バブル経済
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バブル経済(バブルけいざい、bubble economy)とは、不動産や株式をはじめとした時価資産の資産価格が投機によって高騰し、資産価格高騰が誘引となってさらなる投機を引き寄せている状態の経済のこと。語源は18世紀イギリスでの南海泡沫事件から。
目次 |
[編集] 概要
[編集] バブルについて
バブル経済は、実体経済の経済成長以上のペースで資産価格が上昇している状態であり、持続不可能な投機によって生みだされた経済状態である。
土地や住宅、株式など、定価が定まっていない時価資産は、取引のたびに刻々と約定価格を変化させる。時価会計においては、時価資産の資産価値は直近の約定価格に時価資産総量をかけ合わせたものであり、市場における取引価格の変化が会計上、社会全体の時価資産総額を大きく変動させる。
ある資産に対する消費需要が増加し、供給が逼迫する局面においては、資産の買い手数が売り手数を上回り、資産価格が上昇する。資産価格が上昇する局面においては、資産転売による売買益(キャピタル・ゲイン)を求める投資家・金融機関による資産への投資が行われるため、さらに資産価格が上昇する。資産価格の上昇を見越した消費者による駆け込み需要が消費需要を一段と増加させ、時価資産増加による帳簿上の資産増加を要因として、消費に前向きになった消費者による消費需要の増加、投資家による投資需要の増加が発生し、連鎖的に資産価格が上昇するという、資産のインフレスパイラルが生まれる。この時期がバブルである。
一方、資産価格が消費者の購買力を著しく上回った時、もしくは市場における資産供給量が消費者の実需を著しく上回った時、資産の買い手数が売り手数を下回り、資産価格が下落を始める。投資家・金融機関は売買損失(キャピタル・ロス)を避けるためいっせいに資産を売却し、資産価格が暴落する。時価資産暴落による会計上の国民資産急減とさらなる資産価格下落を期待した消費者による買い控えにより、資産需要は急減し、資産デフレ状態に陥る。これがバブル崩壊である。
バブルの崩壊は、不良債権問題の発生を伴う。これは、バブル期に時価資産の高騰で膨張した法人金融資産に対して査定が行われ、それを基に返済不可能な融資が行われるからである。バブル崩壊で資産価格が下落すると、残された負債の返済による貸借対照表の調整は投資の停滞をもたらす。こうしてバブル経済が実体経済へ好影響を与えていたのと同じく、バブル崩壊は実体経済に大きな打撃を与えることになる。米国発の世界恐慌や、1990年代の日本の失われた10年、2008年の世界金融危機などはその典型である。
[編集] 投資家の行動とバブルの相関性
投資による利益は、債券購入や融資を行うことで得られる金利収入、すなわち配当益(インカム・ゲイン)と、土地や株や絵画を売買して得られる売買益(キャピタル・ゲイン)に大別できる。資産バブルは、このキャピタルゲイン投資によって引き起こされる。債券購入や企業向け融資によって得られる金利収入は、安定して収入を得られる代わりに低利率(ローリスク・ローリターン)で、専業金融家は保有する金融技術を生かしきれない。資本主義社会では、競争イデオロギーのもと、金融家は預金者・出資者からハイリスク・ハイリターンを求められ、バブルを煽る行動に出るのである。
[編集] バブルの予防
バブルを引き起こさないためには、株式投資や土地投資などの売買益投資を規制し、銀行融資や債券投資などの配当益投資中心の金融制度を構築していく必要がある。市場での取引価格によって金融資産が大きく変動する時価主義会計を見直し、取得原価主義会計に戻すことも重要である。しかし、この種の改革は、新自由主義者や市場原理主義者からは、資本主義イデオロギーからの退行だとして激しく反対されている。
[編集] 年表
日本では1980年代後半からのバブル景気が代表的であるが、世界的には金融資産が増えた近代から頻繁に見られている現象である。
- 1637年 対象資産:球根 オランダでのチューリップ・バブル。
- 1719年 対象資産:株式 フランスでのミシシッピ計画。
- 1720年 対象資産:株式 イギリスでの南海会社バブル事件(南海泡沫事件)。「バブル」の語源となった。
- 1840年代 対象資産:株式 イギリスで鉄道会社の株に投資が殺到した(鉄道狂時代)。
- 1920年代後半 対象資産:株式 アメリカで、第一次世界大戦のためヨーロッパから流入した資金により株投資ブームとなる。暗黒の木曜日の株価大暴落でバブルは崩壊し、世界恐慌の引き金となった。
- 1980年代後半 対象資産:株式・土地 日本の株と土地の異常な上昇-1990年まで(バブル景気を参照)。
- 1994年まで メキシコをはじめとする中南米バブル
- 1997年まで 東南アジアバブル。アジア通貨危機で崩壊。
- 1999年 - 2000年 対象資産:株式 アメリカのインターネット・バブル
- 2003年 - 2006年 対象資産:不動産 アメリカをはじめ世界中の住宅・不動産バブル。サブプライムローン問題の形で崩壊。
- 2004年 - 2008年 対象資産:原油・石油バブル(原油先物取引市場に大量に流れ込んだ投機が主な原因)
- 2007年 - 2008年 - 対象資産:株式・不動産 中国におけるバブル崩壊
20世紀のバブル崩壊は、主に中央銀行による金利引き上げがきっかけとなっている。
また、1971年のニクソンショック以後に発生したユーロダラーと呼ばれる過剰流動性(マネー)が世界各地を移動してバブルを引き起こしており、発生と崩壊の頻度が高まっている。
日本では、1973年以降の安定成長を経て、1980年代、プラザ合意がバブル景気の直接の引き金となった。日本経済は空前の好景気を迎え、株式市場も日経平均株価30,000円の大台を超えた。その後の失われた10年は、日本経済への打撃をそのまま示すものであった。94年の中南米におけるバブル、アジア通貨危機と、各地でバブルと不況という語がセットになったものが発生した。その後は、ドットコムバブル(2000年)、アメリカの住宅・不動産バブル(2003年)、Web 2.0バブル(2005年)等が発生した。バブル景気は、実体経済の経済成長以上にキャピタルゲイン資産市場が過熱した場合に起きる。
また、北京五輪と上海万博を控えた中国では、個人投資家による株式の売買が盛んに行われている。現在でも株式売買のうち9割近くは個人投資家で、彼等が株式市場に資金を投じて生じたバブルの状況であり、インフレーションと物価上昇に拍車がかかっている。中国人民銀行は景気の過熱を抑えるべく利上げを幾度か行っている。2008年6月に上海総合指数は昨年度の最高値の半分以下にまで落ち込んだ。不動産もシンセン等都市部で値下がりが始まっている。
2007年から2008年には、米国の住宅バブル崩壊により、世界金融危機が発生し現在も危機が継続中である。
[編集] 関連用語
- 株主資本利益率(自己資本利益率、ROE)
- 仕手
- バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
- タイムマシンを使ってバブル崩壊を阻止するストーリーの日本映画
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月13日 (金) 13:05 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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