ウォークスルーバン
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ウォークスルーバン(Walk-through Van)は商用車の一形態である。英語圏での一般的な呼称はウォークインバン(Walk-in van)で、ほかにデリバリー(配達)バン、ステップバン、パッケージ(小包)カーなどの商標や通称がある。
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[編集] 概要
郵便や宅配便などの集配業務では、乗降と仕分けが頻繁にならざるを得ないが、ウォークスルーバンはその一連の作業の省力化を図るために考案された。
乗員が運転席と荷室の間を、車から降りることなく自由に行き来でき、かつ、荷室では立ったまま作業することができる構造を持つ。このため、他の寸法に比較して全高が特に高い外観となる。また、天地に大きくなりがちな運転席ドアは、軒や壁、標識、電柱、街路樹などと上部の干渉を防ぐためと、高い頻度で開閉されることから、歩行者や他車との接触事故を防ぐ目的のほか、路肩やガードレール際といった狭い場所での乗降に都合の良いよう、引き戸や折戸が用いられていることが多い(欧州車を除く)。
[編集] 欧州型
(1947 - 1981)
欧州では、フランスやイタリアを筆頭に、2トン積み(GVW3500kg未満)クラスにいたるまでFFが一般的であり、フレームもはしご型ではなく、プラットフォーム型とする(トラック用のはしごフレームを別途設定している場合もある)など、その構造は乗用車派生のミニバンに近い。運転席や荷室の床が低く、座席も一般的な深く腰掛ける形状、フロントドアも一般的なヒンジ式で、外観もワンモーションスタイルとなっているなど、ミニバンの発展形ともいえる特徴を持つ。そのため、次で述べる米国型などと比べると、離着席の容易さや、ウオークスルー性でやや劣る面もある。
その一方で、自然な運転姿勢で操縦安定性と乗り心地に優れ、十分な室内高を持つことから、ピープルムーバー(乗用車)やコンビ(貨客兼用車)の設定があり、救急車やミニバスとしても利用されている。
合理的な設計で特筆されるのはシトロエン・タイプHで、エンジンとトランスミッション(トランスアクスル)を前輪より前に納め、後輪にはフルトレーリングアーム式サスペンションを用いることで、ウォークスルーと驚異的な荷室の床の低さを実現した。
3代目までのフォルクスワーゲン・タイプ2はリアエンジンのため、荷室後部をエンジンルームに占領されるが、運転席と荷室の床は非常に低く、かつ平らにつながっており、前席を二人掛けとしたウォークスルータイプにハイルーフを組み合わせたモデルのウォークスルー性はシトロエン・Hトラック以上である。
メルセデス・ベンツは、長らく大型のFF車を生産してこなかったことや、キャブオーバー型のマイクロバスを大型バンとしても販売していた経緯から、現在に至るまで一貫してフロントエンジンリアドライブを採用し続けている。そのため、スプリンター(T1N)は、FFやRR勢に比べ、床の高さ、ボンネット長、全高がやや大きい。
乗用車に比べ生産台数が少ないため、各メーカーともに共同開発やバッジエンジニアリングによるOEMなどでコストの低減に努めており、プジョー・ボクサー、シトロエン・ジャンパー(en:Jumper)、フィアット・デュカートの3車をはじめ、ルノー・マスターと日産・インタースター、メルセデス・ベンツ スプリンターとダッジ・スプリンターなどが共通化されているほか、韓国の大宇もイギリスのLDV(en:LDV Group Limited))やポーランドのFSCとジョイントしている。また欧州フォードのトランジット(en:Transit)は、トルコ生産に切り替えられている。
欧州型の例
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フランス |
[編集] アメリカ型
北米では、金融機関の現金輸送車やSWATなどの人員輸送車、UPS(ユープス)のパッケージカー、ホットドッグ、アイスクリームなどの移動販売車やケータリングカーなどに用いられているものが代表的である。車両はシボレーとグラマン・オルソンで、どちらも専用設計であるが、一般的なトラック同様のはしご形フレームを持つため、床が高く、運転席には乗降用のステップが備わる。これらは欧州型とは異なり、純粋な旅客車(ミニバス)として用いられることは無い。
グラマン・オルソンのUPS向けパッケージカー(Pシリーズ)は、特に低床・コンパクトにまとめる設計手法は採られていないが、近年の欧州向けではタイヤ径を小さくし、低床化を図るなどの変化も見られる。
アメリカ型の例
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シボレー・ステップバン(USPS) |
グラマン・オルソンP800(UPS) |
[編集] 日本型
(1968 - ?)
