スペースシャトル

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スペース・シャトル
STS-120におけるディスカバリー号の発射
STS-120におけるディスカバリー号の発射
機能 一部再使用型有人宇宙船
製造 ユナイテッド・スペース・アライアンス(合衆国宇宙開発同盟):
サイオコール/アライアント・テックシステム(固体燃料補助ロケット)
ロッキード・マーチン(外部燃料タンク)
ロックウェル/ボーイング(軌道船)
開発国 アメリカ合衆国
大きさ
全高 184フィート (56.1m)
直径 28.5フィート (8.69m)
重量 4,470,000ポンド (2,030トン)
段数 2
積載量
LEOへのペイロード 24,400kg (53,600ポンド)
ペイロード
GTO
3,810kg (8,390ポンド)
打ち上げ実績
状態 稼働中
射場 ケネディ宇宙センター第39複合発射施設
ヴァンデンバーグ発射基地SLC-6発射台(未使用)
総打ち上げ回数 128回
成功 127回
失敗 1回(発射失敗、チャレンジャー号)
その他 1回(大気圏再突入時に空中分解、コロンビア号)
初打ち上げ 1981年4月12日
特筆すべきペイロード 国際宇宙ステーション部品
ハッブル宇宙望遠鏡
ガリレオ衛星
マゼラン探査機
チャンドラーX線観測機
コンプトンガンマ線探査機
補助ロケット (Stage 0) - 固体燃料補助ロケット
補助ロケット数 2
エンジン 固体燃料1
推力 1,270トン(1機あたり、海面推力) (12.5MN)
比推力 269秒
燃焼時間 124秒
燃料 固体燃料
第1段 - 外部燃料タンク
エンジン なし
(軌道船に3機のメイン・エンジンを搭載)
推力 555トン (5.45220MN)
比推力 455秒
燃焼時間 480秒
燃料 液体酸素/液体水素
第2段 - 軌道船
エンジン 軌道操縦ロケット2機
推力 真空推力53.4kN (5.4トン)
比推力 316秒
燃焼時間 1250秒
燃料 モノメチルヒドラジン/四酸化二窒素

スペース・シャトルSpace Shuttle)はアメリカ合衆国NASA(アメリカ航空宇宙局)によって、有人宇宙飛行のために現在使用されている宇宙船である。2010年に退役の予定。

発射時には、全体はさび色の外部燃料タンク(External Tank, ET)、二本の白色で細身の固体燃料補助ロケット(Solid Rocket Boosters, SRB)、そして翼を持った宇宙船である軌道船(Orbiter)によって構成される。狭義には一般に軌道船をスペース・シャトルと呼ぶことが多い。

軌道船は宇宙飛行士人工衛星あるいは宇宙ステーションの部品などを、地球大気圏または対流圏上層部の地球周回低軌道へと運ぶ。通常は5名から7名の宇宙飛行士が搭乗し、ペイロード(有効積載量)は22,700kgである。計画が終了すると、軌道操縦システム(Orbital Maneuvering System, OMS)と呼ばれるロケットを噴射して速度を落とし、衛星軌道を離脱して大気圏に再突入する。降下している間、オービターは主に空気抵抗によって極超音速状態から速度を落とし、着陸態勢に入ると、推進装置は全く使用せずにグライダーのように飛行して着陸する。

目次

[編集] 詳細

スペース・シャトルは、部分的に再使用することを目的に設計された初の宇宙船である。地球周回低軌道に積載物を運び、国際宇宙ステーション(International Space Station, ISS)に交代要員を送り、その他様々な計画を実行する。またオービターは衛星などを軌道から回収し、地球に持ち帰ることもできる。各機体は、100回の使用もしくは10年間の寿命を持つように設計されている。設計責任者はマーキュリージェミニアポロなどの宇宙船の開発にもたずさわってきたマキシム・ファゲットであった。オービターの形態や大きさを決定する際の重要な要素は、当時計画されていた商業用衛星および空軍の秘密衛星の、最大のサイズのものを搭載できるようにすることであった。また国防総省からの、「衛星配備計画を展開するための高い運搬能力を持つ輸送機関を得たい」という要望や、「再使用可能な部分を持つ宇宙船を開発して宇宙開発関連の予算を削減せよ」とのニクソン政権からの要求を受け入れ、シャトルは再使用型の固体燃料補助ロケットと、使い捨て型の燃料タンクという方式を採用した。

飛行可能な機体は6機製造されたが、初号機のエンタープライズは試験用のもので、宇宙飛行ができるようには設計されていなかった。実用されたのはコロンビア号チャレンジャー号ディスカバリー号アトランティス号エンデバー号の5機であるが、このうちチャレンジャー号は1986年、発射から73秒後に空中爆発し、その代替機としてエンデバー号が製造された。またコロンビア号は、2003年に大気圏再突入の際空中分解した。

