアのアンシップ首相とエストニア電力のリーヴェC.E.O.は2008年10月31日、「エストニアが原子力発電の道を選択するのであれば、独自建設の路線が優先される」と述べ、リトアニアの新原発建設計画参加よりも自国の原発建設を優先することを示唆している[6]

[編集] 脚注

  1. ^ "Electricity Market in the Baltic Countries". Lietuvos Energija. 2008-04-19 閲覧。
  2. ^ (2006 April). “Three Baltic states say "yes" to nuclear energy”. ENS News (12). European Nuclear Society. 2008-07-31 閲覧。
  3. ^ Nerijus Adomaitis (2007-06-28). [adopts law on new nuclear power plant”]. Reuters. http://www.reuters.com/article/mergersNews/idUSL2870020520070628 2007-07-09 閲覧。 
  4. ^ [recognised with nuclear site name”]. World Nuclear News. (2008-07-30). http://www.world-nuclear-news.com/NN_Visaginas_recognised_with_nuclear_site_name_3007082.html 2008-07-31 閲覧。 
  5. ^ Nerijus Adomaitis (2008-06-05). [targets 2015-18 for new nuclear plant”]. Reuters. http://uk.reuters.com/article/oilRpt/idUKL0544112420080605?sp=true 2008-07-31 閲覧。 
  6. ^ [close to pulling the plug on nuclear power project”]. Baltic Bussines News. (2008-11-03). http://balticbusinessnews.com/Default2.aspx?ArticleID=2dbe15aa-a0be-4d11-9f70-1be1f6725323 2008-11-04 閲覧。 

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

座標: 北緯55度36分16秒 東経26度33分36秒 / 北緯55.60444度 東経26.56度 / 55.60444; 26.56

最終更新 2009年11月4日 (水) 22:09 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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