世界戦略車

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世界戦略車(せかいせんりゃくしゃ)とは、主として自動車メーカーが、自らの製品の、企画、開発、生産、販売について説明する際等に用いる用語である。ワールドカーグローバルカーなどと呼ばれる場合もある。

同じ「世界戦略車」という用語を用いても、その意味はメーカーよって異なり、「基本的に同じ仕様の製品を多くの国、あるいは地域で販売する」事を言う場合もあれば、「基本的に同じプラットフォームから、各国、各地域向けに特化して開発した製品群」を一まとめにして総称して言う場合もある。

前者の場合、「国内専用車」とは対極の意味であるが、後者の場合、「国内専用車」も「世界戦略車」である場合がある。

メーカーによって意味が異なり、現在のところ明確な定義は定まっていない。

目次

[編集] 概要

日本国内の自動車メーカーは、輸出が主である事から一部の国内専用車(ドメステックカー)以外の車両はすべて世界戦略車とも言える。欧州のメーカーも輸出には熱心だが、日本国内での販売網やサービス体制等に十分でないメーカーも多い。米国のメーカーは元々輸出には積極的ではないが、近年右ハンドル仕様等、仕向け地に合わせる努力を行うようになった。

かつて日本の各メーカーは日本国内専用、輸出向け先の仕様向けと別だったが、現代では各国での海外現地生産車も多く、販売台数的にも国内より海外が多い為に、海外仕様を国内向けにも販売する方式になりつつある(日本国内未発売車両も多い)。そのため、一部の車種によっては車幅が広いなど取り回しに問題があり、日本国内でのインフラにあっていないものも登場してきた。

[編集] GMの「グローバルカー構想」

ゼネラルモータース(GM)は世界各地にグループ企業を持つが、1960年代までは、同じクラスであっても各地で全く違う製品を開発、生産していた。しかし、これではコスト的に無駄が多く、グループのスケールメリットが生かされていないと考えたGM本社が1970年代初頭に提唱したのが「グローバルカー構想」であり、簡単に言えば、「基本的なプラットフォームを共用し、そこから各地の国情に合わせた製品を派生させる」という戦略である。

最初の計画は大衆車クラスの「Tカー」で、ドイツのオペルが中心となって開発したプラットフォームから、オペル・カデット(C、1973年)、いすゞ・ジェミニ(初代モデル、1974年)ヴォクスホール・アストラ(1975年、イギリス)、シヴォレー・シェヴェット(1973年、ブラジル/1976年、アメリカ)などが派生した。

次の計画は、ミドルクラスの「Jカー」で、これは基本となるプラットフォーム自体を各社で分担して共同開発し、ここからオペル・アスコナ(C、1982年)、ヴォクスホール・キャヴァリエ(1982年、イギリス)、いすゞ・アスカ(1983年)、ホールデン・カミーラ(1982年、オーストラリア)、シヴォレー・モンザ(1982年、ブラジル)の他、ポンティアック・J2000、シヴォレー・キャヴァリエ、オールズモビル・フィレンザ、ビュイック・スカイホーク、キャデラック・シマロン(いずれも1982年、アメリカ)などが派生した。

この計画では、プラットフォームの共用化により、開発費を削減しながらより良い製品を造る事が目的であったが、最終的な製品は各地の事情に合わせて開発されており、同じ「Tカー」や「Jカー」であっても、全車を通じての互換性は少なく、出来上がった製品そのものは、国際商品というよりは、「国内専用車」に近いものである。また、各社で分担した設計のすり合わせに手間と時間がかかる事や、最終的に各国の事情に合わせる事が開発の2度手間、3度手間になる事。更には、モデルチェンジの方法と時期など、問題も多く、開発費の削減もGM本社が期待した程ではなかったためか、「Jカー」以降はGMグループ内でも、このような世界的規模の共同開発は行われていない。ただし、2国間、2社間程度の共同開発、プラットフォームの共用は現在でも広く行われている。

