三角窓

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マツダ・T1500の三角窓

三角窓(さんかくまど)とは、自動車の機能部品の一つで、英語ではVentilation Window(換気窓)、あるいは、Flip-out Window(ぱたんと開く窓)、単にFlip-outとも呼ばれ、その形状は必ずしも三角形とは限らない。多くは前席ドアの前寄りに装備されている。

配管と強制送風ファンによるベンチレーション・システムが普及していなかった、あるいは信頼性が低かった時代の重要な快適装備の一つである。垂直軸の基部で回転して開閉し、開く角度を調節することで、走行風を利用した外気の取り入れや、負圧を利用した内気の吸出しによって室内を換気する。

[編集] 歴史

1920年代以降、乗用車に屋根付きのクローズド・ボディが普及するにつれ、内気と外気の換気の見地から、車体外板を開閉して外気を導入する原始的なベンチレーターが装備されるようになった。だが、構造の単純さ故に閉鎖時でも隙間風が入りやすい問題があり、改善が望まれていた。

対策は、ゴム・シーリングで気密性を高めると共に、外気が入っただけ車内空気を排出することである。1930年代初期にゼネラル・モータース(GM)傘下のボディ架装メーカーであったフィッシャー・ボディ社(Fisher Body)は、ここに着目して「ノードラフト・ベンチレーション」を考案し、1933年以降のGM系列各社に採用された。前席ドア窓の前寄り部分を回転式の独立した小型窓とし、適度に開閉することで、窓前方から外気を導入した分、外圧と窓後方の負圧で内気が吸い出される構造である。考案当初の1930年代前半、自動車は乗用車であっても流線型化以前のスタイルで、前方窓が垂直近くに立っていたため、この換気窓は「三角窓」ではなく四角に近かった。

GMの方式は実用性が高かったため、第二次世界大戦直後までに多くの国の自動車に広まったが、その過程で自動車の流線型化が進み、前方窓の傾斜が大きくなると、前方ドアもそれだけ前端が傾斜した形でデザインされるようになり、ドア前端に位置する換気窓は1940年代末期までには必然的に三角形を呈するようになった。

三角窓は回転角度で換気量を調節でき、走行中であれば、ファンをまわすモーターなどの動力が一切不要で、便利な機構であった。このため1950年代には採用しない自動車の方が珍しいほどに普及したが、1960年代以降廃れていく。

原因としては、自動車スタイリングの流行の変化、コストダウンに伴う単純化などの影響もあったが、1960年代以降、カーヒーターとセットになった強制送風式の配管構造を持つ内蔵ベンチレーション・システムが普及し、敢えて三角窓を採用する必要性が薄れた点がある。また当時、安全対策への意識が向上する過程で、三角窓の窓枠が車内外に突出することによる事故時の乗員負傷、車外の通行人に接触する事故の危険性が問題視されるようにもなった。さらに高速時には風切り音の発生源になることや、悪天候時の換気には使いにくいこと、駐車中に三角窓を割られ、盗難や車上荒らしの被害に遭うなどの短所もあり、1970年代までには市場の自動車における換気機構としてはほぼ廃れた。

換気用三角窓とは異なる性格のものに、オープンカーのフロントウインドシールドフレームの走行中のゆれ(シェイク)を防ぐ目的で設けられたものや、最近のミニバンなど、フロントピラーの付け根がドライバーの視点から遠い車種では、死角削減のためにAピラーとA'ピラーの間に三角形の窓を配す場合があるが、これらは単に窓の形状が三角形であるだけであり、旧来の「換気窓」としての三角窓の範疇には入らない。

[編集] 趣味的特徴

低価格の大衆車や、簡素を旨とするスポーツカーの一部では、三角窓は省かれる場合が有る。それに対し、高級車ではパワーウインドウの一環として、電動開閉式を採用するものが多く、日本車では、センチュリープレジデントが早くから電動式を採用していた。特にこれらの大型車は後席居住性重視のため、リアドアの三角窓も電動式となっていた。

小さいドアに大きなドアガラスを収納しきれないため、三角窓を設け、ディビジョンバーで窓を分割する例は、4ドア車の後部ドアでしばしば見られるが、変わったところではいすゞ117クーペのフロントドアガラスがこの例に該当する。

古い時代の自動車特有の装備であることから、ノスタルジーを感じさせる点でも重要なアイテムで、旧車愛好家には実用面と併せ、これを好む者が多い。

最終更新 2009年1月16日 (金) 15:53 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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