大阪市営地下鉄今里筋線

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大阪市営地下鉄今里筋線
今里筋線を走る80系電車
今里筋線を走る80系電車
大阪市営地下鉄今里筋線の路線図
路線番号 8
路線総延長 11.9 km
軌間 1435 mm
電圧 1500 V 架空電車線方式 (直流)
最高速度 70 km/h
停車場・施設・接続路線
tKBHFa
0.0 I11 井高野駅
tKRZ
JR東海東海道新幹線
tBHF
0.9 I12 瑞光四丁目駅
tBHF
1.9 I13 だいどう豊里駅
tWSTR
淀川
tSTRrg
tBHFq + HUB81
tBHFq + HUB81
tBHFq
tKRZt
谷町線
LUECKE HUB62
tBHF + HUB82
tBHF + HUB82
tBHF
3.7 I14 太子橋今市駅 T13
LUECKE STRrg tKRZ
京阪京阪本線
LUECKE LUECKE tBHF
4.9 I15 清水駅
LUECKE LUECKE tSTR tSTRrg
長堀鶴見緑地線
LUECKE LUECKE tSTR tHST
鶴見緑地駅
LUECKE LUECKE tABZlf tDSTq tABZrf
鶴見緑地北車庫
LUECKE LUECKE tBHF LUECKE
5.8 I16 新森古市駅
tSTR STRlf tKRZ STRlg LUECKE
tHST tSTR STR LUECKE
関目高殿駅
tSTR tBHF BHF LUECKE
7.1 I17 関目成育駅 /右:関目駅
tSTRrf tSTR STR LUECKE
谷町線
STRq tKRZ STRrf LUECKE
京阪:京阪本線
tBHF + HUB84
tBHF + HUB84
tBHF
HUB64 LUECKE
8.5 I18 蒲生四丁目駅 N23
tKRZt
tBHFq + HUB83
tBHFq + HUB83
tBHFq
tSTRrf
長堀鶴見緑地線
STRlg tSTR
JR西城東貨物線
STR HUB63
tBHF + HUB82
tBHF + HUB82
tBHF
9.4 I19 鴫野駅
ABZ3lf
BHFq + HUB83
BHFq + HUB83
BHFq
tKRZ
JR西:片町線(学研都市線)
tBHF + HUB84
tBHF + HUB84
tBHF
HUB64
10.6 I20 緑橋駅 C20
tKRZt
tBHFq + HUB83
tBHFq + HUB83
tBHFq
中央線
tSTR
tKBHFe + HUB81
tKBHFe + HUB81
tKBHFe
11.9 I21 今里駅 S20
tBHFq + HUB83
tBHFq + HUB83
tBHFq
千日前線
今里筋線仕様の改札(今里駅)
可動式ホーム柵(今里駅)
エレベーター(井高野駅)
開業初日の装飾

今里筋線(いまざとすじせん)は、大阪府大阪市東淀川区井高野駅から東成区今里駅までを結ぶ大阪市営地下鉄の路線。正式名称は高速電気軌道第8号線大阪市交通局では大阪市高速鉄道第8号線と称し『鉄道要覧』では8号線(今里筋線)と記載されている。駅番号を表す際に用いられる路線記号は「I」。2006年(平成18年)12月24日に開業した。

ラインカラーは暖さをイメージした柑子色(ゴールデンオレンジ、マンセル記号5YR6.5/14 )である。

目次

[編集] 概要

長堀鶴見緑地線と同じく、従来の車両より2割ほど断面積の小さい鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄を採用し、ワンマン運転を実施している。

国道479号(大阪内環状線)、国道163号国道1号京阪国道)、今里筋市道大阪環状線(都市計画道路森小路大和川線))の地下を走り、大阪市東部を南北に縦断して、放射状に延びる地下鉄路線や京阪本線片町線(学研都市線)などと連絡する。

淀川を地下トンネルで潜る鉄道路線としてはJR東西線に次ぐ路線である(大阪市営地下鉄としては初)。JR大阪環状線の内側を通らない初の地下鉄路線であり、御堂筋線との直接の乗換駅が一切ない唯一の地下鉄路線でもある。大阪市内完結路線ではなく、途中の太子橋今市駅付近では守口市も通る。沿線は住宅地が多い。

駅ホームには大阪市営地下鉄で初となる可動式ホーム柵(車両扉と連動、高さ約1.3m)が設置されている。ホームの乗降部分は1mm単位で上下前後に調整できる仕組みとなっており、ホームと車両の隙間は他の駅と比べて極めて小さくなっている。また、駅構内にはオストメイト対応トイレを男女それぞれ1箇所ずつ設置しており、急患患者の搬送にも対応した大型エレベーターも太子橋今市駅を除き2か所設置している。