それぞれの機体は、完全再使用型の軌道船(Orbiter Vehicle, OV)、使い捨て型の外部燃料タンク(External Tank, ET)、部分再使用型の二本の固体燃料補助ロケット(Solid Rocket Boosters, SRB)の、三つの主要な部分から構成されている。外部燃料タンクと補助ロケットは上昇する途中で切り離され、軌道船のみが地球周回軌道に到達する。発射の際は従来のロケットと同じように垂直に打ち上げられるが、着陸の際は滑空して水平に滑走路に降り立ち、再使用のために整備される。

ロジャー・A・ピールケJr.(Roger A Pielke, Jr.)によると、2008年までにスペース・シャトル計画全体に要した費用は、およそ1,700億ドル(2008年度換算)であったという。これを一回あたりの飛行に換算すると、約15億ドルになる。

オービターは、それ自体がしばしば「宇宙往還機」と呼ばれるが、技術的に見ればこれは正しい用語ではない。宇宙輸送システム(スペース・シャトル)と言われているものの実態は、軌道船・外部燃料タンク・固体燃料補助ロケットの「寄せ集め」にすぎない。

[編集] 軌道船

軌道船は、形態的には従来型の航空機に似ている。は内側が機体に対して81°、外側が45°の角度を持つ二重のデルタ翼である。垂直尾翼の前縁は機体に対して50°後退している。主翼の後端には四つの補助翼、垂直尾翼の後端にはスピード・ブレーキの役目もする方向舵が設置されている。また降下と着陸の際には、ボディ・フラップが機体を制御する。胴体のほとんどは、4.6×18mの貨物室によって構成されている。

胴体の後端には、メイン・エンジン(Space Shuttle Main Engines, SSME)が三角形に配置されている。各エンジンは縦方向に10.5°、横方向に8.5°傾けることができ、上昇中に機体を推進すると同時に飛行方向を制御する。機体は主にアルミ合金で作られているが、エンジンの推力支持構造はチタンが主となっている。

[編集] 飛行士居住区

シャトルの貨物室前方に位置する部分で、全乗員がここに搭乗する。中は3階建て構造になっており(1階に通常人は入らない)、3階(フライトデッキ)は操縦室で、発射時および帰還時には船長と副操縦士が最前列の操縦席に座り、他の者(ミッションスペシャリストやペイロードスペシャリストなど)はその後方(2人)かミッドデッキ(3人)に座る。2階(ミッドデッキ)には乗員の居住設備(食事設備・トイレ・寝袋など)が設置されている。また、貨物室へのエアロックや、出入り口(サイドハッチ)もこのミッドデッキにある。1階(ロアーデッキ)には船内を快適に保つための環境制御装置が収められており、ミッドデッキの床を開けて修理や手入れができる(人が入室できるほどの広さはない)。

[編集] 固体燃料補助ロケット

二機の固体燃料補助ロケット(SRB)は、発射時に全推力の83%にあたる1,250万ニュートン(1,268トン)の推力を発生する。発射から二分後、高度45.7kmに達したところで切り離され、パラシュート大西洋上に着水し、回収して整備される。本体は厚さ1.3cmので作られている。

[編集] 航法システム

初期のシャトルはグリッド・コンパス(GRiD Compass)と呼ばれる、世界初のラップトップコンピュータの一種を使用していた。GRiDはせいぜい8,000ドル程度で売られていた安価なものであったが、その重量や大きさに不釣り合いの性能を提供していた。そしてNASAは、その重要な顧客の中の一つであった。

シャトルは、コンピュータ制御されたフライ・バイ・ワイヤ方式のデジタル航法制御システムを、最も早く取り入れた機種の一つであった。これは飛行士が操作する操縦桿ラダー・ペダルと、機体の操縦翼面や姿勢制御用ロケットの間に、機械的リンクあるいは油圧装置などが一切存在しないということを意味する。飛行士が入力した操作は電気信号に変換され、電線(ワイヤ)を介して操縦装置に伝えられるのである。

フライ・バイ・ワイヤ方式の最大の懸念は信頼性の問題であり、シャトルのコンピュータシステムについては多くの研究開発が行われた。シャトルはIBM製32ビット汎用コンピュータAP101を独立に5台搭載し、冗長性を持たせた一種の組み込みシステム(embedded system)を構成している。このうちの4台はPASS( Primary Avionics Software System,主電子航法ソフトウェアシステム)と呼ばれる特製のソフトウェアで稼働し、残りの1台はこれとは全く別の、BFS( Backup Flight System,バックアップ航法システム)というソフトを使用している。またこれらを全体をDPS(Data Processing System,データ処理システム)と呼ぶ。

DPSの到達目標は、危機管理能力および安全・信頼性の向上であった。そのためもし1台が故障してもミッションを継続でき、また2台が故障しても安全に着陸できるように設計されている。

DPSでは、4台のPASS(主システム)は基本的に同一の固定された手順で稼働し、相互に監視し合う。もしその中の1台が他と違う動作をしたら、残りの3台が「投票」をして、異端者である1機をシステムから除外して運行に関わらせなくする。さらにその3台の中の1台が異端的なふるまいをしたら、残りの2台が同じように投票をしてシステムから追放する。また極めてまれなケースではあるが、2台が同時に故障して、コンピュータの「主張」が2対2に分かれた場合は、どちらか一方のグループがランダムに選ばれる。

