ジンクス
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ジンクス(英語:jinx)は、縁起の悪い言い伝え。様々な物があり、生活に密着した教訓・習慣・法則の一つ。科学的根拠に基づかず、経験に基づき唱えられる場合が多いため、前後即因果の誤謬に陥っているものが少なくないが、近世になってから裏付けがとれたものもあり、全てが迷信とは言いきれるわけではない。また、縁起担ぎに関するものでは類感呪術的な発想も多い。(金を連想させるものを金運のジンクスにするなど)
語源は不鮮明だが、ギリシア語のjynx(アリスイ。キツツキの一種)に起因するという説がある。アリスイは、自らの首を180度回転させ真後ろを向けられるため、不吉とされてきた背景があり、しばしば魔法と占いに用いられた。
なお、本来の語義は「縁起が悪い」、「運が悪い」など悪いものであるが、日本においては良い縁起という意味でも使われる。
目次 |
[編集] 日本のジンクス
[編集] 生活
- 一富士二鷹三なすび(初夢の縁起担ぎ)
- 虫の知らせ - 下駄の鼻緒が切れる、湯呑みや飯椀が自然に割れる・写真立てが自然に倒れるなどの事態が起こると不幸が訪れる。
- 料理店のサイン色紙や佐川急便の飛脚マーク(現在は変更されている)に触ると、良い事が起こる。
- 黄色いサイコロや蛇の抜け殻を財布の中に入れる、また黄色い財布にするとお金が貯まりやすくなる。風水でよく言われる。
- 軒の下にスズメバチの巣がある家は金持ちになる。また、大きな巣を玄関に飾ると金持ちになる。
- 三代目が家を潰す。特に商家や同族経営の会社に対して。(「売家と 唐様で書く 三代目」という川柳が江戸時代からある)
- 災難
- 二度有ることは三度ある。
- 好事魔多し。
- 方違え
- 外出先の方角が悪い時は一旦吉の方向にでかけて、目的先の方角の吉凶が変わるのを待つという習慣。
- 忌み番
- 4は「死」、9は「苦」に通じることから、縁起が悪いとしてホテルや病院の部屋番号や階層、鉄道車両の番号等で使用を避けることがある(「3」も「惨」に通じることから、使用を控えた会社があった)。自動車のナンバープレートでは、末尾「42」と「49」を飛ばして付番されており、車種を示す平仮名も『し』は『死』を、『へ』は『屁』を連想させるため使われていない。また駐車場でも、4と9のつく番号を飛ばしているところは少なくない。しかし、葬儀業者の電話番号は『1142(いい死に)』『4142(良い死に)』『4242(死に死に)』などとしているところが多い。日本プロ野球でもこれらの番号はよく思われないことが多かった。ただ42はメジャー史上最初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンの背番号と同じ番号のため黒人選手にはむしろ好まれる番号でもある。またメジャーリーグ全球団共通の永久欠番であることから、助っ人外国人選手がこの番号を希望することが多い。キリスト教圏では、イエス・キリストの最後の晩餐に出席した人数が13人であったことから「13」を不吉な番号として、また「666」を悪魔の番号であるとして使用を控えることがある。
- 4つの選択肢の中から1つを選ぼうとすると不幸が起こる。
- 六曜
[編集] 天候
(農民、漁民などから生まれたジンクス。観天望気に基づく確率の高いものもある)
- 七夕は曇り。
- 体育の日と文化の日は晴れ(晴天の特異日の一つだが、体育の日のジンクスはハッピーマンデー法の登場とともに破れた)
- 干潮から満潮に向かう時間帯は雨が降りやすい。
- 猫が顔を洗うと雨が降る(顔程度では降らないが、耳まで洗うと降るという人もいる)
- 朝焼けは雨の予兆。夕焼けは晴れの予兆(ただし西の晴天は東へ移るという根拠がある)。
- ツバメが低く飛ぶと、雨が降る(これも曇天の時は上昇気流が起こらないので、餌になる虫が低空を飛ぶという裏付けがある)
