マーキュリー (自動車)
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マーキュリー(Mercury )はアメリカのフォード・モーターが製造・販売している自動車のブランド名。
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[編集] 概要
大衆車ブランドのフォードと高級車ブランドにあたるリンカーンの中間を占める中級車という位置付けとされている。ブランド名の由来はローマ神話に登場する商業神メルクリウスの英語名にちなんだものである。
[編集] 歴史
[編集] 導入へのいきさつ
1930年代に至るまで、フォード・モーターには大衆車のラインナップを担う「フォード」、そして高級車のラインナップを担う「リンカーン」の2ブランドしか存在しなかった。しかしフォード・モーターのライバルのゼネラルモーターズ(GM)は、中級車だけをとっても「ビュイック」、「オールズモビル」、「ポンティアック」の3ブランドを擁しており、対GM戦略上、フォード・モーターも新たに中級車ブランドを立ち上げる必要に迫られていた。
無論フォード・モーターも中級車市場の伸びに手をこまねいていたわけではなく、GMが『廉価なキャデラック』というスタンスで製造・販売していた「ラサール」への対抗車種として「リンカーン・ゼファー」を投入するなどの対策は取っていたが、GMのビュイックが「40型」というモデルの投入によって全米4位にまで上りつめたという事態を受け、フォード・モーターも中級車市場対策に本腰を入れるべく新車種の投入を決断する。
[編集] 発表
1938年6月に、フォード・モーターの社長エドセル・フォードは自社の幹部に新投入する中級車、「フォード・マーキュリー」を公開した。この車種はリンカーン・ゼファーとフォード・デラックスの中間的な価格帯を埋める目的で作られたが、当初の予定ではあくまでフォード・ブランドの最上級車種という位置付けだった。
しかしこの年の11月にはマーキュリーは独立ブランドとされ、マーキュリー・エイトというモデル名で発売されたが、当初はマーキュリー・ブランド固有のネームバッジもなく、ホイールキャップには『フォード・マーキュリー』の文字が残されており、マーキュリー・エイトという車種の出発点がフォード・ブランドにあることを印象付けていたという。
[編集] 「リンカーン・マーキュリー部門」
しかしフォード・ブランドの上級ブランドとしてスタートしたマーキュリーは次第にリンカーン・ブランドの弟分的性格を強めていき、第二次世界大戦中の民生用自動車製造中止の時期を経た1945年に、フォード・モーターの社内でマーキュリーとリンカーンの両部門が統合され、『リンカーン・マーキュリー部門』となった。
1950年代の好景気を元に販売台数を伸ばす中、1958年に新車種「エドセル」が独立ブランドのもとに発売され、『マーキュリー・エドセル・リンカーン部門』になったが、1960年のエドセルの発売中止に伴い、当時のフォード2世会長の指示のもと、再び『リンカーン・マーキュリー部門』に戻り現在に至っている。
[編集] 差別化の成功
以上の通りマーキュリー(そして消滅したエドセルも)はリンカーンとは異なり、独立した別メーカーの吸収ではなく、車種の多様化という目的のもとにフォード・モーター内で一から立ち上げられたブランドである。フォードで開発された共通のプラットフォームは使うものの、デザインに多少の変更を加え、別ブランドでより高価格で売るという手軽な手法は成功を収め、同様の手法は後に「ホンダ」が「アキュラ」を、「トヨタ」が「レクサス」を立ち上げる際に模倣された。
1960年代にフォード・モーターがリー・アイアコッカ社長時代に入ると、「クーガー」などの独自のデザインを持つスペシャリティーカーを導入し、差別化に成功し販売台数を伸ばすこととなった。しかし1970年代の後半に入ると、2度にわたるオイルショックの影響で大型車やスペシャリティーカーの売り上げが減少した上、日本車との競合を受けてその車種戦略は揺れ動くこととなる。
その後1980年代に入ると、上記の「クーガー」や、「フォード・クラウン・ヴィクトリア」のバッジエンジニアリング車種である「グランド・マーキス」や、「フォード・トーラス」のバッジエンジニアリング車種である「セーブル」などの量販車種が一定の売り上げを確保し、ブランドの屋台骨を支えることとなった。
[編集] 不振
