体育

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体育(たいいく)は、学校における授業教科または科目の1つである。スポーツなどの各種の運動を通じて、心身の健やかな成長をねらうと共に、自己ののしくみなども学ぶ。

保健の分野・科目と一緒にして保健体育とされることもあり、学校の教科としては、小学校では「体育」、中学校では「保健体育」、高等学校では普通教育に関する教科(普通教科)として「保健体育」が、専門教育に関する教科(専門教科)として「体育」が存在している。保健では性教育環境福祉家族に関する教育が行なわれる。

体育は、英語のphysical education(身体教育)の訳語として戦後の教育改革において新しく導入された科目である。保健体育はphysical and health educationの訳語である。(しかし、東京大学大学院教育学研究科では、保健体育研究室と名のらずに、身体教育学研究室としている。)

おおまかな教育目標は、各学校種ごとに学習指導要領で定められており、例えば、高等学校の普通教科「保健体育」については、「と体を一体としてとらえ、健康安全や運動についての理解と運動の合理的な実践を通して、生涯にわたって計画的に運動に親しむ資質や能力を育てるとともに、健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り、明るく豊かで活力ある生活を営む態度を育てる」と規定されている。

目次

[編集] 体育(小学校)

[編集] 目標

運動技能を経験によって獲得し、健康・安全に関する知識を身につける。これによって運動能力の習得と体力向上、生活態度の育成を目指す。

学年目標は低学年中学年高学年の3段階に分けられている。

低学年ではルールの遵守や協調性を重視した内容となっており、以後の活動の根幹を成す。中学年から「保健」の単元が加わり、座学による知識の習得が求められる。高学年には記録への挑戦が求められている。

[編集] 内容

体育の副読本には多数の競技種目が紹介されているが、学習指導要領で必修と定めている種目は意外に少ない。あえて種目を明確にしないことで、学級の実態に応じた場の工夫やローカルルールの設定が可能となる。また、「タグラグビー」や「30人31脚」などの新種目も取り入れることができる。

[編集] 基本の運動

低学年・中学年に設定された内容で、高学年では細分化されてB以降の内容に包含されている。また、中学年からは低学年の内容に盛り込まれた「~遊び」の文言がはずされ、競技に踏み込んでいる。遊び・競技を通じて体力向上を図るとともに、競争意欲を高める一方で相手の健闘をたたえるスポーツマンシップやマナー・ルールの習得を目指す。

  • 「走・跳の運動」 徒競走や幅跳びなどの陸上競技をはじめとした基本運動。
  • 「力試しの運動」 相撲に類似したゲームをはじめとした、筋力増強につながる運動。
  • 「器械・器具を使っての運動」 跳び箱鉄棒マットをはじめとした器械体操につながる全身の巧緻性を高める運動。
  • 「用具を操作する運動」 縄跳び竹馬一輪車をはじめとした手具操作技巧を高める運動。
  • 「水遊び」 水泳の前段階にいたる低学年の運動。中学年では3年生のみ「浮く・泳ぐ運動」として実施し、4年生から「水泳」として独立する。
  • 「表現リズム遊び」 低学年で実施されるダンス・物まね遊びなどの全身表現活動。中学年からは「表現」として独立する。

基本的に個人競技を取り扱うが、記録の競い合いや運動補助などの助け合いを通じた児童相互の交流活動も積極的に進められる。

[編集] ゲーム

低学年・中学年に設定された内容で、高学年では細分化されてB以降の内容に独立している。集団遊びや球技を通じ、体力向上を図るとともに、ローカルルールの創造やチームワークの涵養などの内面性を養成する。

  • 「鬼遊び」 低学年で実施し、「鬼ごっこ」のバリエーション(高鬼・影踏み・警泥など)を通じて目標達成を目指す。
  • 「ボールゲーム」 「転がしドッジボール」・「ミニサッカー」など低学年で実施し、球技の基本事項と技能を身につける。中学年では以下の競技に細分化される。
  • 「バスケットボール型ゲーム」 中学年で実施。「ポートボール」をはじめ本格的なバスケットボールや3オン3などに発展させることが可能である。
  • 「サッカー型ゲーム」 中学年で実施。ヘディングを用いない・シュートはグラウンダーで…など初心者向きのローカルルールが用いられることが多い。
  • 「ベースボール型ゲーム」 中学年で実施。ハンドベースボールや三角ベースなどの導入ゲームが主に行われる。

集団競技であるため、チームワークや作戦構想などが養われる。一方で、運動が苦手な児童への攻撃も置きやすい種目であり、ローカルルールやハンデ戦などによる擁護が必要とされる。