[編集] 世界戦略車の車種

ここで言う「世界戦略車」とは「世界の多くの国、あるいは地域で、基本的に同じ仕様で販売される車種」を指す。

[編集] トヨタ

トヨタ自動車は、輸出の伸びは最高で莫大な利益を出している。しかし、日本国内では他社同様に販売台数が減少しており、今後の深刻な問題と化している。

[編集] トヨタブランド

トヨタの代表的な世界戦略車であるカムリ (CV40)
  • ヤリス(欧州・米・オセアニア・中国・東南アジア・南アフリカなど) - 日本名:ヴィッツベルタ
  • ヤリスヴァーソ(欧州) - 日本名:ファンカーゴ
  • エコー - 日本名:ヴィッツ/:プラッツ
  • ヴィオス(中国・東南アジア) - 日本名:ベルタ。ただし初代は日本未発売
  • カローラ(欧州・米・オセアニア・中国・東南アジア・南アフリカなど)
  • マトリックス(米) - 日本未発売
  • オーリス(欧州) - 欧州名カローラハッチバックの後継
  • カムリ(米・オセアニア・中国・東南アジア・南アフリカなど)
  • カムリハイブリッド(米) - 日本未発売
  • シエナ(米) - カムリグラシアベースのミニバン
  • アバロン(米)・
  • プレビア(米・香港・シンガポール・欧) - 日本名:エスティマ※米国は初代TCR10系のみ
  • タラゴ(オーストラリア) - 日本名:エスティマ
  • アベンシス(欧州)
  • ハイエース(米を除くほぼ全ての地域)
  • カリーナII(欧州) - 日本名:コロナ
  • プリウス(欧州・米・オセアニア・中国・東南アジア・南アフリカなど)
  • RAV4(欧州・米・オセアニア・東南アジア・南アフリカなど)
  • ランドクルーザー(欧州・米・オセアニア・東南アジア・南アフリカなど)
  • FJクルーザー(米) - 日本未発売
  • ハイランダー(米) - 日本名:クルーガー
  • ハイランダーハイブリッド(米・中国)2代目 - 日本未発売
  • 4ランナー(米) - 日本名:ハイラックスサーフ
  • セコイア(米) - 日本未発売
  • タコマ(米) - 日本未発売
  • タンドラ(米) - 日本未発売

[編集] レクサスブランド

  • LS(欧州・米・オセアニア・中国・東南アジア・南アフリカなど) - 日本名:セルシオ
  • GS(欧州・北・オセアニア・中国・東南アジア・南アフリカなど) - 日本名:アリスト
  • ES(欧州・米・オセアニア・中国・東南アジア・南アフリカなど) - 日本名:ウインダム
  • IS(欧州・米・オセアニア・中国・東南アジア・南アフリカなど) - 日本名:アルテッツァ
  • SC(欧州・米・オセアニア・中国・東南アジア・南アフリカなど) - 日本名:ソアラ
  • RX(欧州・米・オセアニア・中国・東南アジア・南アフリカなど) - 日本名:ハリアー
  • GX(北米専売) - 日本名:ランドクルーザープラド
  • LX(北米専売) - 日本名:ランドクルーザーシグナス

[編集] サイオンブランド

  • xA(北米専売) - 日本名:ist
  • xB(北米専売) - 日本名:bB(初代)
  • tC(米) - 日本未発売

[編集] 日産

日産自動車広報によると、日産において、で販売される車両は「グローバルカー」であり、世界戦略車として定義されるには、さらに中国などのアジア諸国やロシア、その他の新興国など幅広い地域で販売されていることが条件となる[1]

なお、日産はほとんどの車種を日本以外でも発売しており、日本のみで販売しているのは軽自動車などのOEM車、フラッグシップのプレジデント、タクシー専用のクルーのみである。日産自動車のプレスルームで世界戦略車とされているのは以下の車である。

また、ムラーノのように、本来は北米専売車種として開発されたものが最終的に全世界で販売される例も存在する[1]。また、明言されてはいないが、ティーダ/ティーダラティオなども日産における世界戦略車の定義に当てはまり、さらに、リヴィナ・リヴィナジェニスについては現在日・米・欧・露では販売されていない。

[編集] ホンダ

北米で非常に人気が高い。海外に多数の工場を持ち、現地で生産する車種も多い。

[編集] ホンダブランド

[編集] アキュラブランド

[編集] 三菱

三菱自動車では、軽自動車以外のほとんどの車種を世界で発売している。そのため、ほとんどの車は世界戦略車といえる。 最近では、モデルチェンジの際に日本独自であった車名を世界共通の車名へ変更することが多い(例:エアトレックアウトランダー)。

[編集] マツダ

フォード傘下であり、米国でもフォードブランドとして愛用者は多い。欧州でもマツダのクルマは評価が高く、今後さらなる展開が見込まれる。

[編集] スズキ

スズキの場合は、世界市場をターゲットに開発されたモデルを世界戦略車と位置づけている。その第一弾がスイフトであり、以後グランドビタラ(エスクード)、SX4、スプラッシュ、Aスターなどが順次発表されている。欧州では、同じGMグループに属するオペルフィアットOEM供給して販売している。フィレンツァ、ヴェローナなどは逆にGM大宇の製品をOEM供給してもらい、スズキブランドで販売している。

[編集] スバル

過去においてスバルは、日本国内でも海外でも独自の技術に対する特定の熱狂的ファンが支持していたが、近年は普遍化し、一般の顧客層が増え順調である。

[編集] いすゞ

過去には乗用車も生産しており、現在も一部の熱狂的ファンは存在する。現在はトラック・バス・SUVのみとなった。

[編集] ゼネラルモーターズ (GM)

1970年代から、GMの欧州拠点(オペル)で開発したモデルを世界的に展開させてきていたが、2000年代に入り、韓国のGM大宇 (GMDAT) が開発したモデルも世界戦略車のラインナップに加わっている。

[編集] 脚注

  1. ^ a b driver 2009年2-5号より

最終更新 2009年7月8日 (水) 11:05 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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