建設費を圧縮するため、設計が極力共通化されている。ホームのデザインも共通化されている部分が多く、長堀鶴見緑地線が各駅ごとに異なる装飾を施しているのとは対照的である。

今里筋線単独駅の改札、あるいは既存駅で今里筋線に関して新設された改札には、上部に現時刻・発車時刻・列車接近を案内するモニターが備えられている。ホームにも同様のものがあるが、発車時刻は表示されない。

多くの駅で駅構内と一体となった地下駐輪場が併設されている。また、今里筋線単独駅あるいは既存駅で今里筋線開通に関して新設された駅出入口は、遠くからでも目立つように、オレンジ色のゲートを設置しているものが多い。

今後、今里筋の地下を今里から湯里六丁目まで延伸することが計画されている(詳細は後述)。

[編集] 路線データ

  • 路線距離(実キロ):11.9km
  • 軌間:1435mm
  • 駅数:11駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線(直流1500V・架空電車線方式
  • 閉塞方式:車内信号式 (CS-ATC, TASC)
  • 最高速度:70km/h
  • 編成両数:4両(2006年 - )
  • ホーム最大編成両数:6両
  • 混雑率(井高野方面行き):51%(2008年度:鴫野→蒲生四丁目間)
  • 混雑率(今里方面行き):59%(2008年度:鴫野→緑橋間)

[編集] 運行形態

ほとんどの列車が井高野 - 今里の通しで運転され、朝夕時のみ井高野 - 清水の区間列車が設定されている。本数は、全線通しの列車が平日はラッシュ時が1時間に11 - 15本、昼間時が1時間に7 - 8本(おおむね8分毎)、土曜・休日は朝夕時が9 - 10本、昼間時が7 - 8本(おおむね8分毎)。また、井高野 - 清水の区間列車は平日で午前7本、午後5本、土曜・休日で午前3本、午後2本運転されている。このほかにも、平日のみ清水→今里の区間列車が午前2本運転されている。

清水駅と新森古市駅の間より、鶴見緑地(花博記念公園)へも掘削を行い、車両基地(鶴見緑地北車庫)を建設した。およそ1km先に長堀鶴見緑地線の鶴見緑地駅があるため、この間を接続して同線の工場(鶴見検車場)を共用する。専用の車両工場を持たない他の大阪市営地下鉄の路線としては、千日前線の車両を中央線の森之宮検車場に配置している例がある。

[編集] 車両

[編集] 利用状況

今里筋線開業にともない、今里 - 関目成育間の地上を走る大阪市営バスの本数が減らされたが、今里筋線の駅間隔が比較的広いことや、駅にエレベーターやエスカレーターが設置されているものの、地上から電車に乗るまで距離があり歩くことを嫌う乗客が、手軽に乗れる地上を走るバス(1時間に2 - 3本程度運行)を使うことがある。

既設線との関係により、より深いところに敷設したために乗り換え駅での移動が長くなっている。当初、大阪経済大学関係者の利用(最寄り駅・瑞光四丁目)が見込まれていたものの、梅田方面へは太子橋今市で谷町線に乗り換えが必要で、太子橋今市での乗り換えは移動が大変であり、梅田まで直接行ける阪急京都本線上新庄駅の方が便利なため、利用者数が伸び悩んでいる(運賃も上新庄駅から梅田駅まで180円であるのに対し、瑞光四丁目駅から東梅田駅までは270円と阪急利用のほうが安い)。また、本数は減便されたものの市営バスが競合しており、均一料金で細かく停留所があるため、今里筋線の利用者が少ないようである。4両という短い編成でありながら終日、全線に亘って座席が埋まることは少ない。

  • 2007年3月1日、今里筋線の1日あたりの利用者数(乗り換え人員を含めた全駅調査)が予想(約12万人)の3分の1以下(約3万7,000人)であることが判明した。
  • 2007年6月15日、4月末に行った調査で、他の地下鉄路線と接続していない7駅の利用者数が、1日平均約4万5,000人であることが判明した。

[編集] 歴史

地下鉄今里筋線が通る今里筋には、1957年からトロリーバスが運行され、大阪市電と連携して大阪市内東部と都心部を結ぶ役割を担っていた。しかしモータリゼーションの進展で自動車交通量が増加したためトロリーバスは1969年には廃止に追い込まれ、代わって市バスがその役割を継承したが、渋滞に悩まされない交通機関として、また放射鉄道路線を補完する鉄道路線として、新たな地下鉄の建設が計画された。

