ネズミ
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![]() ハツカネズミ |
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ネズミ(鼠)とは、哺乳類ネズミ目(齧歯目)の数科の総称である。ハツカネズミ、ドブネズミなど、1000種以上が含まれ一大グループを形成している。
目次 |
[編集] 形態および生態
ネズミのほとんどが夜行性で、よく人間が寝ている間に人間の食料などを食べたりするので、寝盗み(寝ている間にこっそりと人間の食料を盗む)が転じてネズミという名がついたといわれる。[要出典]また、ネズミは齧歯類に特徴的な一生伸び続ける門歯をもつため、常に何か硬いものをかじって前歯をすり減らす習性がある。硬いものをかじらないまま放置しておくと、伸びた前歯が口をふさぐような形になり食べ物が口に入らなくなってしまい餓死してしまう。
繁殖力が旺盛であり、世界中のほとんどあらゆる場所に生息している。ネズミ上科のほとんどの種が、丸い耳、とがった鼻先、長い尻尾といった、よく似た外観上の特徴をもち、外観から種を見分けることは難しい。このため、頭骨や歯によって識別がなされている。
ハツカネズミなどのネズミは一度の出産で6~8匹生むことが出来、わずか3~4週間程度で性成熟し子供が産めるようになる。
[編集] 分類
[編集] ネズミ亜目
通常ネズミと呼ばれる種はネズミ亜目のうち8科(科の数は分類により増減する)に含まれる。ただし、ネズミ亜目は他にビーバー等も含む。
歴史的には、この8科やこれにほぼ一致するグループをネズミ亜目やネズミ上科等に当てる分類もあったが、現在はこれらのみをまとめる分類群はない。主要な6科がネズミ下目にまとめられるが、系統的にはやや離れたホリネズミ科など2科をネズミから除外することは少ない。
- ネズミ下目(狭義のネズミ亜目) Myodonta
- ビーバー下目(ビーバー亜目) Castoriomorpha
- ホリネズミ上科 Geomyoidea
- ホリネズミ科 Geomyidae - ホリネズミ
- ポケットマウス科 Heteromyidae - ポケットネズミ、カンガルーネズミ 等
- (ビーバー上科 Castoroidea)
- ホリネズミ上科 Geomyoidea
- (ウロコオリス下目(ウロコオリス亜目) Anomaluromorpha)
[編集] 他のネズミ目
ネズミ亜目に近縁なヤマアラシ亜目にも、ネズミと呼ばれる種がいる。和名にネズミを含む種が散在するほか、ヤマアラシのような顕著な外見上の特徴がない、チンチラなどの小型種はいずれも、漠然とネズミと呼ばれることがある。また、カピバラやフーティアのような(ネズミ目としては)大型動物でさえ、「巨大なネズミ」と表現されることもある。
ただし、解剖学的にはネズミ亜目と異なる点もあり、「広義のネズミ」には含まれうるものの「真のネズミではない」といった表現がされることもある。
和名に「ネズミ」を含む主な種は以下のとおり。分類群は関連するもの以外は省略。
- ヤマアラシ下目 Hystricognathi
- テンジクネズミ小目 Caviomorpha
- デグー科 Octodontidae - コルロネズミ
- チンチラネズミ科 Abrocomidae - チンチラネズミ
- テンジクネズミ科 Caviidae - テンジクネズミ(モルモット)
- アメリカトゲネズミ科(アメリカトビネズミ科)Echimyidae - アメリカトゲネズミ、ギアラトゲネズミ 等
- フィオミス小目 Phiomorpha
- ヨシネズミ科 Thryonomyidae
- アフリカイワネズミ科 Petromyidae
- デバネズミ科 Bathyergidae - ハダカデバネズミなど
- テンジクネズミ小目 Caviomorpha
もう一つの亜目であるリス亜目には、通常はネズミと呼ばれる種はいない。しかし、ヤマネ科 Gliridae をネズミ亜目に含める説があった影響で、古い文献ではヤマネ科をネズミに含めていることがある。
[編集] ネズミ目以外
ネズミ目以外にも「~ネズミ」という和名の生物がいるが、これらは最も広義のネズミにも含められることはなく、あくまで名前がそうであるだけのものとして扱われる。
