ローバー (自動車)

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ローバー (Rover) は、かつてイギリスに存在した企業である。

1878年に Starley & Sutton Co. of Coventry として設立された。自転車を製作し、1885年にローバー安全自転車で現代の自転車の基本形を完成した。1890年代後半には Rover Cycle Company Ltd. となった。1904年にエンジンを使用した製品に参入し、乗用車オートバイを製作した。この時点で Rover Company Ltd. となった。オートバイと自転車の生産は1925年で終了した。1947年にランドローバーを追加。英国政府が主導した1967年の自動車会社統合によりレイランド・モーターズに吸収された。国有化など、幾度もの変遷があったが会社は傘下企業として1986年まで存続した。ブリティッシュ・レイランドの大量生産乗用車部門オースチン・ローバー・グループ時代の1986年に Rover Company Ltd. は終了し、企業としてのローバーは消滅、以降はローバー・グループのブランドとして存続した。2000年から2005年まではMGローバーのブランドとなっていた。2008年以降は、タタ・モーターズがローバーおよびランドローバーの商標権を所有しているが、実際の車名としては使われていない休眠ブランドとなっている。ローバーの最多生産モデルは、1990年代のローバー200であった。

また同社はロイヤルワラント(英国王室御用達)メーカーであり、ローバーP5はエリザベス2世が最も高貴な場所で使用する車として知られている。 ローバー・800シリーズの827クーペはチャールズ皇太子が、ローバーメトロ(後のRover114)とローバー・600ダイアナ妃がプライベートカーとして愛用していた。

目次

[編集] 独立メーカー時代

最初期のローバー(1905年)
ローバー・10(1936年)
ランドローバー・シリーズ1(1948-1958年)
ローバー・80P4(1962年)
ローバー・3リッターP5(1960年)
ローバー2000TCP6(1973年)
レンジ・ローバー(1987年)
ローバー・3500ヴィテスSD1(1983年)
ホンダ・レジェンドベースのローバー・800(1997年)
ローバー・200(1998年)

ジョン・ケンプ・スターレーがウイリアム・サットンと1878年に創業、前後のタイアサイズが同じでチェーンで後輪を駆動する今日の形態の自転車を創始して成功し、自動車製造に進出した。1904年に誕生した最初のローバーは2人乗りオープンモデルのローバー・8と呼ばれるモデルであった。以後、アッパーミドル層向けの中型サルーンを生産し続ける一方、航空機エンジン[1]や戦車などの軍需メーカーとしても発展し、これが第二次世界大戦後の4WD多用途車ランドローバーの生産やガスタービンエンジンエンジン車開発[2]のきっかけとなった。1929年から1963年まで経営でスペンサー・ウィルクス (Spencer Bernau Wilks)、エンジニアリングでモーリス・ウィルクス (Maurice Wilks) の兄弟が貢献した。

ローバーの乗用車はP4、P5など保守的で上品な持ち味を特徴としており、英国王室メンバーのプライベートカーにも多く用いられた。しかし1963年に登場したP6はモダンなスタイルや四輪ディスクブレーキ、凝った設計のリアサスペンションなど一気に当時の最先端の革新的な設計に転じて注目され、翌1964年に最初のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

[編集] ブリティッシュ・レイランド時代

1950年代からP6誕生のころまでがローバー社の全盛期であったが、やはり単独では英国自動車産業の沈滞の波に逆らうことができず、1967年にBLMCに吸収された。その後も1970年に今日のSUVの先駆的存在となったレンジローバーを登場させるなど健闘したが、BLMCは度重なる労働争議やオイルショックにより1975年に経営破綻、ブリティッシュ・レイランドと改称され、イギリス政府国有となる。

国有化後もジャガーデイムラーに次ぐBLの中上級車部門として1976年にSD1を誕生させて再びヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなどローバーの技術力はグループ内で活用されたが、SD1を含め品質低下によるBL各車の販売低迷は回復せず、同社は日本の本田技研工業との資本・業務提携に活路を見出すこととなった。この結果バラードをベースとした初代200、レジェンドと同時開発された800などが1980年代に相次いで登場し、ローバーの名称の使用範囲は大衆車にも広がり、オースチン・ローバー・グループと改名されたBL内の基幹ブランドとなっていった[3]