1989年運輸政策審議会第10号答申で、今後整備を検討すべき路線として上新庄 - 湯里六丁目間が示された。その後、上新庄までの経路となる国道479号(大阪内環状線)と東海道新幹線との交点(大隅1交差点)の地下構造物が支障することが判明したため、起点を1996年に当時東淀川区内でも住宅開発が進み人口が急増していた井高野に変更、1999年に井高野 - 今里間の軌道事業特許を受けて翌2000年3月に着工され、2006年12月24日正午に開業した。残る今里 - 湯里六丁目間は後述する経緯から事実上凍結となっており未着手である。

  • 2006年(平成18年)7月6日 愛称・駅名が正式決定。
  • 2006年(平成18年)12月24日 井高野 - 今里間(11.9km)が開業。

※上記のキロ数は実キロ

[編集] 建設

建設区間には非常に難所も多く、なかなか工事が捗らなかった。

  • 既設の路線や地下埋設物を避けるためほぼ全線に渡り地下10m以上の深度で走り、特に寝屋川第二寝屋川の真下では地下30m以上の大深度を走る(第二寝屋川の下を潜る鴫野駅 - 緑橋駅では大阪市営地下鉄で最も深い地下37m地点がある)。そのため、既存路線と比較して急勾配区間が多いのも特徴である。
  • 今里筋線が走る区間の地層は、水分が多く軟らかい「超軟弱粘土層」であり、ブルドーザーの身動きがとれなくなることも多かった。地盤を安定させるため、吸水効果のある円柱型の石灰のくいを多数打ち込んだものの、その効果はあまりなかった。
  • 道幅の狭い道路の下も走る。特に道路幅員が8mしかない瑞光四丁目駅 - だいどう豊里駅間では、大阪市営地下鉄ではほとんど前例のない、トンネルを上下に掘り進める工法を採用した。
  • 清水駅 - 新森古市駅 - 関目成育駅間には急カーブが存在し、特に清水駅 - 新森古市駅間の緑1交差点地下には日本の地下鉄で最も急なカーブ(曲線半径83m)がある。この区間では時速30km/h程度に減速して走行する。

これらの影響もあり、ミニ地下鉄の採用で工事全体のコストを2/3近くまで圧縮したとはいえ、建設費は約2,718億円(井高野駅 - 今里駅)にも上った。

[編集] 延伸区間の工事着工問題

2006年に開業した井高野駅から今里駅までの区間で事業費が2,718億円かかっており、今里駅から湯里六丁目駅までの延伸を行うと、さらに調査費用や工事建設など1,320億円程度の費用がかかってしまうことから、大阪市の財政負担をさらに増やすことになるため、当時の關淳一大阪市長2005年11月に実施された市長選挙での公約でこの延伸区間の工事着工を見直すことを掲げていた。

同年11月28日、再選された關市長は今里駅から湯里六丁目駅(東住吉区)の延伸区間について、大阪市の財政面の問題から当初予定していた2006年度中の着工・2016年度の開業の予定を凍結することを決め、少なくとも1年間以上かけて延伸を実施するか否かを判断する予定である。これに伴い、この区間の鉄道事業許可申請も当面延期する。2006年に開業した北半分が採算ベースに乗るような利用状況になれば、南半分の延伸の実施も現実味を帯びて来る可能性があるが、同じく「平成新線」として誕生し、市内中心部を通る長堀鶴見緑地線が全通して10年近く経つ2007年時点でも、厳しい利用状況(2004年度:約-108億3200万円)となっているため、市内中心部を通らない今里筋線の採算性はきわめて低いとされている。さらに、大阪市はそれまでの交通局を公設民営化する方針から急遽転換して『株式上場も視野に入れた完全民営化』する方針を打ち出したため、これが実現した際には、延伸はほぼ実現不可能となる公算がきわめて高かった。

ところが2007年11月に実施された市長選挙で平松邦夫が当選し、平松市長は当面現行の地方公営企業のままとし、任期中に住民投票条例を制定した上で民営化の是非をはかると公約しており今後注目される。

今里筋線は今里駅から南側への延伸のほかに、井高野駅からも阪急京都本線正雀摂津市・一部吹田市)、JR京都線岸辺(吹田市)、千里丘(摂津市)方面への延伸が考えられている(起点である井高野駅の工事起点が3.3kmとなっており、井高野駅より北3.3kmの所にちょうど千里丘駅がある)ほか、江坂へ延伸し御堂筋線と連絡させる声や北大阪急行電鉄桃山台万博記念公園(いずれも吹田市)方面への延伸を推す声もある。しかし、南側延伸同様の理由のほかに、大阪市を越境してしまうことから、こちらも延伸は難しいものと見られている。