着陸脚を降ろし、通常の航空機のように滑走路へと向かうアトランティス号

BFS(バックアップシステム)はPASSとは別個に開発されたソフトで5台目のコンピュータで動作し、すべてのPASSが故障した時に使用される。PASSはハードウェア的には冗長性を持たせているものの、全く同じソフトを使用しているため、何か一つのソフト上の問題が発生した場合、4台すべてが稼働しなくなってしまう可能性がある。そのため、万が一の対策としてBFSが作られたのである。組み込み航法システムのソフトは、一般の商用ソフトとは全く異なる厳密な環境のもとで開発されている。すなわち、プログラムコードの行数は一般的な商用ソフトに比べればほんのわずかなものであり、変更がなされることも少なく、広範なテストが行われる。さらに、数多くのプログラマや試験担当者がわずかの量のコードのために働いている。しかしながら、理論上、故障は必ず起こるものであり、BFSはそのような不測の事態が発生した時のために存在しているのである。ちなみにBFSはPASSと常に平行して稼働しているが、実際に機体の制御を引き継ぐような事態に陥ったことは、今日に至るまでのすべてのシャトルの飛行の中で一度もなかった。

シャトルのコンピュータのソフトウェアは、PL/Iに似たHAL/Sと呼ばれる高級プログラミング言語で書かれている。これはリアルタイム組み込みシステム環境のために、特別に設計されたものである。

IBM AP-101コンピュータは、元々一台あたり約424キロバイトの磁気コアメモリを持っていた。CPUは1秒間に40万回の計算を行うことができた。ハードディスクはなく、ソフトは磁気テープカートリッジからロードした。

1990年に、元のコンピュータはAP-101Sという上位機種に交換され、記憶容量を2.5倍(約1メガバイト)に増量し、演算速度を3倍(毎秒120万回)に向上させた。さらに、記憶装置は磁気コアメモリから電池バックアップ付きの 半導体メモリに変更された。

スペース・シャトル計画の標章

[編集] 塗装および機体の標章

シャトルの機体に使用されている文字の書体は、ヘルヴェティカ(Helvetica)と呼ばれるものである。操縦席の窓と貨物室のドアの間には、軌道船の名前が記されている。貨物室ドア後部の下にはNASAの標章と、「United States」の文字および星条旗が描かれている。また右翼にも、もう一つ星条旗が描かれている。

[編集] 改良

初めて液晶表示の計器板を使用したSTS-101(アトランティス)

シャトルは外見上は設計当時の形状をほぼ残しているが、内部の航法コンピューターには大幅な改良が加えられている。またコンピューターの性能向上にともない、操縦席の計器板は元のアナログ式のメーターから、現在のエアバスA380ボーイング777などで使用されているようなフルカラーの液晶表示板に改められた。プログラム用の計算機も同様である(原型はHP-42C)。さらに国際宇宙ステーション(International Space Station, ISS)の登場に合わせ、ISSへの物資の供給をする際に貨物室により多くの荷物を積載できるよう、エアロックはミッドデッキ内から貨物室の外部エアロックに変更され、外部エアロック上部にはISSとのドッキング機構が装備された。

シャトルの主エンジン(Space Shuttle Main Engines, SSME)もまた、信頼性と出力を向上させるためにいくつかの改良を施されている。このことは、発射時に「エンジンの出力を104%に上げる」という言い回しがあることによっても説明できる。これは設計上の安全値を超えて推力を発生させるという意味ではなく、この場合の100%というのは元々の上限値を指す。長い開発期間の間に、開発元のロケットダイン(Rocketdyne)社は改良を加え、安全推力の限界を当初の104%にまで引き上げることができた。しかしながらもしその新規の値を100%と設定し直すと、それまでに作成した文書やソフトウェアのほとんどを書き直さなければならなくなる。そのため104%という表現が残ることになったのである。SSMEの性能向上の軌跡は、ブロック1、ブロック2A、ブロック2という分類の表現にも残されている。2001年にはブロック2エンジンによって、109%の推力が達成された。通常の飛行では推力の限界は104%だが、緊急事態が発生して飛行を中断するような場合には、106%もしくは109%の推力が発揮されるようになっている。

シャトルの最初の二つの飛行、STS-1とSTS-2では、外部燃料タンクには断熱のために白色の塗料が施されていたが、後の試験で必要がないことが判明し、その分の重量削減により、軌道船の搭載量も増えることになった。また水素タンク内部の支持桁もなくても問題ないことが分かり、この結果ほとんどのシャトルの飛行では軽量化された外部燃料タンクが使用されることとなった。STS-91では2195アルミニウム-リチウム合金で作られた「超軽量タンク(Super Light Weight external Tank, SLWT)」が初めて使用され、重量を従来のものより3.4トンも削減することができた。なおシャトルは無人では飛行できないため、これらの効果がどの程度のものであるのかは、実際に飛行してみなければ検証されることはなかった。

固体燃料補助ロケット(SRB)についてはなおさらのことで、技術者たちはチャレンジャー号の爆発事故が発生してから初めて、ロケットの継ぎ目の部分に追加の「Oリング」を設置したほどであった。