- トガリネズミ目トガリネズミ科 - トガリネズミ、ジネズミ、ジャコウネズミ(スンクス)、カワネズミ
- ハリネズミ目ハリネズミ科 - ハリネズミ
- ハネジネズミ目 - ハネジネズミ
- 有袋類オポッサム目 - フクロネズミ(オポッサム)
- 有袋類フクロネコ目 - フクロトビネズミ
- 「海鼠」は「ナマコ」と読む。
[編集] 人間との関わり
歴史的には
- アリストテレスの『博物誌』では、ネズミの繁殖力の強さは説明できない問題であること、農作物に害をなすことが述べられている。またネズミは塩を舐めているだけで、交尾をしなくても受胎するという俗説が紹介されている。
- 中世のヨーロッパでは、ネズミは不吉な象徴であり悪魔や魔女の使いとみなされた。ペストなどの伝染病を運んでくると考えられていた(実際、ペストの媒介動物である)。
- 日本には、一部の地区でネズミは大黒天の使いであるとするネズミ信仰がある。正月などに家内安全、五穀豊穣を祈り、ネズミの通り道に餅などを供える風習がある。
歴史的には上記のような人間との関わりがあるが、現代社会においてはネズミの仲間の中にはハムスターのようにペットとして飼育されたり、ハツカネズミなどのように実験動物として人間に貢献している種類もある。
また、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種はイエネズミと呼ばれ、人間社会にとってもっとも身近なネズミである。病原体を媒介したり樹木や建物、電気機器などの内部や通信ケーブルなどをかじったりして人間に直接・間接の害を与える衛生害獣であり、駆除の対象となっている。
にも関わらず、ネズミはイヌやネコと並んで、物語や漫画、ゲーム、アニメなどの動物キャラとして登場することが多い。これはネズミが人間生活と非常に馴染み深いことと関係があると思われる。また小さな体格でチョロチョロと動き回る所から可愛らしいイメージで見られており、キャラクター化しやすいことも考えられる(他に現実とのギャップが激しい動物では、本来獰猛で、時に害獣でもあるクマなどが挙げられる)。ただし、愛すべき動物キャラとしてのネズミは、主にハツカネズミなど小型のネズミ(英語名はMouse)であり、クマネズミ・ドブネズミなどの大型のネズミ(英語名はRat)は、愛すべき動物キャラとされることは少ない(英語圏では裏切り者のイメージすら持つ。)。
[編集] ネズミの駆除方法
代表的なものに以下のものがある。
- 粘着シート(「ごきぶりホイホイ」の大型版)をネズミの通り道と思われるところに仕掛ける。
- 内部に餌をセットした「ネズミ獲り」(かご型の捕獲器、わな、トラップ)を仕掛ける。
- 毒餌(殺鼠剤、猫いらず。主成分は黄リンやタリウム塩で猛毒だったが、現在は低毒性のクマリン系のものが使用されている)を置いて食べさせる。ただし、最近では毒の耐性を持った(スーパーラット)クマネズミも報告されている。
- ネコをペットとして飼育する。
- 動物の嫌う煙(蚊取線香など)や刺激臭(ハッカ臭など)を充満させる。
- 出入口をふさぐ。ネズミは1センチの隙間があれば通過可能と言われる。
[編集] 物語に出てくるネズミ
- 日本神話の大国主の神話において、スサノオの計略によって大国主が焼き殺されそうになった時に一匹のネズミが現れ、大国主に火を避けられる場所を教えて助けたという説話がある。
- 中国では、火山の火の中に「火鼠」がすんでいると信じられていた。竹取物語では、かぐや姫が求婚者の安部御主人(あべみうし)に対して、結婚の条件として、火鼠の皮衣(ひねずみのかわごろも)を入手してくるよう求めている(正体は石綿という説がある)。
- 歌舞伎「伽羅先代萩」では悪家老の仁木弾正が妖術でネズミに化け、大切な巻物を盗む。
- ドイツの民話、『ハーメルンの笛吹き男』で、ネズミはハーメルンの街を荒らす不吉な存在として描かれている。笛吹き男は笛の音によって、ネズミの群れをおびき寄せ、河で溺死させ退治した。報酬を出し渋る街の住民に怒った笛吹き男は、笛の音によって子供たちをすべてさらってしまう。
- ダニエル・キイスの小説『アルジャーノンに花束を』には、脳外科手術によって知能を増大させたネズミ、「アルジャーノン」が登場する。
- アニメ(カートゥーン)『トムとジェリー』では、ネズミのジェリーとネコのトムがドタバタを繰り広げている。