[編集] 民営化後の混迷

1988年、航空機メーカーであるブリティッシュ・エアロスペースに売却され再び民営化された。その際に会社名をローバー・グループと改め、会社名としてのローバーが復活した。しかし英国内の生産コストの高さから業績は伸び悩み、提携相手のホンダへの売却交渉も成功せず、1994年ドイツの自動車会社BMWがローバー・グループを買収、本田技研工業との資本提携は解消された。この合併の成果として1999年にデビューした75はホンダの技術的影響から脱し、BMW主導の設計で開発されたモデルで、当初は優れた完成度を示している様に見えたものの、程なくして、エンジン本体のトラブル、そして劣悪な整備性に伴う高額な維持費等、長年独自開発を怠ってきたことによる技術不足が明らかになっていった。長年旧態化したホンダベースの車種で凌いできた間の競争力低下を挽回するには登場が遅きに失しており、ローバーの不振はBMW本体の経営も悪化させ、ヨーロッパの大きな経済問題に発展する。

2000年、BMWは遂にローバーをイギリスの投資グループ、フェニックス・コンソーシアム(代表者はジョン・タワーズ。元ローバーグループ会長)に僅か10ポンド(当時の日本円で約1660円)で売却した。同時にランドローバー部門はフォード・モーターに売却された。ローバー、Miniライレー(四輪の)トライアンフのブランド名は、BMWが引き続き保有した[4]

ローバーを買収したフェニックス・コンソーシアムは同年、MGローバーグループ(MG Rover Group)に社名変更、永年ローバーの陰に隠れていたMGのラインナップを充実させる、2003年インドタタ・モーターズと技術・資本提携をし、タタの小型車「インディカ」を「シティローバー」として輸入販売する等の経営努力を続け、2004年には自動車製造100周年、ローバー累計生産台数は500万台達成を祝ったが、シティローバーは完成度が低く、75以外のローバー各車の基本設計は引き続きホンダ時代のもので旧態化が著しく、経営は引き続き不振を極めた。

[編集] 終焉

2005年4月、前年から続いていたMGローバーと中国上海汽車集団 (SAIC) との業務提携協議が決裂、政府破産管財人の監理下に置かれることとなり遂に経営は完全に破綻した。同年中にMGローバーは南京汽車の傘下に入ることを決定し、さらにMGローバーはMGブランドの知的財産権と資産・工場等を含む会社本体を南京汽車に売却することを決定し、ローバーブランドを独・BMWに売却すると発表した。同年7月に中国の南京汽車がMGローバーの経営権を獲得し、現在は新生MGとして再建計画が進められている。

2006年8月、BMWがローバーブランドを上海汽車に売却することで合意したと報じられたが、ランドローバー買収時にローバーブランドに関する優先権も獲得していたフォードが売却に拒否権を行使したため不成立に終わった。フォードは9月には優先買収権利を行使してローバーブランドをBMWより買収したが、結局ローバーブランドの完成車は発売しなかった。一方ローバーブランドの買収に失敗した上海汽車はローバー75などの一部の知的所有権と生産設備を買い取り、「栄威 750」と称して2006年から中国国内で製造・販売している。

2008年3月には、フォードがローバーとデイムラーの商標を含むジャガーランドローバーをインドのタタ・モーターズに23億ドルで売却した。

[編集] 車種一覧

  • P4(60/75/80/95/100/105/110)
  • P5(3リッター・312リッター)
  • P6(2000/2200/3500)
  • SD1(2300/2600/3500)
  • 100
  • 200
  • 400
  • 600
  • 800

[編集] MGローバー時代(2000年-2005年)

詳細は「MGローバー」を参照

1リッタークラスの5ドアハッチバックの小型車に始まる幅広い車種ラインナップを維持していた。MGローバー社が所有していたもう一つのブランドであるMGとシャシーとエンジンなどの部品を共有する車種が殆どであった。

他国への輸出は西ヨーロッパを中心に東ヨーロッパロシアオセアニア南米香港タイシンガポール日本などに行われていた。世界最大の自動車市場であるアメリカでは販売されていなかった。

以下日本未発売

[編集] 脚注

  1. ^ 1942年にロールス・ロイスへ事業譲渡された。
  2. ^ 実用化はされなかった。
  3. ^ BLMCに参加した他メーカー、モーリスオースチンウーズレーライレートライアンフなどの各ブランドは1970年代後半から使われなくなり、ジャガー、デイムラーは1984年に一足先に民営化されて独立し、結局ローバーとMGだけが残された
  4. ^ トライアンフは1936年時点で四輪部門と二輪部門が分離されて別会社となり商標権も分離されている。

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最終更新 2009年9月13日 (日) 09:44 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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