- カラスが高い木のてっぺん付近に巣を作るとその年洪水が起きる。
- 西暦で1の位が3の年は冷夏になることが多い(1783年の天明の大飢饉、1993年の米騒動等。2003年も全国的に冷夏に見舞われた)。
- 石原裕次郎の命日である7月17日は雨となることが多い(通称「裕次郎雨」)。
- 7月17日は梅雨の最中である場合が多いこともある。
- 二百十日(毎年9月1日頃)と二百二十日(9月26日頃)は台風襲来の特異日(特に9月26日頃は室戸台風・洞爺丸台風・伊勢湾台風が甚大な被害を出している)。
[編集] スポーツ
- 2年目のジンクス -1年目に活躍した選手は2年目に活躍できないというもの。
- 「金の草鞋」 -年上の女性と結婚したスポーツ選手は成績が伸びる。食事管理を筆頭に日々の体調管理は奥さんの依存度が大きく、かつ独身選手よりも優れていることから。
- オリンピック日本選手団主将は好成績を残せない。北京オリンピックまでの10大会中5大会で柔道から選出されている。石井慧はロンドンオリンピックで主将に指名されることを拒否する発言をしている[1]。
- ヒーローインタビューで優勝・快進撃を匂わす発言をすると勝てなくなる。
[編集] 大相撲
- 「弓取式」を務める力士は出世しない。また「初切」(しょっきり)を務める力士は大成できない。
- 「序盤、平幕、初顔合わせ」
- 「平幕優勝に大関なし」
- 「荒れる名古屋」
- 7月場所で、大番狂わせや優勝争いの混戦、平幕優勝などの多いこと。
- 夏場の開催で体調管理の難しいことから、調子を落とす上位力士も多いのが、要因とされている。他のスポーツでもいえることだが、相撲取りは特に体質的に暑さには弱いとされていて、猛暑の年の名古屋場所は特に荒れるとも。
- 土俵入りで「不知火型」を選んだ横綱は短命に終わる。 - 「横綱土俵入り」を参照
[編集] 野球
- ラッキーセブン - 7回の攻撃で得点が入りやすいこと。
- 代わった所に打球が飛ぶ - 交代した選手のところに球が飛ぶ。
- スミ1 - 1回の表か裏に1点が入って、その後膠着状態となるような試合展開のこと。1点を追う側にとっては、その1点が結局決勝点になってしまうという意味で、守る側からすると結局その1点しか取れないという意味で、双方から不吉とされる。
- 会心の当たりは野手のいるところに飛ぶ - もともと野球の野手の守備位置は、打球の飛びやすい場所を考慮してつくられたものであるから、とも。
- ピンチの後にチャンスあり(あるいはその逆) - チャンスを得点につなげられなかった失意やプレッシャーが守備のミスを生みやすく、ピンチをファインプレーなどで切り抜けたことが攻撃の勢いにつながるからとも。似たようなものに、「無死満塁は(1アウトを取られると)点が入らない」というものがある。これは、無死で迎えた打者の「無死満塁ならどうやっても(安打や犠飛、最悪でも併殺打)点が入るだろう」という期待、一死を取られた後に打席に立つ打者の「併殺打を打ってしまうとチャンスが潰れてしまう」という圧力、二死満塁の場合は「安打でなければ点が入らない」という状況によるものだと言われている。ただ、後述の分析結果によると錯覚に過ぎないとされている。
- 三振前の大当たり(三振前の大ファール) - ホームラン性の大当たり(ファール)を打った後は三振になりやすい。
- 打ち疲れ - 大量得点差で勝った次の試合は大量失点や得点できずに負ける。
- 『あと1人』の悲劇 - 先発投手があと1人というところで相手打者に初安打を許し、完全試合やノーヒット・ノーランが完封止まりになる。
なお、加藤英明・名古屋大学大学院教授らが2005年プロ野球公式戦データを基にして取った統計によると、「チャンスを逃すとピンチあり」「大量得点をした次の試合は打てない」は錯覚であるという。「人は印象が強いと、本当は頻繁に起きていないことでも確率が高いと思い込みがちだ。通説にも錯覚がかなりあるのではないか」と加藤は話している[2]。