3機のメイン・エンジンと、2機の軌道操縦用ロケット。上部には垂直尾翼が見える。

SRBについてはなおも性能と信頼性を向上させるためにいくつかの修正案が考えられたが、実現されることはなかった。中でも可能な限り構造を単純化してコストを削減し、安全性と性能を向上させた「発展型固体燃料補助ロケット(Advanced Solid Rocket Motor, ASRM)」は、ISS(国際宇宙ステーション)支援のため1990年代の初めから半ばごろには生産されるはずだったのだが、経費削減のためにキャンセルされた。

1995年には、STS-70(エンデバー)の外部燃料タンクの発泡断熱材にキツツキが穴を開け、発射が遅れるという事態が発生した。この時以来、NASAは発射台の周辺に鳥よけのために市販のフクロウの模型や風船を配置するようになった(発射の直前には取り除かれる)。発泡断熱材はもろく壊れやすい素材であるため、発射時に振動ではがれ落ち、軌道船の耐熱タイルや耐熱保護シールドなどに衝突して損傷を与える可能性がある。2003年2月1日、その懸念していたとおりの事態が発生し、コロンビア号の空中分解事故が起こった。

貨物だけを搭載した無人飛行計画も、1980年代以来様々な案が提出されたが、すべて却下された。「シャトルC」と呼ばれたこの計画は、これまでに開発されたシャトルの再使用のための技術を犠牲にして、それとひき替えに搭載能力を高めるというものであった。しかし、2009年になって、シャトル退役後の重量物打上げロケットの開発ギャップを埋めるため、シャトルCを改善した見直し案が再び浮上し、議論されている。

最初の四回の飛行では、飛行士は空軍の高々度用全圧宇宙服を改良したものを着用し、上昇時と下降時にはヘルメット内部は完全に予圧されていた。五回目の飛行(STS-5)からチャレンジャー号の爆発事故が起こるまでは、青色の上下続きの耐火服と部分予圧のヘルメットを着用していた。1988年に飛行が再開されてからは、高々度用予圧服およびヘルメットで、部分的に予圧して宇宙服の膨らみを抑えたものが復活した。上昇/下降服(Launch/ Entry Suit: LES)は1995年の終わりに役目を終え、その後は1960年代半ばのジェミニ計画で使用された宇宙服に似た、全圧式の「改良型脱出用宇宙服(Advanced Crew Escape Suit: ACES)」に交換された。

またISSにドッキングする期間を延長するために、「ステーション-シャトル電力転送装置(Station-Shutte Power Transfer System, SSPTS)」も設置された。SSPTSはシャトルの消費電力を抑えるため、ISSで発生させた電力をシャトルに送電するもので、2007年のSTS-118から使用されている。

[編集] 詳細

ボーイング747シャトル専用輸送機で運搬されるアトランティス号。1998年
専用輸送機で運ばれるエンデバー号
軌道船とロシアのソユーズ-TM宇宙船
STS-79で、移動式発射台に設置されたアトランティス号を上空から撮影したもの。左右の主翼の上部に見える矩形のものは、軌道船に燃料や電源を供給する係留塔。
騒音低減装置の試験のために、39A発射台上で水を放出する光景(2004年)。発射時には、41秒間で1,100立方メートルの水が噴出される。

軌道船

  • 全長:37.237m
  • 全幅:23.79m
  • 全高:17.86m
  • 空虚重量:78,000kg
  • 離陸時総重量:111,000kg
  • 最大着陸重量:100,000kg
  • 主エンジン:ロックダイン製ブロック2Aエンジン3機。1機あたり海面推力178トン(1.752MN、104%推力発生時)
  • 最大搭載量:25,060kg
  • 貨物室直径:4.6m×18m
  • 運用高度:190~960km
  • 最大速度:秒速7.743km(時速27,870km)
  • 定員:飛行によって異なる。初期の頃は最小の二人で飛行したが、後の多くの飛行では5人の場合が多かった。現在では7人(船長、操縦士、数人の任務専門家、まれに航空機関士が同乗することもある)が一般的である。STS-61-AとSTS-71では、8人が搭乗した。緊急時には、最大で11人まで搭乗可能である。

外部燃料タンク

  • 全長:46.9m
  • 直径:8.4m
  • 空虚重量:26,535kg
  • 発射時重量:756,000kg

固体燃料補助ロケット

  • 全長:45.6m
  • 直径:3.7m
  • 空虚重量(1機につき):63,272kg
  • 発射時重量(1機につき):590,000kg
  • 推力(発射時、海面推力):12.5MN(1,281,360kg)

完成型詳細

  • 全長:56m
  • 発射時総重量:2,000,000kg
  • 発射時総推力:30.16MN(3,091,680kg)

[編集] 計画の詳細

[編集] 発射

発射はすべてケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center, KSC)で行われる。発射時および帰還時に適用される天候基準は同じもので、発射台周辺および飛行経路に降雨がなく、気温は華氏35゜F以上99゜F以下(摂氏1.6℃以上37.2℃以下)、5海里(9,260m)以内の落雷の危険率が20%以下で、8,000フィート(2,438.4m)以内に観測を妨げるようなが一切存在しない状態でなければならない。

