円筒分水
円筒分水の最新ニュースをまとめて検索!
円筒分水(えんとうぶんすい)は、農業用水などを一定の割合で正確に分配するために用いられる利水施設。円筒状の設備の中心部に用水を湧き出させ、円筒外周部から越流、落下する際に一定の割合に分割される仕組みとなっている。地域によっては「円形分水」(えんけいぶんすい)とも呼ばれる。
通潤橋へ分水している「円形分水」(2007年6月10日撮影)
音無井路十二号分水。大分県竹田市
修復のため、水を抜かれた久地円筒分水
|
目次 |
[編集] 構造
サイフォンの原理などを利用して円筒中心部に水を導き、その水が円筒外縁部を越流する際に外縁部に設けた仕切りで分配するものや、外縁部に設けた穴の数によって分配するものなどがある。
右図は外縁部を越流させる構造の場合を図示したもので、外縁部に設ける仕切りの間隔と同比率で、用水が正確に分配される。 仕切りの間隔により、分水比が一目瞭然であり、誰にでも公平さが納得できる機能美を併せ持つといえる。 これにより水争いに平和をもたらした、という説に納得させられる。
[編集] 歴史
水田耕作が主体であった日本では、各地で農業用水の確保にまつわる喧騒が絶えず、農業用水の正確な分水は長く懸案であった。そこで、大正年間より各地で似た構造の分水樋が考案され、造られはじめた。
当初は高低差を利用して導水する方式のものが造られたが、1934(昭和 9)年になると福島県や長野県などで地下から吹き上げる方式のものが造られるようになった。ただし長野県に造られた施設では円筒を使わず、分水樋の中央に吹き上げられた水が放射状に拡がる原理を利用したもので、流水量に偏りが生じるといった欠点もあった。
二ヶ領用水の神奈川県川崎市高津区久地にあった分水樋が改修される際、上記の欠点を克服するために、円筒状に組んだコンクリート設備の中心にサイフォンの原理で導水し、円筒を越流させて分水する方式が考案され、1941(昭和16)年に造られたものが久地円筒分水(国登録有形文化財)である。この方式により平地の用水路でも正確な分水を実現できたため、以降、同様の方式のものが全国各地に造られるようになった。
[編集] 現存する初期円筒分水
- 信濃川水系
- 四ヶ堰円筒分水(長野県塩尻市)1934年(昭和9年)
- 大野川水系
- 天竜川水系
- 西天竜幹線水路円筒分水群(長野県上伊那郡箕輪町、南箕輪村、伊那市)
- 艶三郎の井水系
- 横井清水(艶三郎の井)(長野県上伊那郡) 1895年発見の地下水脈からの湧水
[編集] 関連項目
- 久地円筒分水で使われている仕組みを説明する模型が常設展示されている。
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月19日 (木) 08:42 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【円筒分水】変更履歴







