三菱・4G5系エンジン

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4G5系エンジンは、1972年に三菱自動車工業に発表された直列4気筒4ストロークのガソリンエンジン。なお、本項ではそのディーゼルエンジン版にあたる4D5系エンジンについても記述する。


目次

[編集] 概要

現在三菱で最も長い歴史を持つエンジンの系列の一つでもあり、排気量は1.8-2.6リットルに及び、「アストロンエンジン」という愛称が与えられていた。生産時期や販売国により、4G54という表記とG54Bという二種類の型式番号が与えられている。なお、2009年現在の時点においては海外向けディーゼルエンジンの4D56のみが製造されている。

4G5系エンジンは鋳鉄製シリンダーブロックにタイミングチェーン駆動によるSOHCレイアウトを採用し、燃焼室は当初、半球型燃焼室を採用していたが、後述する排ガス対策システム「MCA-JET」導入直後に多球型燃焼室に変更された。

当時の三菱エンジンの多くに採用されたサイレントシャフト

1975年には、4G5系エンジンはサイレントシャフトと呼ばれるバランサーシステムを搭載する。サイレントシャフトは近代エンジンにおけるバランスシャフトの最初の使用例の一つであり、それは三菱が原特許を得たフレデリック・ランチェスターのデザインに従って製造された物であり、振動減少に大きな効果を発揮した。後にランチアサーブポルシェは三菱の許諾を得てこの技術を自社エンジンに採用している。

サイレントシャフトと同じく当時の三菱エンジンの多くに採用されたMCA-ジェットバルブ

基本的には吸気バルブ1、排気バルブ1の8バルブヘッドであるが、1976年以降より当時の排ガス規制に対応するため、これまでの「MCA」に代わり、「MCA-JET」(MCAはMitsubishi Clean Airの略)と呼ばれる一連の排ガス対策システムを導入していた。最も特徴的な機構は、「ジェットバルブ」と呼ばれるごく小さな二次吸気バルブであり、吸気バルブと共にロッカーアームで駆動され、シリンダー内に強力なスワール流を発生させ燃焼効率を高めていた。ジェットバルブは輸出先国の燃料事情によりオクタン価の低いガソリンや、空燃比の低いキャブレターセッティングを可能にする意味でも用いられ、G32B型、4G63型を始めとする当時の三菱製エンジンの多くで採用されていた。

バルブを駆動するロッカーアームは当初は調整ボルトでタペット隙間が調整可能なメカニカルタペットが用いられていたが、83年頃から油圧式ラッシュアジャスターに変更された。91年の2代目三菱・マグナではローラー式ロッカーアーム(タペットはラッシュアジャスター)が採用され、ジェットバルブが廃止された。

燃料装置は70年代後半までキャブレターが中心であったが、昭和53年規制に合わせて電子制御式燃料噴射装置のECIシステムを採用。以後長い期間SPI方式のECIシステムが使用されていたが、90年代に入るとMPIを採用する車種(2代目三菱・マグナ)も現れ、その後も海外専売車種を中心に幅広く搭載され続けている。

[編集] 採用車種

4G5系エンジンは後発の4G6系エンジンほどではないが、スポーティカーからクロカン4駆、SUVからラグジュアリーカーに至るまで非常に幅広い車種に搭載されたエンジンである。日本市場においては、1973年に三菱・ギャランに1850ccのG51Bエンジンと2000ccのG52Bエンジン、三菱・ギャランGTOに2000ccのG52Bエンジンが搭載されたのを皮切りに、79年にECI仕様の三菱・ギャランΛ、82年(日本市場投入は88年から)にはシリーズ唯一のECIインタークーラーターボを搭載した三菱・スタリオンも登場した。

4G5系エンジンはECIとMCI-JETの採用で排ガス規制にもいち早く対応した為、旧式エンジンを搭載した既存車両の排ガス対策改修にも用いられた。 76年からはそれまでKE64/6G34型直列6気筒エンジンを搭載していた三菱・デボネアに2600ccのG54Bエンジンが搭載された。また、三菱・ジープにもそれまでのゴーデビル/ハリケーンエンジン等のSVエンジンやKE47型OHVエンジンに代わり、4G52、4G53 (2400cc) 、G54Bが搭載されている。