落雷の可能性がある状況では、発射は行われない。航空機はしばしば雷の直撃を受けることがあるが、機体は伝導体になっており、また地面とは接触していないため、電流は空中に放出され機体に悪影響が及ぼされることはない。シャトルの機体構造は多くのジェット旅客機と同様、主にアルミニウム伝導体で作られている。だがシャトルは長い排気ガスの尾を引きながら上昇していくため、これが避雷針のような役目を果たしてしまう可能性がある。そのためNASAの基準では、周辺10海里(18,520m)以内に積乱雲が発生している場合には発射を行ってはいけないことになっている。発射を決行するか中止するかの判断は、気象管制官が直前まで気象状態を監視して判断する。また気象条件は発射台周辺のみならず、大西洋を越えた緊急着陸地点(非常事態が発生した際に用意されている、いくつかの着陸地点の一つ)や、固体燃料補助ロケットの回収地点も良好であることが要求される。落雷対策はシャトルの場合は万全になされているが、アポロ12号では実際に雷が機体を直撃したために電子機器が一時的にダウンするという事故が発生した。このためNASAは雷に対してはきわめて神経質になっているのである。

飛行概念図

長い間、シャトルは12月と1月をまたがっては飛行できなかった。1970年代に開発されたシャトル用のソフトウェアは年度の変更ができるようにはなっておらず、もし飛行中にそれを実行するとエラーを引き起こす可能性があったのである。この不具合が修正されたのは2007年のことで、これによりようやくシャトルは年を越えて飛行できるようになった(注:オービタ側の改修は終わったが、地上設備の一部が未対応のため、この間の打上げはやはり避けている)。

発射当日は打ち上げ9分前に最後の秒読みの中断(ホールド)が解除され、いよいよ本格的な準備体制に入る。カウント・ダウンは管制センターにある地上発射制御装置(Ground Launch Sequencer, GLS)というソフトウェアによって自動的に行われ、機体に何らかの深刻な異常が検知された場合には即座に中止される。発射31秒前には、GLSは秒読み作業を船内コンピューターに受け渡す(この過程は管制官が『オート・シークエンス・スタート - Auto sequence start』とアナウンスを読み上げることで確認できる)。

発射16秒前には騒音防御装置が作動し、猛烈な排気ガスの反響音で機体が損傷しないよう、移動式発射台やSRBの火炎坑に1,100トンの水を放出し始める。

10秒前には、主エンジン(SSME)内部の未燃焼の水素ガスを除去するために、エンジン噴射口のすぐ下で電気の火花が飛ばされ始める。点火の時にこれらのガスが残っていると、検知機が誤作動しエンジン内部の圧力が過剰に高まり、爆発する可能性が生じるからである。またこの時、主エンジンのターボ・ポンプが作動して燃焼室に液体水素液体酸素を送り始める。この動作は、コンピューターが互いに(残りのコンピューターに対して)点火の指令を交換することによって作動する。

SSMEが作動するのは、発射の6.6秒前である。3機のSSMEは船内の統括コンピューター(General Purpose Computers, GPCs)の指令により、120ミリ秒の間隔を置いて順々に点火される。この時、GPCsは設計値の90%の推力まで発生させることを要求する。エンジンが作動すると騒音防御装置の水が大量の水蒸気となり、南側に向かって吹き出される。もし3秒以内にすべてのエンジンが指定の推力まで到達しなかった場合は、コンピューターが緊急停止の信号を送り、飛行は中止される。逆に推力に異常がないことが確認されれば、固体燃料補助ロケット(SRB)に点火される。この瞬間から機体は離陸段階に入り、そしていったんSRBに点火されれば、もはや後戻りすることはできなくなる。SRBが安定した推力に到達すると、船内コンピューターからの指令でSRBを発射台につなぎ止めていた爆発ボルトが切り離される。SRBの噴煙は北向きに掘られた火炎坑の中に音速に近い速度で噴出され、しばしば衝撃波の振動を発生させる原因となる。点火の瞬間、GPCsからの指令は主制御装置を経由して残りの四つのコンピューターに送られ、コンピューターシステム全体の統合がなされる。

発射時には様々な不測の事態に備えて、広範な脱出手順が用意されている。それらの多くは最も複雑でストレスのかかる部分であるSSMEの事故に対処したもので、SRBが原因で起こったチャレンジャー号の爆発事故が発生した後は、より改善された脱出手順が用意された。

主エンジンがスタートし、その後SRBが点火されるまでの間、3機のSSMEの推力線は機体の中心軸から外れているため、シャトル全体は機首下げの方向に大きく(操縦席の地点では約2m)傾くことになる。この運動は、NASAの隠語で「うなずき(nod)」あるいは「はじき(twang)」などと呼ばれている。その後、機体は約6秒かけてまた元の位置に揺れ戻ってきて、完全に垂直になった瞬間にSRBに点火されて上昇が開始するのである。

