ランドローバー・レンジローバー

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レンジローバー(初代)

ランドローバー・レンジローバーレインジローヴァー(RANGE ROVER)はイギリスのランドローバー社で生産されている高級高品質オールパーパスフルタイム4WD車であり、同社のフラッグシップモデルである。現行モデルは3代目で、2代目後期から当時親会社であったBMWの技術を一部導入し、現在ではフォード傘下で開発と生産が行われ、プレミアム オートモーティブ グループ内で最高級SUVとして扱われるほか、対外的にも歴代の名声により不動の地位を維持している。

目次

[編集] 初代 (1970 - 1996年)

初代 2ドアモデル
ホイールは後年のもの
初代 4ドア
1987年モデル
初代 4ドア
1988年モデル

1970年、当時ブリティッシュ・レイランド( British Leyland Motor Corporation : 略称BL)の1ブランドであったランドローバーから、フルタイム4WDのオールパーパスヴィークルとして発表された。

BLの技術者、チャールズ・スペンサー・キング、( Charles Spencer King 通称スペン・キング:Spen Kingとも )等が中心となり、ランドローバー以上のオフロード性能を持ち、普段は高級乗用車と変わらぬ快適性を持つことを目標に開発されたまったく新しい概念の革新的車であった。はじめから海外でのノックダウン生産も考慮して設計が進められ、耐久性、メンテナンス性も考慮されていた。

ラグジュアリーカーエステートカー、パフォーマンスカー、クロスカントリーカーの4つの車の役割を1台の車で可能にする」と謳われ、各国で好評を博した。オンロードとオフロードでの走りを真剣に考慮し設計された初めての車であるが、2代目以降のレンジローバーを含めても本当の意味でこれに追随した車は現在に至るまで皆無と言わざるを得ない。

当初は2ドアモデルのみであったが、後に4ドアモデルが追加された。なお、4ドアモデルはスイスの高級車メーカーであるモンテヴェルディの経営者であるピーター・モンテヴェルディの援助により開発された[要出典]。現在では初代モデル全てを、レンジローバー クラシック( Range Rover Classic )と呼ぶようになっている。

丈夫な車ではあるが、特有のリアサスペンションAアームのピボットは、年式に関係なく、点検と給脂をこまめに行う必要があり、極度に磨耗する前に交換することが望ましい。エアサスペンションにまつわるトラブルは2代目にも共通のもので、車高調整を諦め、金属スプリングに換えるユーザーも多い。部品は本国では、純正品、社外品共に潤沢に供給されており、価格は初代モデルのものが最も安価である。電装品やベアリングは、日本製(日本車用)で代用できる。

このような情報を共有する為に、この初代モデルに限ったCRRC(クラシックレインジローヴァークラブ)という、ワンメイククラブ(単一車種のクラブ)が日本国内に存在する。日本では自動車評論家の小林彰太郎、4輪駆動車専門雑誌「CCV」編集長石川雄一らが高く評価するとともに、自らも所有した(石川は現在も所有している)。

[編集] シャーシ、ボディ

虚飾を排してシンプルな設計に徹した初期型のボディは、2枚のドアと上下2分割式の頑丈なテールゲートを持つ。強固な2mm厚ボックスセクションの2本のサイドメンバーと5本のクロスメンバーからなる剛性の高いフレームに、ゴムブッシュを介して鋼板製スケルトンボディを載せている。このボディにアルミ製のドア、フェンダー、ルーフが取り付けられ、車体の軽量化、防錆対策に貢献している。

スペアタイヤを車室内に縦配置するとともに、駆動部品を適切に配置しシャシーフレーム及びボディを適切な形に設計することで、悪路での障害物による損傷を防いでいる。アプローチアングル45°、ランプブレークオーバーアングル150°、デパーチャーアングル33°を確保。ホイールベースは100インチ(2540mm)で、大人5人がゆったりと室内でくつろぐことが可能でありながら、初期型は全長4470mm、全幅1778mm、全高1778mm、車重1700kg台前半と意外とコンパクト、軽量である。

