不老不死

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ウロボロスは不老不死の象徴のひとつ

不老不死ふろうふし)とは、永久に老化することも死ぬこともなく生き続けること。すなわち若々しい姿のままで通常の寿命を超えた時間を生きることを意味し、主に大陸系文化において、受け入れられる理想の一つでもある。類義語に「不老長寿」(ふろうちょうじゅ)がある。医学的には、寿命が平均より大幅に短くなる早老症は確認されているが、逆に老化速度が遅くなり常人と比して数倍の寿命を持つ遅老症や、老化が全く進まない不老症は確認されていない。

目次

[編集] 概要

老化ヒトにとって避けられない恐怖である。この両者を被らなければ、幸せな状態が持続するであろうとの空想を実体化したものが不老不死である。古くから世界各地でこれが理想とされ、それに至る道が模索された。また、神などの超現実の存在には往々にしてこの属性が与えられる。

現代の科学においても老化の防止は重要な課題であり、その意味では今も人類は不老不死を求めている。他方、生物全体を見れば不老不死であるかもしれない存在はいくつか考えられる。ただしその判断は難しい。

なお、不死であり、老化しないことを実現する空想としては、老化が起こってから後、元の状態に戻る、というのが考えられ、こちらは若返りといわれる。概念的にはやや異なるが、例えば若返りの泉などやはり空想上の産物としては世界各地に例が多い。

[編集] 伝承

古くは中国の始皇帝が不老不死を求め、徐福蓬莱の国へ行き仙人を連れてくるように命じた[1]。『史記』の他の項では不老不死の薬が得られなかった代わりに「延年益寿」の薬が出ており[2]、これは「不老長寿」ともとれる。日本の『竹取物語』では不老不死の秘薬が物語の最後に登場した。おそらく最古の不老不死説話はメソポタミアの『ギルガメシュ叙事詩』で、紀元前2000年頃には出来ていたと思われる。ギリシア神話ティターン北欧神話アース神族など、西洋の神話においても、不老不死は多々登場する。

フィクションにおいては、「死なない」ということと同時に「死ねない」ことに視点を置き、重傷を負っても死亡せず長く痛みを味わったり、親しい人間が老いて死んでいく中で永遠に続く人生を疎んだりと、不老不死の負の側面を取り上げることも多い。

[編集] 哲学・論理学的解釈

「永遠の命」が本当に永遠なのかという命題証明するためには無限の時間が必要となるため、「永遠の命」が真に永遠であると証明される瞬間は、厳密に言えば永遠にやって来ない事になる。

[編集] 生物学的解釈

生物学的な見地では、個性の宿る個体が滅びたときがすなわち死である。ほとんどの生物は人間が観察できる範囲の寿命を持ち、その範囲で死を迎える。また、その際に老化と呼ばれる生体能力の低下が見られ、明らかにその先生き続けられないことが見て取れる。樹木などでは老化は見て取りづらく、またヒトよりはるかに長期にわたって生存することがわかるが、それでも数千年を超える例はない。したがって不老不死の生物はない、と考えるのが普通である。

単細胞生物は実質的に不老不死ともとれる。有性生殖の場合その個体は一代限りで限りあるが、単細胞生物は分裂しても同じ個体とみなせるからである。しかし、そのような生物でもたいていどこかで有性生殖を行っているので、単純にそう考えるのは誤りである。例えばゾウリムシは、分裂には回数制限があり、有性生殖を行うことで新たに分裂がはじめられることが知られる。ただし世代交代を生命の継承と考えれば、すなわち生殖細胞遺伝子)を後世に伝えることを不死と見なすならば、全ての現存する生命は太古に発生した時点から生き続けているとも解釈出来る。いわゆる万世一系なる言葉は、その意味ではすべての生物に当てはめられる。

なお、本当に不老不死の生物として、ベニクラゲはクラゲが老化して後、萎縮して再び幼生であるポリプに戻ることが判明しており、これを繰り返すことで理屈の上からは不老不死であると考えられている。つまり老化しては若返るわけである。同様の現象はもう1種、ヤワラクラゲで知られている。ただし、本種個体は当然ながら捕食を受けることはあり得るし、その場合は当然死んでしまうから、本種のクラゲが(空想上の生物の不死鳥のように)死を免れている(永遠に生き続ける)生物ということを意味するものではない。

もう一つの老化に逆行する例として、昆虫変態とそれに関するホルモン関連がある。昆虫において、アラタ体前胸腺から分泌されるホルモンがその変態に深く関わっているが、このうちのアラタ体から出されるいわゆる幼若ホルモンは昆虫の変態を止め、いつまでも幼虫でいさせる効果があり、実験的には幼虫の期間を延長させることができる。

[編集] 不老不死に向けて

今日の医学では、不老不死を実現させることは不可能だが、不老不死にむけての研究は行われている。(外部リンク不老不死への科学参照)また上述のように哲学的意味において不死ということは現実には意味をなさず、想定されているのは「不老長寿」である。

[編集] 関連項目

ウィキクォート
ウィキクォートen:Immortalityに関する引用句集があります。

[編集] 脚注

  1. ^史記・秦始皇本紀』など。
  2. ^ 同・淮南衡山列伝。

[編集] 関連書

  • 石田行雄 『不老不死と薬』薬を求めた人間の歴史 築地書館 ISBN 4-8067-2319-3
  • 三井洋司 『不老不死のサイエンス』 新潮新書159 新潮社 ISBN 4-10-610159-9

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年9月6日 (日) 01:02 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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