[編集] 未完の構想・答申・計画路線

区間は構想・答申・計画が出された時点において未完のものを示す。

  • 鉄道網整備調査委員会(大阪府・大阪市の合同構想)(1982年2月)
    • 路線名:森小路大和川線
    • 区間:太子橋今市 - 緑橋 - 湯里六丁目
    • キロ程:15km
  • 運輸政策審議会答申10号(1989年5月31日)
    • 区間:上新庄 - 太子橋今市 - 湯里六丁目
    • 答申内容:今後路線整備について検討すべき区間。
    • ※前述した通り、建設にあたり起点は井高野に変更されている。
  • 近畿地方交通審議会答申8号(2004年10月8日)
    • 区間:今里 - 湯里六丁目
    • キロ程:6.7km
    • 答申内容:中期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線。

[編集] 駅一覧

全駅大阪府大阪市に所在[* 1]

駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 所在地
I11 井高野駅 - 0.0   東淀川区
I12 瑞光四丁目駅
(大阪経大前)
0.9 0.9  
I13 だいどう豊里駅 1.0 1.9  
I14 太子橋今市駅 1.8 3.7 大阪市営地下鉄谷町線 (T13) 旭区[* 1]
I15 清水駅 1.2 4.9  
I16 新森古市駅 0.9 5.8  
I17 関目成育駅[* 2] 1.3 7.1 京阪電気鉄道京阪本線関目駅 城東区
I18 蒲生四丁目駅 1.4 8.5 大阪市営地下鉄:長堀鶴見緑地線 (N23)
I19 鴫野駅 0.9 9.4 西日本旅客鉄道片町線(学研都市線)
I20 緑橋駅 1.2 10.6 大阪市営地下鉄:中央線 (C20) 東成区
I21 今里駅 1.3 11.9 大阪市営地下鉄:千日前線 (S20)
  1. ^ 太子橋今市駅の所在地は大阪市旭区とされているが、駅施設の大部分(今里筋線部分については全体)が隣接する守口市内に設けられている。
  2. ^ 関目成育駅は国道1号線地下の京阪本線(関目駅付近)と交差する位置にあり、地下埋設物がある関係で、上下線のホームが地下2階と地下3階に分離して配置される。同駅が「関目成育」駅の名称となったのは谷町線に関目高殿駅があり、混同を避けるためである。

[編集] 輸送実績

調査年月日 乗車人員(人)   降車人員(人)
定期利用 定期外利用 合計 定期利用 定期外利用 合計
2007年11月13日 6,666 9,963 16,629   6,575 9,690 16,265

[編集] 駅別乗降人員

[編集] 2007年11月13日調査結果

駅名 乗車人員(人)   降車人員(人)
定期利用 定期外利用 合計 定期利用 定期外利用 合計
井高野 883 1,198 2,081   840 1,176 2,016
瑞光四丁目 1,400 1,343 2,743   1,409 1,304 2,713
だいどう豊里 1,074 1,689 2,763   1,040 1,610 2,650
太子橋今市*1 2,585 2,782 5,367   2,602 2,644 5,246
清水 563 1,082 1,645   537 1,056 1,593
新森古市 949 1,282 2,231   949 1,223 2,172
関目成育 647 1,373 2,020   664 1,371 2,035
蒲生四丁目*2 2,763 4,456 7,219   2,691 4,100 6,791
鴫野 1,150 1,996 3,146   1,136 1,950 3,086
緑橋*3 4,195 5,535 9,730   4,098 5,211 9,309
今里*4 4,130 6,052 10,182   4,032 5,592 9,624
  1. 谷町線を含む。
  2. 長堀鶴見緑地線を含む。
  3. 中央線を含む。
  4. 千日前線を含む。

[編集] 2008年11月11日調査結果

駅名 乗車人員(人)   降車人員(人)
定期利用 定期外利用 合計 定期利用 定期外利用 合計
井高野 2,340   2,250
瑞光四丁目 3,160   3,134
だいどう豊里 3,344   3,165
太子橋今市*1 5,666   5,579
清水 1,881   1,826
新森古市 2,631   2,625
関目成育 2,504   2,435
蒲生四丁目*2 7,683   7,382
鴫野 3,536   3,435
緑橋*3 9,803   9,382
今里*4 10,003   9,610
  1. 谷町線を含む。
  2. 長堀鶴見緑地線を含む。
  3. 中央線を含む。
  4. 千日前線を含む。

[編集] 関連商品

  • 2006年8月26日から80系のBトレインショーティーが発売され、好評のためすぐに完売となったが、12月15日に開業記念商品として再発売された。このとき販売された製品には、付属のシールに「井高野」「今里」「清水」が加わっている。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月17日 (火) 14:00 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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