[編集] エンジン

GMから製造権を買い取ってローバー・3500( Rover 3500 )に使われていた、シリンダーヘッド、シリンダーブロック共にアルミ製の軽量なV型8気筒OHVの3528ccエンジンを採用し、発表当時としては優れた静粛性と 155km/hのクルージングを可能にしていた。このトルクフルで頑強なエンジンは、当初、ゼニスストロンバーグキャブレター装備であったが、後には電子制御燃料噴射式となり、排気量も3.9リッターから、最終型では4.2リッターにまで拡大された。また8気筒ながら、当時のランドローバーLand Rover (Series/Defender) )シリーズII Aに使われていた鋳鉄ブロックの4気筒よりも軽いことにより前後の重量配分が50:50となっており、結果としてオンロードでの旋回性能やオフロードでの走破性を良好にしている。またエンジンが短いことが前述のように広い車室の獲得にもつながっている。このエンジンは基本設計が古いこともあり、吸気抵抗や各部のフリクションロスが大きく、燃料消費が多いことが難点であった。これは電子制御化された後の改善もわずかであった。

ブリティッシュ・レイランドの整理後、中心的な役割を担ったオースチン・ローバー( Austin Rover )では、主に揮発油税の高率な欧州大陸向けとして、高速ディーゼルエンジンの開発を行っていたが、失敗続きの末、ついに自力開発を断念[要出典]ディーゼルエンジンメーカーとして定評のある、イタリアVM( VM Motori )社製のエンジンを購入することになった。これは、直列4気筒 2.4Lの直噴ターボディーゼルで、1986年に追加され、1989年には2.5Lに拡大された。これらは熱効率に優れた直噴式であることや、燃料の価格差も寄与し、燃費はガソリンモデルの半分ほどと大きく改善し、好評を持って迎えられた。

自社製ターボディーゼルエンジンを搭載した200TDiがラインアップに加えられたのは、モデル末期の1992年であった。

[編集] サスペンション

耐久性とオフロード性能を第一に追い求めたため前後輪ともコイルスプリングによるリジッドアクスル式サスペンションを採用。柔らかく長いコイルバネにより大きなホイールストロークを確保し、良好な乗り心地と卓越した悪路走破性を実現している。フロントはリーディングアームとパナールロッドによる3リンク式サスペンションで、自由な上下動と抗ロール性を両立しており、後のフロントリジッドアクスル4X4(SUV)に大きな影響を与えた。

またリアは重い荷物を積んだときにも車を水平に保つボーゲ(BOGE)製ダンパーを用いた機械式セルフレベリングユニットを組み込んだセンターAアームと、2本のトレーリングアームにより長大なストロークを確保している。これは現在に至っても優れた地形追従性を持ったサスペンションと知られるが、ダンパーや大きな力が加わるAアームのピボットの寿命が短いなどの難点がある。センターAアームは同社の初代ディスカバリーのほか、初代スズキ・エスクードに採用例があるが、2代目レンジローバーを含め、すべて後継車では採用されていない。

タイヤサイズは205R16という必要充分なもので、5.64mという最小回転半径と良好な乗り心地を実現している。北米市場からの要求で、1990年からロールを抑えるスタビライザーが装着された。1992年から4駆として世界で初めて英・ダンロップ製のエアサスペンションを採用する。高速走行時には安定のため車高を下げ、不整地走行では地上高を稼ぐために車高を上げ、積載量の多寡による姿勢変化を抑え、ニーリングで乗降を容易にするなど、変化量の大きい車高調整が目的である。これらの結果、販売台数を伸ばすことには成功したが、不整地でのサスペンションの動きは規制の少ない時期のモデルに及ぶことはなく、(北米市場の好みに合わせた結果)抗ロールの挙動も突っ張る感じがやや不自然で、エアサスに至っては、ポンプモーターの加熱やコンピューターのトラブルなど、耐久性、信頼性共に乏しい物となるなど、旧来からの一部ユーザーの信頼を失った。

[編集] 四輪駆動機構

フルタイム式4WD車としてはジェンセン C-V8 FF に次いで史上2台目だが、オフロードを前提とした車ではもちろん初である。

使用しているセンターデフは1988年までのマニュアルロック型と、それ以降のビスカスカップリング式差動制限型とに分かれるが、トランスファーに2速の副変速機を持つことは共通である。そのHi / Loのギヤ比が2.7:1と大きく、悪路での極低速走行(クローリング、クロール)を可能にしている。

  • ベベルギア式センターデフ - 副変速機のHi / Loのどちらのポジションでも、センターデフのフリー / ロックが任意に選択できる(ローレンジでセンターデフをフリーにした場合は、強大なトルクフローが発生する懸念があり、それによる駆動系の破損を防ぐフェイルセーフは無く、ユーザーの自己責任となる)。
  • ビスカスカップリング式差動制限付きセンターデフ - ABSの働きを妨げないようにするために採用されたもの。