[編集] プロ野球
- 優勝のジンクス
- 中日ドラゴンズの優勝した年、またはその翌年は政治的な重大事件や政変(首相交代)などがおこる。
- 読売ジャイアンツが優勝した年、またはその翌年は景気が悪くなる。
- 阪神タイガースが優勝した年、またはその翌年は景気が良くなる。
- 球団にまつわるジンクス
- 読売ジャイアンツは、初対戦の選手に苦戦する。「初物に弱い」という表現を用いられることが多い。
- 阪神タイガースは高校野球の開催中は成績が悪くなる。
- →死のロードを参照。
- 広島東洋カープは「鯉の季節」まで。
- 広島が調子がいいのは鯉のぼりの季節である5月までで、それを過ぎると失速するというもの。
- 東北楽天ゴールデンイーグルスのマーティ・ブラウン監督(元広島東洋カープ監督)が退場すると勝つ。
- 2006年~2008年シーズンにかけてブラウン監督は計6回退場処分を受けているが、その試合はいずれも広島が勝利していた。しかし2009年4月7日の阪神戦では監督が退場したにもかかわらず、チームは逆転サヨナラ負けを喫し、7度目にしてジンクスが破られた(詳細はマーティ・ブラウン#エピソードを参照)。しかしこの敗戦も初回の退場であり、「2回以降に退場したら勝つ」のジンクスは現在も継続中である。
- マジック1で千葉ロッテマリーンズと対戦すると苦戦する。
- 千葉ロッテマリーンズで選手の応援・記念弁当を作ると、その後故障や成績不振に見舞われる。
- →弁当の呪いを参照。
- 1999年、千葉ロッテマリーンズに在籍していたフランク・ボーリックが本塁打を打つと、チームは試合に勝つというジンクスがあった。「ボーリック神話」と呼ばれ、彼が本塁打を打った試合では、チームは22勝2敗1分けという圧倒的な勝率を残している。
[編集] 競馬
- 京都新聞杯が秋に施行されていたころ、日本ダービーを勝ち、かつ京都新聞杯を勝った馬は菊花賞に勝てなかった。1992年のミホノブルボン、1993年のウイニングチケット、1998年のスペシャルウィーク、1999年のアドマイヤベガなどが当てはまる。
- フルゲートが28頭であった時代の日本ダービーでは、8枠の馬は勝てないというジンクスが存在した。
- 「メジロ」の冠名の馬(メジロ牧場・メジロ商事の所有馬)は日本ダービーを勝てない(2着や3着は多数ある)。
- 中央競馬で西暦の下1桁が7の年のクラシック戦線の牡馬たちは不幸の世代になる。マルゼンスキーの存在の前に牡馬クラシック競走の存在そのものが霞んでしまった1977年、多くの馬が競馬場内外での事故により若くしてこの世を去った1987年、骨折と屈腱炎に見舞われた二冠馬、菊花賞を最後にその後一度も勝てなかった菊花賞馬のいる1997年、牝馬に日本ダービー制覇を許した2007年など。この他、1967年のクラシックは馬丁(現在でいう厩務員)の組合によるストライキの乱発という人的要因によって日程が大幅に狂わされ、皐月賞・桜花賞・NHK杯が同日開催、中1週で土曜日にオークス・日曜日に日本ダービーという強行日程となり、体調を崩す馬が続出した。
- デビュー戦を小倉競馬場で迎えた馬は日本ダービーを勝てないというジンクスが存在した。2005年に小倉でデビューしたメイショウサムソンが翌2006年の日本ダービーを制し、このジンクスは破れた。
- 南関東公営競馬の的場文男騎手は東京ダービーに過去27回挑戦し、2着が8回あるものの未勝利で、「大井の七不思議の一つ」と言われている[5]。
[編集] 鉄道
- 『54』機関車の呪い
日本国有鉄道に在籍した機関車の中で、54の形式を与えられた機関車は、欠陥や不具合、初期不良などで短命に終わるケースが多い。ただし客車や電車などにこのジンクスが表れたことはなく、ディーゼル車である国鉄キハ54形気動車は現在でも問題なく使用されており、あくまで機関車に限った話である。ただし国鉄の技術士の中には54のジンクスを恐れ、以後のディーゼル車や電車に「54」の形式を躊躇ったという逸話もある。詳細は