- ネズミのキャラクターで最もよく知られているのはミッキー・マウス。初めて映画に登場したのはアニメーション『蒸気船ウィリー』(1928年)である。ウォルト・ディズニーが飼っていたネズミがモデルであるとされる。
- 1972年の児童小説『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』はラットのガンバとその仲間が団結して宿敵白イタチと戦う話。
- 1999年の映画『スチュアート・リトル』の主人公スチュアートはがんばりやのハツカネズミ。
- 漫画・アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の登場キャラクターにねずみ男がいる。
- 漫画・アニメ『ドラえもん』の主人公、ドラえもんがネズミ型ロボットに自分の耳朶をかじられ失ったことにより、ねずみ嫌いとなったのは有名。
- イタリアの人形劇『トッポ・ジージョ』の主人公トッポ・ジージョはネズミである。
- ドイツのアニメ『「de:Die Sendung mit der Maus(マウスといっしょ)』(『だいすき!マウス』という日本版がNHK教育テレビで放映)』の主人公マウスはネズミである。
- 絵本『ぐりとぐら』の主人公「ぐり」と「ぐら」は野ネズミである。
- ゲーム・アニメ『ポケットモンスター』の人気キャラクター、ピカチュウやマリルやサンドパンなど、ネズミがモチーフのキャラクターが多数登場する。
- E.T.A.ホフマンの児童文学作品「くるみ割り人形とねずみの王様」にはネズミの女王・マウゼリンクス夫人が登場する。
- ゲーム『マッピー』の主人公はネズミがモチーフ。
- イタリアの漫画『ラットマン』の主人公はネズミ。
[編集] ネズミに関する言葉・慣用句
- 大山鳴動して鼠一匹 - 大騒ぎをしたにも関わらず、大した収穫が得られないこと。
- 窮鼠猫を噛む - 追い詰められた弱者が、強者に対し必死に反撃すること。
- ねずみ算(鼠の子算用) - ネズミが等比級数的に急激に繁殖することから、和算で等比級数の計算のことを指す。
- ネズミ講 - ねずみ算的に会員を増やすことで利益を分配する無限連鎖講のこと。法律で禁じられている。連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)とは違う。
- 頭の黒い鼠 - 他人の私財を略奪するような悪人のこと。
- ただの鼠ではない - 気を許すことができないということ。「鼠=とるに足らないもの」という考えが下地にある。
- 鼠の尾まで錐の鞘 - どんな下らないものでも役に立つということ。
- 鼠が塩をひく - 取るに足らない些細なことであっても、放っておくといずれ重大な事態を招くということ。
- 家に鼠、国に盗人 - どんな世界でも害毒となる存在は必ずいるということ。
- 鼠に引かれる - 家にポツンと孤独でいる状態のこと。
- 袋の鼠 - 追い詰められて逃げることができない状態のこと。
- 二鼠藤を噛む - 現世は無常で、刻々と死地に近付くこと。
- 首鼠両端を持す - どちらにすべきか心を決めかねていること。
- 城狐社鼠 - 取り除きたくても簡単にできない、権力者の陰に隠れている悪者のこと。君側にある奸臣。
- 鼠壁を忘る壁鼠を忘れず - 被害者が被害に対する恨みを永く忘れられないでいること。
- 鼠窃狗盗 - こそ泥のこと。
- ネズミ、ネズミ捕り - 検問の俗称
- 鼠王国、鼠園、鼠御殿 - 東京ディズニーランド(TDL)、東京ディズニーリゾート(TDR)をさす俗語。
- 韓国語ではネズミはチゥィ。チゥィセッキは悪口で「ネズミ野郎」の意味で、とるに足らぬ小者ということ。隠語では鳴き声がうるさいことからおしゃべりな人、生殖器が小さいことから「男根の小さい人」にも例えられる。
- 野球で「ネズミ(関節ネズミ)」といえば、主に投手の利き腕の肘にできた遊離軟骨のことである。
- スパイのことをネズミと呼ぶことがある。
- ねずみは、十二支のひとつ。子を参照。
- 英語では、ハツカネズミなどの小型のネズミをマウス(Mouse、複数形はMice)、ドブネズミなどの大型のネズミをラット(Rat)と呼び分けており、日本語の「ネズミ」にそのまま相当する単語は存在しない。
- 和文通話表で、「ね」を送る際に「ネズミのネ」という。
- 日本には鼠色という色彩名が存在し、「四十八茶百鼠」と言われるほどのバリエーションを持つ。