[編集] ブレーキ

開発当初からフロントブレーキキャリパーまでのブレ-キラインを2系統確保した、完全分離型の2系統配管を持つ、贅沢な4輪ディスクブレーキを採用している。フロントは大径ベンチレーテッドディスクと対向4ピストン、リアは対向2ピストンを標準とする。また駐車・非常用ブレーキとしては大径のドラムトランスファーの出力部に設置した、センターブレーキとしている。このセンターブレーキの作動には、通常のワイヤーとリターンスプリングの組み合わせではなく、ロッドによるリンケージが用いられており、強制的にブレーキシューを解放することで、泥や凍結による不緩解を防ぐ配慮がなされている。

[編集] その他

  • 2ドアモデル4ドアモデル共に機能を追求したシンプルで美しいラインで構成され、工業製品として唯一ルーブル美術館に展示された事は有名である。
モンテヴェルディ・サファリ
  • 4ドアモデルはスイスの高級車メーカーで、競合車種である「サファリ」を生産していたモンテヴェルディ社のオーナーのピーター・モンテヴェルディの援助により開発された。この為、ランドローバー社は2代目レンジローバーの生産終了まで、モンテヴェルディにロイヤルティーを支払っていた[要出典]
  • キャメルトロフィー本戦用車両としても3回採用された。1981年 スマトラ 2ドア. V8. 3.5L. キャブレター. 1982年 パプアニューギニア 2ドア. V8. 3.5L. キャブレター. 1987年 マダガスカル 4ドア. VM製直列4気筒. 2.4L 直噴ターボディーゼル.
  • 20世紀中に世界で生産されたすべての車の中から最も傑出した車を選び出し、その製造者と設計者を讃えようという"Car of the Century"の選考27台に選出された。1970年代以降に登場した車で選出されたのは、他に"VW Golf1974年" "AUDI Quattro1980年" "Renault Espace1984年" の3台であった。

[編集] 歴史

  • 1970年6月7日 初代レンジローバーデビュー。
  • 1977年 フェンダーミラーからドアミラーへ変更される。
  • 1979年 バンパーをブラックへ変更。パワーステアリング標準装備。クーラーをオプション設定。
  • 1980年 4ドアモデルモンテヴェルディが限定販売される。これはスイスのモンテヴェルディ社を経営していた実業家、ピーター・モンテヴェルディがホイールベースを伸ばさず4ドアにするアイデアを提案したもので、これを市販化。BLは1972年に4ドアのプロトタイプを作製していたが、資金難で実現できなかった。また技術陣はシンプルさを旨としていたので4ドア化に積極的ではなかった。
  • 1981年 市場の声に応えてモンテヴェルディをリファインし4ドアが量産化される。ライトブルーメタリックの特別色にドアのウッドトリムや荷室のフルカーペットを装備したIN VOGUEモデル(2ドア、1,000台限定)がリリースされる。
  • 1982年 ランドローバー社がBLから独立し、資金繰りが楽になる。3速オートマティックトランスミッションを追加設定。
  • 1983年 5速マニュアルギアボックスを設定。
  • 1984年 三角窓廃止。VOGUEモデルが再登場し量産モデルとなる。
  • 1985年 4速オートマチックトランスミッション追加。
  • 1986年 イタリア VM社製 直列4気筒 2.4L 直噴ターボディーゼルエンジン追加。
  • 1987年 革内装のトップモデル「VOGUE SE」(ヴォーグ スーパーエディション)が登場、北米で販売を開始する。以後、北米市場に合わせたプレスティージ路線となる。
  • 1988年 3.9リッターエンジン登場。ABSの装備に伴い、手動センターデフロックに換え、ビスカスカップリングによる差動制限式センターデフを採用する。
  • 1989年 ターボディーゼルの排気量を2.5Lにアップ。レンジローバーの高価格化による上級移行伴う穴をうめるため、日本のオフロードヴィークルに価格面で対抗できる新モデルとして、ディスカバリーを発売する。これは、レインジローヴァーのシャシーから機械式レベリングユニットを省き、部品の共通化などで各部をコストダウンしたもの。日本国内では1991年より販売を開始し、1996年にはローバージャパンのフェアプレイキャンペーンにより、80年代のレンジローヴァーとほぼ同じ足回りのディスカバリーが300万円を切って販売された。7人乗り仕様があり荷室も広く実用性は高かった。しかしデパーチャーアングル、重心高はレンジローヴァーには劣っていた。
  • 1990年 最高級仕様VOGUE SEのみがローバージャパンにより日本に正規輸入される。
  • 1992年 4.2リッターエンジンを搭載したロングホイールベースモデル(日本名バンデンプラ、ホイールベース108インチ)が追加される。エアサスモデル追加。ディーゼルモデルを自社製ターボディーゼルエンジンを搭載した200TDiへ変更。
  • 1994年 日本での販売価格が改定され、約300万円もの大幅値下げが行われる。
  • 1994年 2代目が発表発売されるが、ファンの声に推され、レインジローヴァークラシックとして2代目と併行して継続生産される。クーラーを廃止、ディスカバリーのフェイズ2と同様のエアコンに置き換えられる。
  • 1996年 クラシックの生産を終了。総生産台数 317,615台。