発射台を離れた直後、プログラムに従って回転と機首下げの運動が始まり、外部燃料タンク(ET)とSRBを上に、軌道船を下にして主翼が水平になるような姿勢に固定される。機体はETとSRBが燃料を消費して軽量化するにつれ加速度を増加させ、徐々に緩い弧を描きながら上昇していく。地球周回軌道に到達するためには、垂直方向よりもむしろ水平方向への加速が要求される。しかしながらシャトルはほぼ垂直に上昇し、水平方向への加速はそのほとんどが機体が視界から消えた後に行われるため、肉眼でははっきりとは分からない。国際宇宙ステーション(ISS)が周回する高度380km近辺での軌道速度は秒速7.68km(時速27,650km)で、地表付近ではおよそマッハ23に相当する。ISSは赤道に対して51.6度傾いた軌道を飛行しているので、ランデブーとドッキングをするためにはシャトルの軌道もそれに合わさなければならない。

機体にかかる空気抵抗が最大になる「最大空力温度(マックスQ)」(最大動圧)と呼ばれる地点に近づくと、翼のような脆弱な部分に過大な圧力がかかることを避けるためにエンジンは一時的に出力を下げる。この時、音速を超えることにより空気が圧縮され、機体の周囲に雲ができる「プラントル・グロワートの特異点(Prandtl-Glauert singularity)」と呼ばれる現象が発生する。

発射から126秒後、ETからSRBが爆発ボルトで切り離され、分離用ロケットが点火して機体の後方へと押しのけられる。SRBはその後パラシュートで回収され、再利用される。本体はなおもSSMEで加速を続けるが、この時点で推力と機体重量の比は1以下になっている。SRBから与えられていた垂直方向への加速が一時的に消滅するため、SSMEの推力だけでは重力に打ち勝つことはできなくなるが、燃焼を続けるうちに燃料が消費されることにより機体が軽量化し、やがて再び推力-重量比は1を超え、最終的に軌道に到達するまでそれ以下に下がることはない。

機体は機首を水平方向よりも幾分上に上げた姿勢でなおも上昇し、高度を保ちながらメイン・エンジンで軌道に向け加速を続ける。発射から5分45秒後、軌道船は通信先を地上から上空のデータ中継衛星(TDRS)に変更するため、姿勢を180度反転させる(Roll to head up)。

最後の10秒間は、飛行士への負担を軽減するためにSSMEは推力を絞り、加速度は3g以下に抑えられる。

エンジンはもし燃料が供給されない状態で稼働すると破壊につながるおそれがあるので、燃料を完全に消費する前に停止される。SSMEは他のロケットエンジンに比べると反応が安定していないため、液体酸素の供給は液体水素よりも先に停止される(液体酸素はエンジンの熱い金属部分に接触すると爆発してしまうなど、取り扱いが困難なためである)。外部燃料タンクは爆発ボルトでオービタから切り離され、ほとんどの部分は大気圏内で燃え尽きてしまうが、いくらかの破片がインド洋または太平洋に落下する(シャトルの飛行初期段階はインド洋に落下していたが、以後は南太平洋に落下)。どこに落ちるかは、それぞれの飛行によって異なる。タンクは内部の配管の気密性が高いことと、圧力解放装置を設定していないことなどにより、大気圏内の低い高度で爆発することはない。再突入時の熱で、内部に残った液体酸素および液体水素が沸騰して破裂することにより、大きな破片が地表に落下することは避けられているのである。

また軌道船が外部燃料タンクと接触することを避けるために、切り離し後にRCSスラスタを使用して離れる。打上げから約38分後には、軌道操縦装置(Orbital Maneuvering System, OMS)を噴射して運用軌道に投入される(OMS-2)。 ISSミッションのような打ち上げ能力を要求されるフライトでは、メイン・エンジンの燃焼中(上昇後期)にもOMS噴射を行って打ち上げ能力を増強している。 軌道船は、OMSが故障したり、貨物室のドアが何らかの原因によって開かなくなる、閉まらなくなるような事態が発生しても、安全に帰還できるような手段が用意されている。

[編集] 大気圏再突入と着陸

シャトルの大気圏再突入の手順のほとんどは、車輪を降ろすことや大気速度計を展開することを除けば、通常はコンピューターの制御によって自動で行われる。もっとも緊急事態が発生した場合は、手動で再突入することもできる。なお滑走路への接近および着陸は通常は飛行士が手動で行っているが、自動ですることも可能である。

大気圏再突入は、軌道操縦装置(OMS)のエンジンをインド洋上空で逆噴射することによって始まる。機体の上下を反転させ、後尾を前方に向けた姿勢で約3分間の噴射を行い、速度を時速200マイル(322km/h)ほど減速する。これにより、軌道の近地点が大気圏上層部に接触することになる。その後シャトルは機首を上部に引っ張り上げ(機体を反転させているので、実際には引っ張り下げていることになるが)、機体を進行方向に正対させる。

高度120kmのあたりで、機体にかかる大気の影響が顕著になりはじめる。この時の速度はマッハ25、秒速8,200m(時速30,000km)に達している。機体の操縦は、RCSの噴射と補助翼の操作を組み合わせることによって行われる。また着陸速度だけでなく再突入時の温度を下げるために、40°の迎角(機首を上方に向けた姿勢)をとり大きな抗力を発生させる。さらに機体を左右に70°傾け、大きくS字型に蛇行した経路を取りながら減速の操作を行う。

