オースチン・7

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オースチン・7
1926 Austin 7 Box saloon
ボディタイプ ツアラーサルーンカブリオレスポーツクーペバン
エンジン 747cc 直列4気筒
後継 オースチン・8
-このスペック表は試行運用中です-

オースチン 7(Austin 7:オースチン セブン)は1922年から1939年にかけて英国オースチンが生産した小型乗用車である。英国で生産された小型車で最多販売車種であり1920年代初期に他社の小型車やサイクルカーを一掃してしまった車である[1]。「オースチン 7」が英国自動車史上に与えた影響は米国でのフォードT型に相当する。「チャミィ(Chummy)=仲よし」という愛称で親しまれた。世界中の自動車メーカーがこの車のライセンス生産、コピー生産をおこなった[2]BMWの最初の自動車は「オースチン 7」のライセンスであった。米国ではアメリカン・オースチンも、フランスでは、ローザンガールがライセンス生産をした。日本のダット自動車はライセンス契約せずに自車のデザインベースとして「7」のデザインを流用した。(と、米国や英国は主張しているが、実際はフランスの「ベンジャミン」1922年型の流用である。)

第2次世界大戦後、多くの「オースチン 7」が「スペシャル仕様」[3][4][5]としてリビルドされた。ロータスのロータスMk1はその代表例である。

目次

[編集] 歴史

Austin 7 Saloon 1931
Austin 7 Ulster 2-Seater Sports 1930

第1次世界大戦前のオースチンは、大型車を製作していた。1909年にはスイフト自動車が生産した単気筒7馬力(hp)の車をオースチン・セブンとよび販売していた[6]。これののち再び大型車の製作に復帰したが、会社の財務状況を心配する役員たちの抗議にもかかわらずハーバート・オースチンは小型車のほうがより一般に受け入れられるであろうと考えた。競争相手であるがウーズレーにアイデアを持ち込むと脅して役員たちを説き伏せた。ウーズレーはオースチン自身が職業人として育成され、創業者ウーズレーの死後社長を引き継ぎいまだウーズレーの会長でもあった。ハーバート・オースチンがシャシーやサスペンションなどを自身でデザインし、1917年入社の18歳のスタンレー・エッジがエンジンデザインを担当した車でスタートすることを認めさせた。これは1921年8月から1922年4月にかけてハーバート・オースチンの自宅の一角のリッキー・ガレージで作り上げたものだった。ハーバートは自分の財産を投じてこれをデザインし、多くの特許を自身の名前で取得している。この投資は車が一台売れると2.10ポンドのロイヤルティが支払われることとなった。[2]

多くの人は期待していなかったが、初年度に2,000台が生産された。数年で「ミニチュアのビッグカー」はサイクルカー業界を一掃してしまい、オースチンに勝利の女神が輝いた。乗用車以外にバンモデルも作られ、1939年までに29万台が生産されて終了した。

[編集] シャーシ

オースチンセブン はフォードT型よりもかなり小型で、ホイルベースはたった1.905 mほど、車輪間の幅は1.016 mである。360 kgとかなり軽量で、フォードの半分以下の重量である。これを適切に走行させるのに必要となるエンジンもそのため小型ですみ、747ccサイドバルブの出力10馬力(hp)で非常に快適だった。

シャーシは「A」形で、エンジンは前方の狭くなったチャネルセクション間にマウントされた。リアサスペンションは1/4楕円ばねがシャーシの後方に首ふりカンチレバーされた。フロントはビームアクスルで半楕円ばね。初期の自動車はショックアブソーバーなど装備されていなかった。4輪ブレーキだったがフロント側はハンドブレーキでリアがフットブレーキだった。4輪が統合されたのは1930年からである。ステアリングはウォームギアとホイールギアを使っていた。

[編集] エンジンとトランスミッション

当初は2気筒として考えられたが、エッジが4気筒を主張しハーバートも同意した。4気筒エンジンは747 cc、ボア 56 mm、ストローク 76 mm、サイドバルブエンジン、アルミのクランクケース、鋳鉄製シリンダーブロック、鋳鉄製シリンダーヘッドに収められた。圧力注油型クランクシャフトがベアリング2個で駆動された。ベアリングは1936年に3個に変更されている。電動スターターは1923年11月に装備された。当初はマグネトータイプのイグニッションシステムが使用されていたが 1928年からはコイル方式に変更された。

3速リバース付ギアボックスがエンジン一体となっていた。変速比はモデルによってさまざまに変更されていた。4速ギアボックスは1932年に追加され、1933年には3速と4速にシンクロメッシュが追加された。1934年にはさらに2速にシンクロメッシュが追加されている。

後方車軸はスパイラル・ベベル型でギア比は4.4:1および5.6:1。短いトルクチューブがディファレンシャルのハウジングからリアアクスル・クロスメンバーのベアリング・ブラケット部まで伸びている。

