ファーストフード
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ファーストフード(英語 fast food) とは、短時間で作れる、あるいは、短時間で食べられる手軽な食品・食事のこと。
日本では「ファーストフード」と発音する国民が圧倒的に多い[1]が、マスコミでは「ファストフード」を統一表記および発音として用いている[要出典](後述)。
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[編集] 定義
fast(ファスト=速い)をキーワードとした場合、「農作物・畜産物・魚介類を収穫した時点から食べるまでの時間が短い」という考え方も出来、踊り食い・刺身・サラダなどの「生食」が最も短時間 (fast) である。作るという部分をもう少し長くとっても、手軽に作れるという面では缶詰・レトルト食品・カップラーメンなどの「加工食品」、親子丼・牛丼などの「丼物」、うどん・蕎麦・ラーメンなどの「麺類」等等多岐に渡る。食べるという行為に費やす時間の長短からみても、食事のスピードには個人差・年齢差が激しく、なかなかfastの定義は出来ない。食品・食事としての手軽さでいえば、パスタ・菓子パン・中華まん・おにぎりなど、際限なく存在している。「産業革命以前の庶民の食事は全てファストフード」と言えるほどである。
このように、fast な food は世界各地に存在している。しかし、「ファストフード」と言う場合は、
という定義が、ファストフード文化や、世界各地でのファストフード経済周辺を眺めるにはよい。
ファストフードは、高カロリー、高脂肪、栄養素の偏りがあり、手早く食べられるため過剰摂取の可能性が高い。そのため、「ジャンクフード」の一種とすることがある。生活習慣病のリスクファクターを沢山取り揃えている「死に至らしめるのが早い (=fast) 食べ物」をしてファストフードと定義する場合もある。
[編集] 各地の様子
[編集] アメリカ合衆国
食文化は、民族・地域によって異なるため、それらの枠を越えて広がるには時間がかかり、それどころか、全く伝播しないことさえある。米国は多民族国家であるため、民族・出身国・人種・アメリカ国内での地域差などで分かれる食文化の枠を越えなければ、大きなビジネスにはならない宿命があった。
「ファーストフード」の始まりは、アメリカ国内における民族・地域の枠を越えて民族横断的に受け入れられる味付けであったこともさることながら、エンゲル係数が高かった時代に「安価」であったことが最大の武器となって広まった。中産階級においては、「安価」であることよりも、「手軽に食べられる」「高カロリー」なファーストフードは、労働効率を上げる食事として受け入れられていった。ハンバーガー・ホットドッグ・フライドチキン・サンドイッチ・ピザなど、種類ごとに「フードチェーン」がつくられて大企業化していった。
第二次世界大戦後、アメリカのファーストフードチェーンは、本格的に海外展開を始めた。しかし、アメリカのノウハウそのままで海外進出した場合、為替の問題でファーストフードはかなり「高額」な食事になってしまった。特に、牛肉食の文化があまりない国に出店する際は、材料の入手でさらにコストが上がり、「ファーストフード = 富裕層の食事」という、アメリカ国内では考えられない図式で導入されることとなった。
海外進出初期においては「安価」ではないファーストフードであったが、「アメリカ資本」の「巨大フードチェーン」の進出は、競争力のないそれぞれの国の国内産業を圧迫するとともに、米国の文化侵略の象徴とみなされ、出店規制が行われることが多々見られた。
健康に関する知識の疎い貧困層ほど食事に占めるファーストフードの比率が高く、その為に貧困層ほど肥満になりやすい事が報告されている。また調理に時間がかからなく安価な点からファーストフードを選ばざるを得ない事情があるという[2]。
[編集] ヨーロッパ
自国産業を保護する政策が強く、巨大資本のアメリカ系企業に規制がかけられている国がある。特にフランスでは、アメリカ資本のファーストフードチェーンは少ない。しかし、国内企業のファーストフードチェーンや、個人経営に近いファーストフード系の店は見られ、パニーノ、グレック、シシカバブのような、アメリカとは異なった種類のファーストフードも見られる。
アメリカの主導するグローバリズムの象徴としてファーストフードが取り上げられる場合もあり、反グローバリズム、スローフード、フェアトレードなどの、経済論理と文化論が混ざった「反ファーストフード運動」が見られる。
[編集] 日本
アメリカ式のファーストフードが1970年代初頭に日本に流入してきた。1970年にケンタッキーフライドチキン・ドムドムハンバーガー、1971年にマクドナルド・ミスタードーナツ、1972年にロッテリア・モスバーガーが出店を開始した。なお、米軍統治下の沖縄県では、1963年に北中城村にA&Wの1号店が開店している。
日本には、アメリカ系ファーストフードチェーンの他、様々なファーストフードチェーンがある。「安い」「早い」というキーワードで言うなら、立ち食いそば・うどん・おにぎりのような古来からの食文化がファーストフードとなったのみならず、牛丼・ラーメン・カレーライスなど、近代になってから日本で展開されるようになった食文化もファーストフードチェーンとして営業している。
また、ファーストフードのライバルとなっている「安価」で「手ごろ」な食産業は、いわゆるレストランと自炊の間のすべて、と言えるほど、日本の食産業は発展している。ファミリーレストラン・定食屋・回転寿司のような店内で座席に座るものから、弁当屋・コンビニ弁当・菓子パンの他、デパ地下やスーパーの惣菜など、軽食産業の広がりは他国の追随を許さないほどである。
なお、これらのアメリカ式のファーストフードが日本に流入する以前を考察すると、江戸時代以来、蕎麦やうどんや天ぷら、寿司などの屋台形式の店舗が存在していた。こうした店舗がある意味においては「世界最古のファーストフード」であるとする考えも成り立つ可能性がある(勿論、「ファーストフード」の定義をどう考えるかにもよって、この考え方に対する議論が存在する事は言うまでもない)。ただし、一般的にはこれらの食事がファーストフードにひとくくりされることは少ない。
[編集] ファーストフード店での勤務
ファーストフードは「安さ」が1つの売りでもあるため、労働力のコストダウンも激しい。店員は、企業にとって社会保障をつける必要がない非正規雇用者が多く、昼間は主婦のパート、夕方以降は高校生や大学生などのアルバイトが相場となっている。ファーストフードの興隆と時期を同じくして若者のフリーターが大量に生み出され、欧米にはあまり見られない日本固有の労働者の形を作り出した。
[編集] 中国
