エアロパーツ
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エアロパーツ (aero parts) とは、自動車の部品の一種。空気力学的な抵抗・揚力の低減、操縦・走行安定性の向上、エンジン・ブレーキの冷却効果増大、車体の汚れ防止などを目的とする。車体外部に取り付けるものが多く、空力特性よりもデザイン性が優先される場合もある。エアロ、空力的付加物などとも呼ばれる。
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[編集] 種類と効果
以下に挙げるものの他にも、車種や目的に応じて様々なエアロパーツがある。
[編集] フロントスポイラー
エアダムとも呼ばれ、主に、車体下面への空気の流入を抑制し、揚力を低減する部品。フロントバンパーと一体式になったものは「フロントバンパースポイラー」と呼び、フロントバンパー下部に装着するものを「フロントアンダースポイラー」「フロントハーフスポイラー」「リップスポイラー」「チンスポイラー」「出っ歯」などと呼ぶ。
フロントスポイラーを装着した場合、それにウインカーなど重要保安部品がついていた場合、オーバーハング規定が採用され、その最低部が最低地上高となる場合が多いが、何も着いていなかったり、リップスポイラーなどの場合その規定が当てはまらないため最低地上高の対象外となる。離対気流等、車体進行方向前方から気流を最も受けるパーツである。
フロントスポイラー、サイドスカート、リアスポイラーの3つを合わせてフルエアロと呼ぶ場合がある。
[編集] サイドスポイラー
サイドスカート、サイドステップ、サイドシルプロテクター(主に日産純正部品)とも呼ばれる。両サイドに装着し、車体横に流れ込む風を効率よく後部に受け流す。
[編集] リアスポイラー
リアハーフ、リアアンダーとも呼ばれる。リアバンパーの形状を最適化し、後方にできる渦の発生を抑え、スムーズに気流を受け流す。リアバンパーと一体式になったものは「リアバンパースポイラー」と呼び、リアバンパー下部に装着するものを「リアアンダースポイラー」「リアハーフスポイラー」「リアスカート」などと呼ぶ。
[編集] リアウイングスポイラー
リアウイングスポイラーは車体後方上部に装着し、後方にできる渦の発生を抑え、スムーズに気流を受け流す整風効果を持つ。さらにリアウィングはダウンフォースにより主に後輪のグリップ力を増大させる効果が期待できる。
後部ガラス上端部にスポイラーを設けるのが最も整風効果が高いとされているが、スタイリッシュ感を強めるためにトランクリッドの縁に設けられることが多い。主にスポーツ系の車両に装備されるものだが、小型のものはセダン系にも装着される事がある。ブレーキランプの一つ、ハイマウントストップランプを内蔵することもある。
大型リアウイングを装着する場合は構造変更申請が必要となる場合もあるが、スポーツカーやラグジュアリーカー等のオーナーの中には、そうと知らずに装着している者も多く、度々話題になる。メーカー純正のリアスポイラーには構造変更申請が不要な物が多い。社外品でも翼端板をr5以上のものにし鋭利な角をなくしてから全幅の片側16.5センチ以内に装着する、翼端板を大きくし、車体との間が2センチ未満とする等、合法化する手段はある。メーカーによっては車種専用に取り付け幅を設定し車検対応品として売り出しているものもある。
[編集] テールゲートスポイラー
ルーフウイングとも呼ばれる。ハッチバック車の後部ガラス上端部にスポイラーを設けるものである。ブレーキランプの一つ、ハイマウントストップランプを内蔵することもある。ハッチバック車の後部は大きな窓ガラスで占めているが、整風効果により降雨時の後方視界の確保に効果的に作用する。
[編集] リヤデフューザー
車体下部を通る風をバンパー下部から効率良く抜くことにより、地面効果の作用を強めようとする整風板。レースカーでは様々な工夫が見られる箇所であるが、市販車程度の車高があると地面効果は働かず、市販車ではドレスアップパーツに過ぎない。
[編集] エアロガーニッシュ