[編集] 器械運動

4年生より実施され、3年生は「器械・器具を使っての運動」に包含される。跳び箱の支持飛び越し(いわゆる開脚跳び)は4年生より必修。鉄棒マット運動では連続技の習得が明記されている。なお、平均台は「基本の運動」に用いられ、器械運動としては用いないが、要領上は禁止項目には上がっていない。

  • 鉄棒運動 「逆上がり」が盛んに行われ、補助器具も多数開発されているが、実は必修と明記された技はない。習慣的に上り技は逆上がり・足掛け上がり、回り技は前方支持回転・後方支持回転・後方足掛け回転・前方足掛け回転、降り技は後方飛び降り・前方踏み越し降りが盛んに取り入れられる。ダイナミックなこうもり振り飛び降りは得意とする児童に人気がある。
  • マット運動 「側転」の通称で知られる「側方支持回転」や倒立系の技に人気があるが、これも指導要領の上では必修ではない。慣習的に、中学年では開脚前後転と側転が加わることが多い。高学年では倒立系に加えて、飛び込み前転や伸膝前後転などのスピードを要する技やハンドスプリングも実施される。
  • 跳び箱運動 「開脚跳び」の通称がある支持飛び越しは、器械運動の項目で唯一の必修事項。ほかに飛び越し技としては閉脚跳びも多用される。マット運動と組み合わせた台上前転やヘッドスプリングも実施される。

いずれも瞬間的に特定部位へ負担がかかる競技であるため、安全策を要求される。児童一人一人への注意喚起のみならず、指導者の場の工夫も必要である。

[編集] 水泳

中学年後期の4年生から本格的に実施となる。実際は3年生の「浮く・泳ぐ運動」の段階から競技型水泳に着手していることが多い。寒冷地や水泳設備のない学校では取り扱わないことがある。「クロール」および「平泳ぎ」が必修で、学校によっては「背泳ぎ」の導入も可能である。スタートは指導することが義務付けられているが、プールの水深が浅く、過去に事故が多発していることから「逆飛び込み」は学校裁量で実施しないことがほとんどであり、水中からのキックスタートが主流である。ターン技術は特に明記がないので、クイックターンができない児童が多い。近年はタイムより距離を重視する傾向にある。また、安全指導の観点から「着衣泳」を学校裁量で実施するケースが増えている。

[編集] 表現運動

「表現運動」と「フォークダンス」が必修となっている。それぞれ拡大解釈して「組体操」・「民謡」も広く実施され、運動会の花形競技でもある。しかし表現運動に費やす時間が運動会練習に消費されたり、「ロックソーラン」を始めとした人気演舞に集中する弊害が取りざたされている。

[編集] 陸上運動

高学年になって初めて競技ルールに沿った陸上運動として独立する。「短距離走」・「リレー」・「ハードル走」・「走り幅跳び」・「走り高跳び」が必修種目として挙げられており、冬場に盛んに行われる「持久走」は必修ではない。球技と並んで平均化を狙ったバリエーションが多く、10秒で走れる距離を競う10秒走、遅い子の走る距離を短くするハンデリレーなどが取り入れられることもある。ハードルや高飛びの恐怖心を緩和するために、ゴムひもを代用するケースも広く用いられている。走り高跳びの恐怖心を緩和するためにハードルを代用して練習するケースもある。

[編集] ボール運動

高学年になって初めて競技ルールに沿った球技として独立する。「バスケットボール」・「サッカー」が必修で、「ソフトボール」または「ソフトバレーボール」が選択種目であるが、地域の実態に応じて「ハンドボール」などの種目に差し替えが認められている。実際は競技ルールを遵守した活動は難しいため、ローカルルールによる人数調整やハンデの導入が多い。

[編集] 体つくり運動

高学年のみ実施。技能のみならず知識を集約したもので、平成元年度要領より採用された。「体ほぐしの運動」と「体力を高める運動」の二部構成。前者は個人のウォーミングアップ・クールダウンや児童相互のよりよいスキンシップの構築などを目指す。後者は各種運動の向上を図る。単独で実施することは少なく、主要種目の前後に実施することが多い。

[編集] 保健

平成元年度指導要領までは、高学年で実施していたが、現行要領からは中学年からの実施となった。

  • 3年生の内容 健康な生活(食事・運動・休養・睡眠の・清潔・生活環境)
  • 4年生の内容 体の変化(発育=食事・運動・休養・睡眠、性徴=初経・精通)
  • 5年生の内容 けがの防止・手当・環境整備・心の健康
  • 6年生の内容 病気の予防(喫煙・飲酒・薬物(有機溶剤と覚せい剤)乱用の防止)。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年10月30日 (金) 12:01 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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