過度の軽量化と設計ミスにより牽引力不足で早期淘汰。脱線事故も起こしている。
性能の違いと、2機のみという少数派であることから、本線の長距離旅客・貨物列車の任を解かれ、入れ替え用に転落。
複雑な駆動システムを当時の機関士・技術士が整備できなかったことから早期淘汰。
設計ミスにより脱線事故を3度起こしたことと、精密な液体変速機やエンジンを手入れする技術が無く、修理に多大なる時間と予算を要することとなり早期淘汰。中には在籍5年弱で引退したものも。先述のC54が末期を過ごした山陰地区に配置されていたため、よりジンクスを強める結果となった。
それぞれのページを参照。また、「54」ではなく「末尾の数字が『4』の車両に悲運がある」という説もある。EF54が後にEF14に改造されたことや、国鉄14系客車(14系14型)が北陸トンネル列車火災事故の原因調査が進む中、床下に発電ユニットを装備するのは危険との指摘を受け生産を打ち切られたことなどが挙げられる(但し14系14型は生産打ち切りから5年後に体質改善を施したマイナーチェンジ車、14系15型が生産されている)。
[編集] 外国のジンクス
- 災難
- 黒猫が前を横切ると災厄に見舞われる。
- 部屋の中で傘を開くと不幸が訪れる。
- 中国でも、日本同様数字の『4』は『死』を連想させる忌み番として避けられる。中国語でも『四』と『死』の発音が同じ(『スー(si)』)ためだとされる。麻雀のスーカンツが代表例。中国ではカンカンフーと言い換えられている。
- 「交響曲第9番」を作曲すると死ぬ。→「第九の呪い」
- “XXX0年”の選挙で選出されたアメリカの大統領は、暗殺や病死などで任期を全う出来ない→「テカムセの呪い」
- ロシア革命以降の旧ソ連・ロシアの最高権力者は、頭髪の薄い人物と頭髪の多い人物が入れ替わりに就いている。→「つるふさの法則」
- 自国領土から見て東側にある国に戦争を仕掛けると敗北する(例:ナポレオンのロシア遠征、元寇の日本侵攻、第二次世界大戦におけるナチスドイツのソ連侵攻、アメリカに対する日本の真珠湾攻撃(太平洋戦争)など)。
- また、海を挟んで自国の北側にある国に戦争を仕掛けても失敗する(例:スペイン無敵艦隊の英国侵攻(アルマダの海戦)、豊臣秀吉の朝鮮出兵、第二次世界大戦でのドイツ軍のイギリス本土侵攻作戦など)。
- 世界選手権自転車競技大会で優勝しマイヨ・アルカンシエルを獲得した者は、翌年成績がガタ落ちしたり不幸に見舞われる(マイヨ・アルカンシエル#「アルカンシエルの呪い」)。
[編集] メジャーリーグベースボール
- ベーブ・ルースを放出したボストン・レッドソックスはワールドシリーズで優勝できない(バンビーノの呪い)。しかし2004年にワールドシリーズを制覇し、ジンクスは破られた。
- シカゴ・カブスはリーグ優勝・ワールドシリーズ出場ができない(ヤギの呪い)。
- アレックス・ロドリゲスが在籍するチームは優勝できない。
- →アレックス・ロドリゲス#特筆を参照。
[編集] 脚注
- ^ 不吉だから!?柔道石井が4年後の主将拒否 日刊スポーツ 2008年8月29日
- ^ 『プロ野球の「通説」は錯覚? 名大教授ら846試合分析』アサヒコム2008年9月24日記事、『野球人の錯覚』東洋経済新報社刊
- ^ 夕刊フジ2005/08/11付、スポーツ報知2006/09/18付、ニッカンスポーツ2007/11/02付など
- ^ い ろ 。巨人優勝年は株価暴落!?下落率歴代10位まで独占 - zakzak
- ^ 競馬実況web2006/03/07付(ラジオNIKKEI)
[編集] 関連項目
最終更新 2009年11月30日 (月) 05:43 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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