ベロモービル
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ベロモービル(Velomobile)とは、雨天でも運転できる屋根付きのベロ(自転車)。リカンベントトライクをフェアリングで覆ったものが多い。同様の競技用のものはストリームライナーと呼ばれる。
一人乗りミニカーを人力にしたものであり、省エネの観点から注目されつつある[1]。
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[編集] 歴史
ベロモービルは1930年代に生まれ、ミニカーとともに第二次世界大戦頃のヨーロッパで流行した。スウェーデンではFantomと呼ばれる設計の図面が売られて人気となり、10万枚以上の設計図が売れた。しかし、実際に完成させた人は少数であった。経済の発展と共に動力付きの乗物が主流となり、ベロモービルは衰退していった。
1970年代には、PPV (People Powered Vehicle)が生産されていた。タンデム型の2座席式で、鉄製のフレームにプラスティックのボディをかぶせたものである。座席は快適で、貨物スペースもあり、2つの座席のどちらにもペダルがあるなど、日常に利用する乗り物としての長所を持っていた。しかし、重量が重く(約50kg)、変速ギアが3つしかなく、ブレーキの効きが悪いなど、問題があった。1983年、Carl-Georg Rasmussen氏が古い設計図を再発見し、それを現代風に手直ししたLeitraを製作している。また、Leitraは現在、最も長く販売されているベロモービルである。
そして、1985年、Sinclair C5というベロモービルの量産が試みられた。C5は電動アシスト付きトライクであり、量産して低価格(約10万円)で販売するよう設計された。しかしC5は、重く、ギアが1つしかなく、快適な運転位置を設定する際に重要なペダルとシートの間隔調整機能がなかったため、失敗に終わった。このためC5はベロモービル全体に悪い印象を持たせることになった。
1990年代になると、メーカーの数も増え、現在は多くのベロモービルが世界中に存在している。その多くはオランダ・ドイツである。
最近は電動アシスト付きのベロモービルも登場しており、電動アシストとは、小型のバッテリーで推力を得て、人間の脚の筋肉の補助とするものである。その場合、モーターはホイール内に設置される設計が多い(電動アシスト自転車)。バッテリーとモーターを追加することで車重は増すが、上り坂などでは威力を発揮する。
[編集] 特徴
ベロモービルは大きく分けて2つの種類がある。一つはVelomobiel.nlやAllewederなど頭の部分が外に出るモデルで、視界や音を遮られず、冷却効果もあるが、雨や風に弱い。もう一つはgo-one、Leitra、Cab-bikeなどの純全天候モデルは雨に濡れずに目的地まで走ることができるが、フロントガラスが曇ったり、凍結したりすることがある。
また、多くのベロモービルは日常生活を重点において(ただし、そうでない物もいくつか存在する)設計されており、幅の広いタイヤやフルサスペンション、荷物スペースなど快適性も重視されている。しかし重量が約30kgと重いため、上り坂に弱い。この点を克服するため、電動アシストユニットが装備されたベロモービルが作られている。 2007年12月現在、ベロモービルは全てオーダーメイドとなっており、価格も4000〜6000ユーロ(約65〜100万円;2007年12月現在)と高い。 価格が高いものの、ガソリン価格の高騰により欧州諸国で人気が高まっており、一部では2〜3年待ちとなるほどである。
[編集] 市販車
[編集] Alleweder
オランダのメーカー。1993年設立。比較的安価なので入手しやすい。2002年にはモデルチェンジが行われた。価格はフェアリングキットで2500ユーロから、完成車で3300ユーロから。
[編集] Cab-bike
ドイツのメーカー。簡単にキャビンの脱着ができ、状況にあわせてさまざまなコーディネートができることで知られる。種類も豊富。価格は5500ユーロから。
[編集] Go-One
ドイツのメーカー。純全天候型ベロモービルの一つ。荷物は収納スペースではなく、防水バッグに入れてキャリアに取り付ける。価格は4300ユーロから。
[編集] Leiba
[編集] Leitra
デンマークのメーカー。1980年、Carl-Georg Rasmussen氏によって設立され、1983年にこのベロモービルの初代版が発売された。ボディ全体を開けて乗り降りをするタイプで、フルサスペンションや通気性の良い通気口など、走りよりも実用を重視して設計されている。価格は4000ユーロから。
[編集] Velomobiel.nl
オランダのメーカー。2000年に発売された「Quest」は、空気力学に基いたフェアリング構造を採用するスポーツベロモービルで、レースなどでも活躍している。2006年からは、後輪26インチになった。発売されてから200台以上が売れ、Allwederを抜かす勢いとなっている。2003年に発売された「Mango」は、Questの安価版でフェアリングの後部分が40cmほど短くなっている。価格はQuestで5000ユーロから、Mangoで3950ユーロから。同社が生産するベロモービルは、頭をフェアリングの上に出す開放形ベロモービルの一つである。また、大変人気があり、Questは2008年2月現在3年近くの待ちとなっている。
[編集] Flevobike
同国のメーカー。「Versatile」と呼ばれるベロモービルを開発している。 形はMangoに似ているが、デザインなどが異なる。
[編集] Fietser
ベルギーのメーカー。同社が生産する「WAW」、「Bries」はQuestと同じスポーツベロモービルである。 価格は3800ユーロから。
[編集] Tri-sled
オーストラリアのメーカー。主にリカンベントを手がけているが、ベロモービルも生産しており、「Sorcerer」と言う車種を生産している。分類はQuestやWAWと同じスポーツベロモービルである。価格は7500オーストラリアドルから。
[編集] 将来へ向けて
ベロモービルを実用的にするには、いくつかの相反する要求に応えなければならない。次のような特徴を可能な限り備える必要がある。
- 重量が軽いこと
- 操縦者の視界がよいこと(特に前方の視界が重要だが、できれば360度の視界が望ましい)
- 操縦性がよいこと(方向転換、ブレーキ)
- 衝突や悪路での安全性
- 換気性がよいこと(窓部分の防曇)
- 変速装置(通常の自転車よりも重いが空力的には優れているため、通常の自転車よりも変速の範囲が広くなければならない)
- 空気抵抗が低いこと
- サスペンションがよいこと
- 信頼性
- 強度: 車輪、変速装置、ブレーキなどは軽量な自転車よりも頑健である必要がある
- 日々の買い物に利用できる程度の貨物スペースがあること
- 低騒音(運転者の快適者のためだけでなく、交通の妨げとならないため)
- 安定性を増すため、トライクや四輪自転車とする
- 乗降が楽であること
- 照明システムが優れていること
- 他者から視認しやすいこと(反射板、警笛)
- 低価格
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 全天候型自転車「ベロモービル」、ガソリン高騰で注目集まる、WIRED VISION、2006年1月25日
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年2月27日 (金) 14:35 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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