スギ

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スギ

樹齢千年の「関の甕杉」
保全状態評価[1]
LOWER RISK - Near Threatened
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
ファイル:Status iucn2.3 NT.svg
分類
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Pinophyta
: マツ綱 Pinopsida
: マツ目 Pinales
: ヒノキ科 Cupressaceae
: スギ属 Cryptomeria
: スギ C. japonica
学名
Cryptomeria japonica
(L.f.) D.Don
和名
スギ

スギCryptomeria japonica)は、ヒノキ科(スギ科 Taxodiaceae とすることもある)の常緑高木。日本特産の針葉樹である。

木材資源として重要で、多くの地域に植林されているが、花粉の飛散によってスギ花粉症の原因ともなる。

目次

[編集] 特徴

葉は基部が枝に密着して、先は針状に尖り、枝全体としては一面に上向きの針を並べたようになる。樹皮は褐色で、成長した幹の樹皮は縦に裂け、帯状に剥げ易い。

樹形はふつう細長く直立し、高さ50 mに達するものもあるが、生育条件などによっては幹が太くなる。屋久島縄文杉は樹高25.3 m、胸高周囲16.4 mに達し、この木の推定樹齢は放射性炭素年代測定法により1970年以上、また大王杉は樹高24.7 m、胸高周囲11.1 m、推定樹齢3200年以上とされている。

花は雄花と雌花があり、2月から4月に開花する。雄花は長さ5 mmくらいの楕円形で、枝先に密生する。雌花はほぼ球形で、鱗片が密着し、表面に小さな棘が出る。スギは風媒花で多量の花粉を飛ばすため、開花期には花粉症の原因となる。

日本固有種で、屋久島から東北地方まで分布する。また、材木を目的とする人工林として、ヒノキとともに各地で植栽される。日本全国面積の12%を占める。スギはヒノキよりも湿潤な土壌を好むので、通常はスギを山腹から谷間に、ヒノキを尾根の側に植林する。 アゾレス諸島には日本から持ち込まれたスギが人工的に植林され木材として利用されている。

[編集] 類縁

スギ科(スギ亜科)は、中生代に登場した起源の古い植物群で、現在は日本のスギの他、アメリカ大陸のセコイア、中国のメタセコイアコウヨウザンなどが遺存的に分布している。なお、漢字の「杉」は、日本ではスギのことを指すが、中国ではコウヨウザンのことを指す。中国では日本の杉の仲間を「柳杉」と呼び、「杉」(コウヨウザン)と分けて呼ぶ。日本特産のスギには「椙」の字を用いるのが望ましい(「椙」は国字である)。

なお、欧米言語の翻訳文章では、しばしば Cedar類をスギと訳すのが慣例となっている。和名にもレバノンスギヒマラヤスギといったようにスギの名が当てられている。しかし、Cedar類はスギのようにまっすぐ成長するもののマツ科であり、スギとは縁が遠い。中央アジア西アジアヨーロッパなどにはそもそもスギは分布しない。

[編集] 利用

スギの名の由来は、真直ぐの木「直木」から来ていると言われる。割裂性がよく、薪割りのように割ることによって、角材から板材までを作ることができる。従って、古来より重要な木材として重宝されてきた。

なおスギの名の由来として本居宣長古事記伝神代七之巻にて、スギは傍らにはびこらず上へ進み上る木として「進木(ススギ)」としており、「直木(スグキ)」は誤りとしている。

樹皮はヒノキとともに檜皮葺(ひわだぶき)の屋根に利用し、葉は乾燥して線香に用いる。

また、子供のおもちゃとして、スギの雄花の未熟なものを弾にして、ごく細い竹で作る杉玉鉄砲というものがある。細い竹の管と、竹籤に柄をつけたものを用意し、まず管に雄花を詰め、竹籤で押し込む。そのあとにもう一つの雄花を詰め、竹籤で押し込めば、空気圧によって前の雄花が破裂音とともに飛び出すものである。

[編集] 材質

スギには多くの地域品種があり、材質も品種系統により異なる。天竜杉、屋久杉吉野杉北山杉秋田杉、山武杉などが有名。建築材料として使用する際の強度の指標となるヤング率の変異幅もカラマツヒノキ等に比較して非常に大きい。またヤング率は品種だけではなく樹齢によっても変化する。

建築用材として使用する際には伐採して製材後に乾燥する必要があるが、心持ち角材の乾燥時に問題となる心材の含水率もヒノキ等と比較して高く、変異幅も大きい。低含水率材は約50パーセントのものもあるが高含水率材では200パーセントに達するものもある。このことはスギの利用上の問題のひとつとなっている。

[編集] 地すべりとスギ

スギ林は、しばしば地すべり性崩壊を起こすことから、森林荒廃の元凶として取り沙汰されることがあるが、地すべりの原因となる粘土状のすべり面は、スギの根系が及ばない深度で形成される場合がほとんどである。スギが地すべりを誘発させているのではなく、地すべりが起きるような場所にスギが自生しやすいのである。

スギやヒノキなどの針葉樹は、外見で感じられるほど根を深く張らない。スギ林の手入れを行わないと樹木の育ちが悪く、地表の植生も生えないため、斜面の表層は脆弱になり土壌は流され土砂災害の発生を助長し易くなり、地すべり発生の素因となる不安定な斜面を形成することになる。現在は植林面積が多くなりすぎており、大部分のスギ林は人工林である。このような危険は今後も続くものと思われる。 また、スギやヒノキで構成される人工林には別の問題も指摘されている(人工林#人工林の問題も参照)。

さらに、大野晃は国産スギの値崩れが林業の長期的な低迷と、それによる植林地の限界集落化を指摘している。林業の後継者がいなくなることで、間伐されず放置されたスギ林がさらに脆弱となり、森林の荒廃が進んでいるという(人工林#人工林の将来も参照)。

[編集] 脚注

  1. ^ Conifer Specialist Group 2000. Cryptomeria japonica. In: IUCN 2007. 2007 IUCN Red List of Threatened Species. Downloaded on 05 December 2007.

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年7月27日 (月) 16:40 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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