軌道船の滑空比/揚抗比は速度によって相当に変化し、極超音速域では1:1、超音速域では2:1、滑走路への接近と着陸を行う亜音速域では4.5:1にまで低下する。

一般に軌道船は「グライダーのように飛行する」と言われているが、着陸地点間近での降下率は毎秒50m(時速180km)にも達する。着陸直前の状態は、グライダーというよりもむしろスキーのジャンプにたとえたほうがふさわしい。

およそマッハ3まで減速すると、軌道船の大気圏内での運動状態を計測するために、機体の左右前部胴体に設置された2本の大気速度計の探針が展開される。

滑走路まで距離12km、高度3,000mの地点に到達すると、軌道船は着陸態勢に入る。飛行士は空力ブレーキを使用し、速度を時速682kmから346kmにまで減速する(一般的な旅客機の着陸速度は、時速約260km程度である)。着陸直前に、速度が時速430kmまで落ちた時点で車輪が降ろされる。時速343kmで主着陸脚の車輪あるいは前輪(横風着陸試験(DTO)実施時はパラシュートの展開を前輪着陸まで遅らせる)が接地すると、空力ブレーキを補助するために直径12mのパラシュートが展開され、時速110kmまで減速した時点で投棄される。

着陸後、OMSエンジン/RCSスラスタや3基の補助動力装置(APU)の燃料に使用されている有毒なヒドラジン漏れがないことを確認し、機体表面の温度が飛行士が下船できる温度に下がるまでの間、軌道船は滑走路上で待機する。

[編集] 着陸施設

着陸は、通常はケネディ宇宙センター(KSC)で行われるが、もし滑走路周辺の天候が不順である場合は天候が回復するまで宇宙で待機することもできるし、あるいはカリフォルニア州エドワーズ空軍基地や、その他世界中に用意されている施設に着陸することができる。KSC以外の施設に着陸することは、その後機体を専用の輸送機に乗せ、KSCまで持って帰らなければならないことを意味する。STS-3ではコロンビア号がニュー・メキシコ州のホワイト・サンズ空軍基地に着陸したが、この時は砂が機体内部に入り込んでしまったため、技術者たちは同基地に着陸する機会は二度とないであろうと予想している。その他の数多くの代替施設については、いずれもいまだかつて使用されたことはない。

[編集] 飛行記録

詳細は「スペースシャトルのミッション一覧」を参照

以下に示したのは、主要なものである。

スペース・シャトルの主な飛行記録
日付 機体 主なできごと 備考
1977年2月18日 エンタープライズ 初飛行 輸送機に搭載されての初飛行
1977年8月12日 エンタープライズ 初の単独滑空飛行 尾部保護カバーをつけての飛行。鹹湖に着陸。
1977年10月12日 エンタープライズ 四度目の滑空飛行 尾部保護カバーなしでの初の飛行。鹹湖に着陸。
1977年10月26日 エンタープライズ エンタープライズ最後の滑空飛行 エドワーズ空軍基地のコンクリートの滑走路への初の着陸
1981年4月12日 コロンビア 初の発射試験 STS-1
1982年11月11日 コロンビア 初の運用飛行。4名の飛行士が搭乗しての初の飛行。 STS-5
1983年4月4日 チャレンジャー チャレンジャー号初飛行 STS-6
1984年8月30日 ディスカバリー ディスカバリー号初飛行 STS-41-D
1985年10月3日 アトランティス アトランティス号初飛行 STS-51-J
1986年1月28日 チャレンジャー 初の民間人宇宙飛行士 初のアフリカ系アメリカ人宇宙飛行士 発射73秒後に空中爆発 STS-51-L、7名の飛行士が犠牲になる。
1988年9月29日 ディスカバリー チャレンジャー号の事故後初の飛行 STS-26
1989年5月4日 アトランティス 探査機マゼランを搭載しての初飛行 STS-30
1990年4月24日 ディスカバリー ハッブル宇宙望遠鏡を搭載 STS-31
1992年5月7日 エンデバー エンデバー号初飛行 STS-49
1996年11月19日 コロンビア 最長飛行時間(17日15時間) STS-80
2000年10月11日 ディスカバリー 100回目の飛行 STS-92
2003年2月1日 コロンビア 大気圏再突入時に空中分解 STS-107、7名の飛行士が犠牲になる。
2005年7月25日 ディスカバリー コロンビア号事故後の飛行再開フライト STS-114
2009年5月11日 アトランティス ハッブル宇宙望遠鏡への5回目で最後となる修理・サービスミッション STS-125
今後の計画
2010年 アトランティス アトランティス号最後の飛行 STS-132
2010年 エンデバー エンデバー号最後の飛行 STS-133
2010年 ディスカバリー ディスカバリー号最後の飛行。スペース・シャトルの運用終了 STS-134