1931 Austin 7 Swallow saloon

[編集] スワロー社

1920年代にジャガーの共同設立者であるウィリアム・ライオンズブラックプールスワローという会社でモーターサイクルのサイドカー製作をおこなっていた。ライオンズは1927年になると自動車ボディー製作をおこなうようになった。最初に手がけたボディ架装がオースチンセブンのシャーシだった。1932年までに3500台程のさまざまなスタイルが製造された。それ以降はSSというブランド名で自動車全体の製造をおこなうようになった。[7]

フランス ローザンガール LR2 1929年式ライセンスモデル

[編集] ライセンス生産

オースチンセブンはドイツのDixiでは1927年から、フランスのローザンガールでは1928年から、米国のアメリカン・オースチンで1930年からライセンス生産された。さらに、シャーシおよび駆動装置は日本やオーストラリアに輸出され使用された。

[編集] ボディスタイル

ツアラー(Tourers)、サルーン(Saloons)、カブリオレ(Cabriolet)、スポーツ(Sports)、クーペ(Coupés)、バン(Vans)

[2]

[編集] ツアラー

Austin 7 Chummy Tourer 1929
ツアラー(Tourers)
タイプ 名称 備考 開始年 終了年
XL プロトタイプ 1922
AB アルミボディ、4席 1922 1924
AC 1924 1926
AD 4座 1926 1929
AE 4座、ADより2インチ幅広となる 1929 1929
2座 1929 1930
AF スチールボディ4席 1930 1932
AH プレスによるスチールボディ、4座 1932
AAK オープン・ロード・ツアラー(Open road Tourer) Cowled radiator 1934
AH プレスによるスチールボディ、4座 1932
PD 2座 1934
APD Opal 2座 1934 1936
AAL オープン・ロード・ツアラー(Open road Tourer) スペアホイールがカバーされた 1935
AH プレスによるスチールボディ、4座 1932
APE New Opal 2席 1936
Austin 7 Box Saloon 1933
Austin 7 "New Ruby" saloon

[編集] サルーン

サルーン(Saloons)
タイプ 名称 備考 開始年 終了年
R アルミまたは布(ファブリック) サルーン(Aluminium or fabric saloon) 1926 1927
RK アルミまたは布(ファブリック) サルーン 1927
RL スチール・サルーン(Steel saloon) 1930
RG 布(ファブリック)サルーン(Fabric saloon) 1930
RN ロングホイールベース、スチールサルーン
RP 1932
ARQ Ruby サルーン 1934
ARR "New" Ruby サルーン 1936

[編集] カブリオレ

カブリオレ(Cabriolet)
タイプ 名称 備考 開始年 終了年
AC Pearl ARQ Rubyのカブリオレタイプ 1934
ACA "New" Pearl ARR New Rubyのカブリオレタイプ 1936
Austin 7 Ulster 2-Seater Sports 1930
Austin 7 65 Nippy 2-Seater Sports 1933

[編集] スポーツ

スポーツ(Sports) - スポーツはロードスタータイプ
タイプ 名称 備考 開始年 終了年
50 mph アルミボディ、ロングテール 1926
E Super Sports アルミボディ、ドアなし 1927 1928
EA Sports Ulster アルミボディ、ドアなし
EB 65 Type 65 アルミボディ、スチールウィング、ラウンドテール 1933 1934
AEB Nippy オールスチール 1934 1937
EK 75 Speedy アルミボディ、ポインテッドテール(Pointed tail)
AEK Speedy EK 75の別型番(Redesignation) 1935

[編集] クーペ

クーペ(Coupés)
タイプ 名称 備考 開始年 終了年
B ボディ上部は布製(ファブリック) 1928 1931

[編集] バン

バン(Vans)
タイプ 名称 備考 開始年 終了年
AB, AC, AD ツアラーへの架装(Converted tourer) 1923 1927
AE 1929 1930
RK RKサルーンへの架装(Converted RK saloon)
RM RLサルーンへの架装(Converted RL saloon)
RN RNサルーンへの架装(Converted RN saloon)
RP RPサルーンへの架装(Converted RP saloon) 1933
AVH
AVJ, AVK Rubyへの架装(Converted Ruby) 1939

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 脚注

  1. ^ Baldwin, N. (1994). A-Z of Cars of the 1920s. Devon, UK: Bay View Books. ISBN 1-870979-53-2. 
  2. ^ Mills, Rinsey (1996). Original Austin Seven. Bideford, Devon: Bay View Books. ISBN 1-870979-68-0. 
  3. ^ Classic Motor Monthly: The Super Accessories
  4. ^ The Austin Seven Special
  5. ^ Austin 7 Special
  6. ^ Georgano, N. (2000). Beaulieu Encyclopedia of the Automobile. London: HMSO. ISBN 1-57958-293-1. 
  7. ^ Sedgwick, M. (1989). A-Z of Cars of the 1930s. Devon, UK: Bay View Books. ISBN 1-870979-38-9. 

最終更新 2009年11月3日 (火) 10:04 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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