91年にはECI-Multi化された4G54を搭載した2代目三菱・マグナがオーストラリアで販売され、一部は日本にも輸入されていた。マグナ用の4G54はECI-Multiと共にローラーロッカーアームが採用されてカムトレーンの大幅なフリクション低減が成されており、以後4D5系ディーゼルエンジンにもローラーロッカーアームが搭載されるようになった。

[編集] 4D5系ディーゼルエンジン

4D5系エンジンはアストロンエンジンシリーズの一部であり、1980年に当時の5代目ギャランが導入したディーゼルエンジン仕様に初めて搭載された。その後、1993年に4M4系エンジンに代わられるまで三菱の代表的なターボディーゼルエンジンとして海外で販売されるSUVやミニバンに幅広く採用され続けた。

90年代の半ばより現在に至るまで、4D56が海外の4M4系エンジン搭載車の廉価グレードに採用されている。 このエンジンは原設計こそ古いものの、コモンレール式直接噴射システムを採り入れることによって、近年の排ガス規制に対応している。ロッカーアームは2代目三菱・マグナの4G54で採用されたローラー式ロッカーアームが引き続き使用されているが、4D55/56のロッカーアームはラッシュアジャスターの無いメカニカルタペットの為、定期的なタペット調整は依然必要な仕様となっている。

[編集] 主なエンジンと採用車種

[編集] 4G51 (G51B)

  • SOHC 8バルブ
  • 排気量:1855cc
  • 圧縮比:8.5(シングルキャブレター)/9.5(ツインキャブレター)
  • 参考スペック
    • 105PS/6000rpm 15.5kg・m/4000rpm(三菱・ギャラン/シングルキャブレター)
    • 115PS/6200rpm 15.5kg・m/4200rpm(三菱・ギャラン/ツインキャブレター)
採用車種

[編集] 4G52 (G52B)

  • SOHC 8バルブ
  • 排気量:1995cc
  • 内径×行程:84.0×90.0
  • 圧縮比:8.5(シングルキャブレター)/9.5(ツインキャブレター)
  • 参考スペック
    • 115PS/6000rpm 17.0kg・m/4000rpm(三菱・ギャランGTO/シングルキャブレター)
    • 125PS/6200rpm 17.5kg・m/4200rpm(三菱・ギャランGTO/ツインキャブレター)
採用車種

[編集] 4G53 (G53B)

  • SOHC 8バルブ
  • 排気量:2346cc
  • 圧縮比:8.0
  • 参考スペック:110PS/5000rpm 20.0kg・m/3000rpm(三菱・ジープ/キャブレター)
採用車種

[編集] 4G54 (G54B)

  • SOHC 8バルブ
  • 排気量:2555cc
  • 内径×行程:91.1 mm x 98.0 mm
  • 圧縮比:8.2(NA) /7.0(ECIターボ)/9.2 (ECI-Multi)
  • 参考スペック
    • 120PS/5000rpm 21.3kg・m/3000rpm(三菱・ジープ/キャブレター)
    • 175PS/5000rpm 32.0kg.m/3000rpm(三菱・スタリオン GSR-VR/ECIインタークーラーターボ)
    • 98kW(131PS) /4750rpm 220N・m(162lb-ft) /4000rpm (三菱・マグナ/ECI-Multi)
採用車種

[編集] 4D55

  • SOHC 8バルブ ディーゼル
  • 排気量:2346cc
  • 内径×行程:91.1 mm x 90.0 mm
  • 圧縮比:21.0(ターボ)
  • 参考スペック:62kW(84PS) /4000rpm 175 N・m (129ft.lbf) /2000rpm(ターボエンジン)

[編集] 4D56

  • SOHC 8バルブ ディーゼル
  • 排気量:2476 cc
  • 内径×行程:91.1 mm x 95.0 mm
  • 圧縮比:21.0/17.0(コモンレールターボ)
  • 参考スペック
    • 51kW (73PS) /4200rpm 143N・m(105ft.lbf) /2500rpm(NAエンジン)
    • 95kW (128PS) /4000rpm 287N・m(232ft.lbf) /2000rpm(ターボエンジン)
    • 99kW (134PS) /4000rpm 298N・m(224ft.lbf) /2000rpm(インタークーラーターボ/CRDi)
    • 105kW (141PS) /4000rpm 301N・m(223ft.lbf) /2000rpm(インタークーラーターボ/コモンレール)
採用車種

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月25日 (水) 02:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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