グリルガーニッシュとも呼ばれる。グリル部に装着し、エンジンルーム内に進入する気流と受け流す気流を調整する。一定の冷却効果を狙ったものもある。
エアロガーニッシュは一見してドレスアップの目的のみに装着されると考えられる場合が多いが、実際にはサイドスポイラーより気流の影響を受けるエアロパーツとして知られ、各メーカーでは度重なる風洞実験を繰り返しながら設計される。ラジエターがフロントグリル後部に設置されているタイプの自動車においては、開口部の大きさに重きが置かれ、アンダーグリル部にラジエターが装着された自動車は、ボンネット上部に風を受け流すパーツとして、その角度に重きが置かれて設計される場合が多い。
[編集] カナード
スラストスポイラーとも呼ばれる。主にフロントの浮き上がりを抑え離対気流の発生を防ぐ。カナードはフロントの左右に装着される羽のようなもので、場合によっては人を傷つける恐れがある事から、基本的に公道では使用できない。公道で使用するにはRをつけたり縁に5r以上のゴムモールなどを巻くなどの処置をする必要がある。(運輸局により解釈は違う。)
[編集] エアロミラー
純正のドアミラーは形状的に風切り音を誘発しやすい事から、主にその風切り音を防止する。可倒式(または脱落式)でなければ、公道で使用することはできない。
[編集] タイヤディフレクター
タイヤスパッツ、タイヤストレーキなどメーカーにより呼び方は異なる。回転体であるタイヤに気流が当たった場合、回転により生じた乱気流により気流が撹乱され、それが大きな空気抵抗及び操縦安定性が不安定になる要因となる。 それらを改善するため、タイヤに当たる空気を抑制する目的でタイヤ前方またはタイヤ前方のやや車体縦中央よりの床下にタイヤに対し直角方向に装着される整流板。これは汎用品や社外品で販売されることはほとんど無く、純正で装着されていることが多いパーツである。 ほとんどのものは板状だが、中には馬蹄型にすることにより整流板自体の空気抵抗の低減とブレーキ冷却性を高めたものを用いるメーカーも存在する。
[編集] GTウイング
GTウイングを参照
[編集] 一般用エアロパーツとレース用エアロパーツ
通常、基本車体の空力設計が高いレベルの車両にはさほど大きなエアロパーツは必要は無い。逆に言えば、車両の揚力や乱気流、不要な熱を生じる箇所に適切に用いれば高い効果を発揮する。 アウディ・TTが超高速域での事故多発を受けリコール扱いでウイングが追加された例があるが、これもダウンフォースを増やすことが目的ではなく、流速を落とし揚力を減らすのが主たる目的である。対照的にレースカーに装着されるエアロパーツの大半は、ダウンフォースを得る事とドラッグ(空力的な走行抵抗)の低減に重きを置いて設計されるため根本的な性質が異なる。
エアロパーツの効果は低速域でも効果は存在するが、サスペンションや駆動系の機械抵抗などの空力以外の要素の方が影響が強く、数値などには表れにくい。しかし速度が上がるほど空力がおよぼす影響の比率が高くなる。走行安定性はかなり低い速度でも体感できる場合がある。
一般的にフロントスポイラーやリアバンパースポイラー等を装着すると最低地上高が小さくなる。あまり大きなパーツを取り付けると投影断面積が増えドラッグが増加する。GTレースカーのように車高を落として低重心化した上で、高速走行のために、より大きなダウンフォースも得る必要がある車両には、車両底部を平坦にし(フラットボトム化)、フェンダーに装着するワイドフェンダーや、エアロボンネットといった全体をエアロ化できるパーツを装着する必要がある。特に、こうしたパーツを用いてエクステリア全体のエアロ化を行っておらず、基本的なエアロパーツしか装着していない一般自動車を車高調等で低重心化すると離対気流が発生したり、後方にできる空気の渦等を適切に処理できなくなり、狙いとは逆にドラッグを大きくしたり、操縦性に悪影響を及ぼすこともある。それとは逆にエクステリア全体のエアロ化を行ったレースカーの場合は車高を落とす事でより大きな安定性とダウンフォースを得る事ができる。
[編集] ドレスアップ目的のエアロパーツ