[編集] 日本人が搭乗したミッション

# 日付 ミッション名 機体 飛行士 備考
1 1992年9月12日 STS-47 エンデバー 毛利衛ペイロード・スペシャリスト 日本人初の搭乗
2 1994年7月8日 STS-65 コロンビア 向井千秋(ペイロード・スペシャリスト) 日本人女性初の搭乗
3 1996年1月11日 STS-72 エンデバー 若田光一ミッション・スペシャリスト 初のミッション・スペシャリストとしての搭乗
4 1997年11月19日 STS-87 コロンビア 土井隆雄(ミッション・スペシャリスト) 日本人初の船外活動
5 1998年10月29日 STS-95 ディスカバリー 向井千秋(ペイロード・スペシャリスト)
6 2000年2月11日 STS-99 エンデバー 毛利衛(ミッション・スペシャリスト)
7 2000年10月11日 STS-92 ディスカバリー 若田光一(ミッション・スペシャリスト) 日本人初のISS組立ミッション
8 2005年7月26日 STS-114 ディスカバリー 野口聡一(ミッション・スペシャリスト)
9 2008年3月11日 STS-123 エンデバー 土井隆雄(ミッション・スペシャリスト) きぼう船内保管室を打上げ
10 2008年5月31日 STS-124 ディスカバリー 星出彰彦(ミッション・スペシャリスト) きぼう船内実験室を打上げ
11 2009年3月15日 STS-119 ディスカバリー 若田光一(ISS フライト・エンジニア) 日本人初のISS長期滞在を開始
12 2009年6月29日 STS-127 エンデバー 若田光一(ISS フライト・エンジニア) ISS長期滞在を終えた若田飛行士が帰還時に搭乗
きぼう船外実験プラットフォームを打上げ
予定
# 日付 ミッション名 機体 飛行士 備考
13 2010年3月18日 STS-131 ディスカバリー 山崎直子(ミッション・スペシャリスト) 野口飛行士がISSに長期滞在中のため、初の日本人2名同時飛行

[編集] 事故

1986年1月28日、チャレンジャー号が発射から73秒後に空中爆発し、搭乗していた7名の飛行士全員が犠牲になった。事故原因は固体燃料補助ロケットのOリングと呼ばれる接続部分が、低温により劣化したことによるものであった。担当技術者は再三にわたりOリングは-2.6℃以下になると安全性がきわめて低下することを指摘していたのだが、NASAの上層部はこれを無視した。

2003年にはコロンビア号の上昇時に外部燃料タンクから脱落した発砲断熱材が翼前縁の耐熱材であるRCCに損傷を与えたことにより、大気圏再突入時に空中分解した。地上の管制官は、損傷の程度をより明確に把握するために三種類の高解像度の画像を撮影することを国防総省に要求し、同時にNASAの耐熱システムの主任技術者は、コロンビアに搭乗している飛行士が船外活動を行ってタイルの損傷具合を調べることを提案した。しかしながらNASAの上層部は国防総省の支援を断り、また船外活動の提案も却下したため、飛行士がタイルの破損部分(事故直後は、RCCの損傷ではなく、タイルの損傷と考えれていた)を修理したり、また地上で待機中だったアトランティス号で飛行士を救出に行く可能性なども考慮されることはなくなった。 (その後発行された「コロンビア号事故調査委員会(CAIB)報告書」によれば、たとえ損傷状態が分かっていたとしても、軌道上での修理や、別のシャトルによる救出フライトは、現実的ではなかったと評価された。)

[編集] 退役

NASAの現在の予定ではシャトルは2010年に退役し、30年間にわたる活動を終了することになっている。現在稼働中の3機の中では、アトランティスが最初に退役する機体となる。シャトルの運用終了により宇宙開発計画に空白期間が生じることのないよう、新型の宇宙船が現在開発中である。元は「開拓員搭乗船(Crew Exploration Vehicle)」と呼ばれたこの宇宙船は、現在はオリオン宇宙船へと発展し、計画名も「コンステレーション計画(Project Constellation)」と名づけられ、ISSへの物資の運搬のみならず月、あるいは火星への宇宙飛行にも使用される予定である。この新世代の宇宙船は、2014年初めには有人飛行を行うことを目標にしている。そのためこの間のISSへの飛行士の往復には、ロシアのソユーズ、あるいは民間の宇宙船(下記参照)が使用されることになっている。

議会ではシャトルの運用の延長も検討しており、約100億ドルの予算を計上して2010年から2013年の間に6回から7回の追加の飛行を行い、その間にオリオンの開発を促進させるという案も提出されている。またオリオンの開発計画はそのままにしておき、シャトルの運用を2015年まで延長するという提案もなされている。

[編集] 民間宇宙船の活用

2008年12月23日、NASAは民間のスペースX(Space X)社およびオービタル・サイエンシズ(Orbital Sciences Corporation)社と契約し、ISSの物資の供給に同社が開発した宇宙船を使用する旨を発表した。スペースX社が使用するロケットはファルコン9(Falcon9)で、宇宙船はドラゴン(Dragon)。オービタル・サイエンシズ社はトーラスII(Taurus II)ロケットで、宇宙船はシグナス(Cygnus)と呼ばれるものである。

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月7日 (土) 11:52 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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