マーキュリーはその長い歴史の中で、『フォード・ブランドの兄貴分』という性格と『リンカーンの弟分』という性格の間を揺れ動き続けていたが、やがてマーキュリーはフォード・ブランドとの明らかな違いを打ち出せなくなり、販売不振に悩むことになる。マーキュリーは1993年に48万台以上の売り上げを達成していたが、その後2000年代に入り売り上げの下落が続き、最盛期の半分を割る20万台にまで売り上げが落ち込んだ。
2009年現在マーキュリー・ブランドで売られる車種は大きく減っており、保守的なマーケティングの結果としてフォード・ブランドやリンカーン・ブランドで売られているそれとの差別化もうまく行っておらず、併せてオーナーの高齢化が進み「成功している」とは言えない状況である。
[編集] ブランド廃止の噂
2000年代に入り販売が低迷する中、多くの観測筋がマーキュリー・ブランドそのものの存続に疑問を抱く中、フォード・モーターはマーキュリー・ブランドそのものを廃止する考えがないことを強調し、また販売の巻き返しを図るべく新車種の投入が計画された。一部は実現、ブランド・イメージ刷新に努めていたが、2006年にフォードの巨額赤字に伴う再建計画により、マーキュリー・ブランドの廃止が再度囁かれるようになった。
そして2007年末に最後のマーキュリー専売ディーラーが閉店し、リンカーンとの併売ディーラーのみとなったこと、今後の新型車導入予定がなくリンカーンのモデル拡充が予定されていることなどから、マーキュリー・ブランド廃止は時間の問題だろうと言われている。
[編集] 車種一覧
ヴィレジャーを除き、全てフォード・ブランドのバッジエンジニアリング車であり、日本のトヨタとレクサスの関係のように、装備や内装を高級化し、価格も上昇しているものの、外観上の違いはエンブレムとグリル、およびヘッドライト位であるものが多い。またブランド名の頭文字である「M」に因んで車名の頭文字に「M」が付く車種が多い。
[編集] 主な生産終了車種
- ボブキャット(Bobcat):フォード・ピントの姉妹車
- カプリ(Capri):フォード・マスタングの姉妹車
- コロニーパーク(Colony Park)
- コメット(Comet):フォード・ファルコンの姉妹車
- サイクロン(Cyclone):フォード・トリノの姉妹車
- クーガー(Couger):フォード・マスタング及びフォード・サンダーバードの姉妹車
- エイト(Eight)
- LN7:フォード・EXPの姉妹車
- リンクス(Lynx):フォード・エスコート(北米版)の姉妹車
- マローダー(Marauder)
- マーキス(Marquis)
- ミーティア(Meteor)
- モナーク(Monarch):フォード・グラナダとリンカーン・ベルサイユの姉妹車
- モントクレア(Montclair)
- モンテゴ(Montego):フォード・ファイブハンドレッドの姉妹車。セーブル(Sable)の後継車種として登場したが、2008年モデルから車名がセーブルに戻された。
- モンテレー(Monterey):フォード・フリースターの姉妹車。2007年モデルを最後に販売終了。
- ミスティーク(Mystique):フォード・コントゥアの姉妹車
- パークレーン(Park Lane)
- トレーサー(Tracer):フォード・エスコート(北米版)の姉妹車
- トパーズ(Topaz):フォード・テンポの姉妹車
- ヴィレジャー(Villager):日産クエストのバッジエンジニアリング
- ゼファー(Zephyr):フォード・フェアモントの姉妹車
[編集] 現行車種
- ミラン(Milan):フォード・フュージョン(北米版)の姉妹車
- セーブル(Sable):フォード・トーラスの姉妹車。2009年4月を以って生産中止。在庫のみの販売となる。
- マリナー(Mariner):フォード・エスケープの姉妹車。エスケープ同様ハイブリッド仕様あり。
- マウンテニア(Mountaineer):フォード・エクスプローラーの姉妹車
- グランド・マーキス(Grand Marquis):フォード・クラウンビクトリアの姉妹車。2009年4月現在、日本ではフォーピラーズが正規輸入している。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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最終更新 2009年6月5日 (金) 23:56 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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