近年ではセダン、ミニバン、ステーションワゴンなどを中心に、ファッション性を重視したドレスアップパーツとしてのエアロパーツが人気である。これらの大半は空力性能の向上を目的としてはおらず、スタイリングの変化を楽しんだり、オーナーの個性を演出するといったファッションパーツである。現在、乗用車向けに販売されているエアロパーツの中で、風洞実験等で空力効果を実証して開発された商品は限りなく少数である。これは風洞設備の使用料が高額であり、中小企業が多いとされるパーツメーカーらが容易に使用できない事が大きく関係している。このような状況から、エアロパーツと呼ばれながらも空力効果の立証されていない物が大半を占めており、殆どのエアロパーツが機能パーツではなくファッションパーツ寄りとなっているのが現状である。
[編集] トラック用のエアロパーツ
トラックにもエアロパーツが設定されている。トラックの場合はキャブ(運転台)よりも高さや幅のある荷台への空気抵抗を軽減する目的で装着されるため、主にバンボディを架装し、高速道路を走る機会が多い宅配便や企業間物流の路線トラック、冷凍車・保冷車、引っ越し業者に見られる。スピードリミッターの装着が義務づけられているため最高速度は90km/hだが、乗用車よりも投影面積が大きい分、空気抵抗の軽減は燃費節約に効果がある。参考までに三菱ふそうスーパーグレートの場合、空気抗力係数(cd値)は0.53となるが、エアロパーツを装着することによって0.44まで軽減される。
- エアデフレクター
- 運転台の上に装着し、荷台への空気抵抗を軽減する。別名導風板(どうふうばん)。
- サイドパニエ(ギャップシールド)
- 運転台と荷台との間の隙間を埋める。エアデフレクターとセットで装着すると効果が上がる。
- コーナーベン
- フロントの左右端に装着。フロント部への空気抵抗はこれを通してサイドに送り込むことで減少させる。
- サイドスカート・リアスカート
- 目的・効果は乗用車用と同じ。ただし、通常のトラックではこの部分に燃料タンクや機器などが装着されているためむき出しになっていることが多く、装着例は少ない。
[編集] 素材
エアロパーツの材質は主に合成樹脂である。競技車両用のエアロには、より軽く高剛性で小ロットで製造できるガラス繊維強化プラスチックや炭素繊維強化プラスチックが用いられる事が多い。乗用車向けエアロパーツに関しては、アフターマーケット向けパーツメーカー製は小ロット生産、加工性に優れ、また万が一破損した際も補修が容易なガラス繊維強化プラスチックが主流である。また純正用品やディーラー向けアクセサリーとして用意されているエアロパーツには、大量生産に対応でき、リサイクル性に優れたポリウレタンやABS樹脂などを採用する場合が多く、真空成型や射出成形等によって成型される(破損時の補修は不向きとされている)。なおアフターマーケット向けパーツメーカーの中にもリサイクル性を重視したり、大量生産が見込める人気車種にはポリウレタン、ABS樹脂等を採用している場合もあるが、あくまでも一部に限られている。
[編集] 注意点
パーツを装着後、車両の全長など車検証の記載内容から一定範囲を超えた場合には、車検の更新が受けられない場合や検挙の対象になることもあるので、市販品といえども注意が必要である。
一般市販車向けとして販売されているパーツは、小企業、零細企業、あるいは個人工房などが、ドレスアップ性を重視して製作しているものである。CADを用いた空力設計や風洞による空力の検証などはほとんど行われないので、ダウンフォースが増えないばかりかかえってドラッグを増す結果にもなりかねず、本来の空力的な効果は期待できないと割り切ったほうがよいが、開口部の面積によっては冷却性の上昇が見込める。会社によってはラリー、スーパー耐久、スーパーGT等で得られたデータを基に作成しているところもある。
最終更新 2009年11月21日 (土) 04:53 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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