クイックデリバリー(1982 - )
(1984 - 1998)
日本では、戦前に三越百貨店が配達用として日産に注文した、80型トラック特装バンの例がある。この車は座間記念車庫に保管されており、現在でもイベントなどでその姿を見ることができる。
また、戦後のカタログモデルとしては、1968年(昭和43年)にモデルチェンジしたいすゞ・エルフの2代目に、エルフ ハイルーフの名で、アルミボディーのウォークスルーバンが登場している。その後、1982年(昭和57年)にヤマト運輸が宅急便集配用にトヨタと共同開発したクイックデリバリーや、他社の競合車種も、はしごフレームを持つ1.5 - 2トンクラスのトラックをベースに、平面構成の鋼製車体を架装する工法を踏襲しており、アメリカ型に準ずる構造である。日本のこのクラスの車種で、プラットフォームフレームを採用した例は無い。
1984年(昭和59年)、ダイハツ・ミラをベースとしたミラ ウォークスルーバンが登場し、見た目のユニークさと実用性の高さ、そして何よりも、軽規格内でのウォークスルーということで、大きな話題となった。
ミラ ウォークスルーバンは、軽量化と室内容積の有効活用のため、乗降用ドアは戸袋やスライドレールの不要な内開き式の折戸が採用され、左側のみに配置されている。バックドアには3枚折戸と上下開きの2種類がある。基本的には1人乗りで、助手席はオプションである。軽自動車規格の最大高は2.0メートルが上限のため、室内高はやや低いものの、優れた設計で床の段差はできる限り小さくされており、小回りの効く外寸と共に使い勝手は良く、大きな成功を収めた。
さらに、移動販売車として、商用車臭を薄めたデザインを施し、荷箱に対面販売に対応したガルウイングドアを装備する、ミラ ミチートも追加されている。
ウォークスルーバンの後継モデルと見られるを参考出品しているが、市販には至っていない。
市場の反響の大きさからスズキ・アルトと三菱・ミニカにもウォークスルーバンがラインナップされたが、先行して登場したミラに比べ、耐久性に乏しいことや、荷室の床が平らでないなど、各部に造りの荒さや詰めの甘さが散見されることから敬遠され、これら2車は軽自動車の規格変更前に消滅している。
660cc規格ではミラのみ生産が続けられていたが、それも1998年の軽自動車規格改定と同時に消滅している。
ダイハツは東京モーターショーにおいて、第38に「FFC」を、第41回に「デカデカ」をコンセプトカーとして出品しており、ウォークスルーバンの後継車、あるいは派生車についての模索が続けられていることを表明している。
日本メーカーの国内現行車種としてはトヨタ・クイックデリバリーのみとなっているが、欧州日産ではルノー・マスターのOEM車を、インタースターの名で販売している。
[編集] マイクロバス派生バン
写真はキャンパー
マイクロバスを生産しているメーカーでは、それを貨物車に転用して、大型のワンボックスバンとしているものがあり、古くはメルセデス・ベンツのL319など、現在ではトヨタ・コースター ビッグバンなど、多くの例がある。これらでは、室内の造りや床の高さが貨物用に特化しているわけでは無く、外板もバスと共通であるため、専用車体のバンに比べ、ウォークスルー性(車種によってはエンジンカバーをまたぐ必要がある)や乗降性、荷役性などの使い勝手や、破損した際の板金修理費などで不利となる。
[編集] 日本のウォークスルーバン一覧
- 初代(L55)
- 2代目(L70)
- 3代目(L200)
- 4代目(L500)
- 2代目
- 5代目
- 6代目
- アフターマーケット
- デリバリーマン
最終更新 2009年11月11日 (水) 19:02 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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