中国でファーストフードは「快餐 クワイツァン kuàicān」と呼ばれるが、必ずしも洋風のものを指す訳ではなく、トレーに中華料理を盛って食べさせる定食屋などにも「快餐」の看板が掲げられている。中国では、1980年代に始まった改革開放政策の結果、ケンタッキーフライドチキンやマクドナルドなどの世界的ファーストフード店が大都市から出店を始め、すでにかなりの地方都市にまで普及している。民族資本系洋風ファーストフードチェーンでは中国・台湾合弁のディコスが最大手である。もともと中国にある、麺類や餃子、ちまきなどの点心も、ファーストフードの性格をもっているが、欧米のチェーン店についで、台湾資本の豆乳を売り物にするファーストフード店が人気を集めるようになると、中華料理を基本にしたファーストフードチェーンも種々オープンするようになった。最近では台湾風のおにぎりチェーンや、日本式のラーメン店やカレーライスの店などにも人気が出ている。
[編集] 主な店舗
詳細は「ファーストフード店の一覧」を参照
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日本
- ハンバーガー・ドーナツ・サンドウィッチ等
- Rバーガー(東京のみ)
- ウィッチェバーガー(大阪のみ)
- ザッツバーガーカフェ
- ジェフ(沖縄のみ)
- ドムドムハンバーガー
- ファーストキッチン
- 牛丼・うどん等
他,回転寿司店,立ち食いそば・うどん店
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アメリカ合衆国
- In-N-Out Burger
- ウェンディーズ
- A&W
(沖縄のみ)
- クイズノス・サブ
- クリスタルバーガー
- クリスピー・クリーム・ドーナツ
- ケンタッキーフライドチキン
- サブウェイ
- ジャックインザボックス
- Taco Bell
- ディックス
- バーガーキング
- マクドナルド
- ミスタードーナツ
- ヤムバーガー
- ロングジョンシルバーバーガー
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カナダ
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ブラジル
- Habib's
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香港
- 大家楽(カフェドコラル)
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台湾
- 永和世界豆漿大王
[編集] 「ファーストフード」? 「ファストフード」?
"fast food" の英語での発音は、短母音の[æ](アとエの中間の音)を用いた「ファストゥ・フードゥ」「ファスフードゥ」となる場合と、長母音の[ɑː](アー)を用いた「ファーストゥ・フードゥ」となる場合とがある。アメリカ英語の話者の多くは前者を用い、イギリス英語(英国・オーストラリア・ニュージーランド)の話者とアメリカ英語の一部の話者は後者を用いる。同じ区別がある母音を含む英語由来の外来語には、"half"(ハーフ。半分) 、"path"(パス。道) 、"bath"(バス。浴室)などがあり、日本語として長短どちらにするかの規則は曖昧である。なお、ドイツ語・フランス語・イタリア語などでは「ファストゥ・フッドゥ」と発音する。
日本では、イギリス英語等のように「ファーストフード」(ローマ字表記:fāsutofūdo)という長母音(ā:[ɑː])の発音・カタカナ表記でこの言葉が浸透した。日本放送協会(NHK)が2003年に行った調査でも、「ファーストフード」と言う国民が圧倒的に多かった[1]。広辞苑などの国語辞典の見出し語も「ファーストフード」が用いられている。
一方、最初の母音のみをアメリカ英語にならって短母音(a:[ɑ])を用いる「ファストフード」(ローマ字表記:fasutofūdo)と発音・表記される場合も近年見られるようになった。これは、「アメリカ合衆国から入ってきた概念であるから、一般的なアメリカ英語により近い発音に従う」という原音主義や、「first とfast との間の意味の混乱を回避するすため」という意見などからとされる[1][3]。NHK[3]、日本民間放送連盟(民放連)、日本新聞協会など、マスコミ関連団体はすべて「ファストフード」に表記統一した[要出典]。
[編集] 健康問題
2003年の世界保健機関(WHO)の報告書は、ファーストフードは肥満と関連すると報告している[4]。2007年の世界がん研究基金による報告書は、がん予防のためにファーストフードの摂取を控えめにすべきだとしている[5]。アメリカでは、マクドナルドやペプシコなど11の主要なメーカーが、12歳以下の子どもにファーストフードなどの広告をやめることで合意している[6]。
[編集] 脚注
- ^ a b c ファーストフード? ファストフード?(NHK「ことばおじさんの気になることば」 2003年10月28日)
- ^ CNN ニュースの肥満特集より
- ^ a b 「ファーストフード?」(NHK放送文化研究所 1999年8月1日)
- ^ Joint WHO/FAO Expert Consultation Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases (WHO technical report series ; 916). World Health Organization, Geneva, 2003:147-149.
- ^ World Cancer Research Fund and American Institute for Cancer Research Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: A Global Perspective, The second expert report, 2007:pp378-379. ISBN 978-0972252225
- ^ Limiting Ads of Junk Food to Children (New York Times, July 18, 2007)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 参考文献等
- 『新版毎日新聞用語集』 毎日新聞社 454頁 ISBN4620904821
最終更新 2009年9月12日 (土) 19:16 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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