[編集] 2代目 (1995-2002年)

2代目
2代目 4.6 HSE

北米市場からの要求を最大限に取り入れ、乗用車化を図りたいマーケティング側と、高機能とヘビーデューティーを伝統と考える設計陣、さらに、合理化に抵抗する生産現場との間で折り合いが着かず、企画から開発にいたるまで、かなりの時間を要する結果となった。

愛好家の間では、「セカンドレンジ」、あるいは開発コードをとって「P38a」と呼ばれる。

[編集] シャーシ、ボディ

カタログモデルは全て4ドアワゴンでホイールベースも一種類のみとなった。

ラダーフレームと前後リジッドアクスルの構成は継承されたが、ボディーは一般的なスポット溶接構造となった。

[編集] エンジン

ガソリンエンジンは初代の改良型で、アルミブロックのV8 OHVで、4.0Lと4.6Lの2機種であるが、ディーゼルエンジンはBMW製の直列6気筒 2.5Lターボディーゼルへ変更になった。

[編集] サスペンション

アイデンティティーとして、前後リジッドアクスルを継続採用したが、リアサスペンションは、センターAアームを廃し、横剛性を大きくとったトレーリングアームを導入したことが最大の変更点となった。

先代に続き、ダンロップの車高調整機能付きエアサスペンションを採用しているが、トラブルを嫌い、金属ばねに換えているユーザーも少なくない。

[編集] 四輪駆動機構

初代の晩年と同様、差動制限にビスカスカップリングを用いたセンターデフを持つ、フルタイム4WDとなっている。

操作系は、トランスファーレバーのないアメリカ製SUVに慣れきったユーザーを考慮し、ATセレクターレバーとトランスファーレバーをひとつにまとめ、Hパターンとしたセレクターを採用した。

[編集] 歴史

  • 1995年4月 2代目が発表される。この時点では、初代も「クラシック」として生産が継続されていた。
  • 1996年10月 特別仕様車オートバイオグラフィー発表。
  • 1998年5月 特別仕様車オートバイオグラフィー発表。
  • 1998年5月 50thアニバーサリーリミテッドを発表。廉価版の4.0 Sも同時に追加され、その後隠れた人気車種となっていく。
  • 1999年1月 デスティニー発表。
  • 2000年4月 4.6 ヴォーグ発表。


[編集] 3代目(2002年-)

3代目
3代目 リア
3代目 2007年モデル(北米仕様)

2002年4月発表された。当初はBMWが開発していたが、BMWのローバー売却、フォードのランドローバー獲得にからんで、フォードが開発を引き継いだ。ボディ、エンジンサイズの大型化が図られ、同時に内装がより豪奢なものとなった。またカーナビゲーションシステムの装着が最初から考慮された内装デザインとなった。

[編集] シャーシ、ボディ

2代目に比べ、より初代を意識したデザインモチーフが取り入れられた。なお、カタログモデルは2代目に続いて4ドアワゴン一種類のみとなった。

[編集] 歴史

  • 2002年4月にモデルチェンジで3代目となる。
  • 2005年に一部変更がされた。日本仕様では、保安基準を満たすためにサイドアンダーミラーが装備された。この左フェンダーの突起物がスタイリングをスポイルしているとの声は多かったため、2009年モデルから廃止され、代わりにCCDカメラが装着された。
  • 2006年モデルより、同じフォード傘下のジャガーよりエンジン供給を受けた4.4リッター・V8と4.2リッター・スーパーチャージャー付V8を搭載した。


[編集] 関連項目

最終更新 2009年9月7日 (月) 16:54 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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