教習車
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教習車(きょうしゅうしゃ)とは、自動車教習に使われる自動車、オートバイの事。
目次 |
[編集] 概要
自動車教習所の指導員が教習を円滑に行えるよう、運転手が行っている操作の状況を確認するための各種機器や、緊急事態回避のため補助ブレーキなどを装備した車両である。
運転免許試験場の技能試験に用いられる試験車は、教習車と構造は同一であるが、日本では試験車は警察庁の車両基準により、車種、車体の寸法、排気量(自動二輪車のみ)などが細かく規定されており、規定を満たさない車両を試験に用いる事はできない。なお、教習所の卒業検定に使われる車両も、この規定が準拠となる。
[編集] 自動車
助手席足元に補助ブレーキペダル、インパネ周りに方向指示器・ブレーキランプに連動するランプと運転席側からは見えないデジタル式速度計、ミラーは車内にルームミラーがもう1つ、フェンダーミラーやドアミラー上部にはアウトサイドミラーという、指導員(検定員)用のミラーが付く。
日本では特種用途自動車として扱われるため、8ナンバーとなる。
[編集] 日本
[編集] 普通自動車
形は4ドアセダンが主流である。技能試験および技能検定に使う普通自動車は、道路交通法施行規則第二十四条により「乗車定員5人以上の専ら人を運搬する構造の普通自動車で長さが4,400mm以上、幅が1,690mm以上、軸距が2,500mm以上、輪距が1,300mm以上のもの」とされている。[1]3ナンバーサイズでも問題はないが、依然として5ナンバーサイズ[2]のセダン型自動車が主流である[3]。かつてはクラウン、セドリック、ルーチェなどの5ナンバーサイズの高級セダンが主に使用されてきたが、これらの車が3ナンバーサイズに拡大された事から、近年はMTの設定があり5ナンバーサイズのまま販売されているタクシー系車両(コンフォート、クルー)への変更も多くなっている。全長が前述の施行規則の基準を満たさない車両は、メーカー段階で北米輸出仕様の大型バンパーを装着して基準を満たし、教習車仕様として販売していた[4]。普通の教習ではこの限りではないものと考えられる。しかし、最近では5ナンバーサイズのセダンが減少したり、製造を中止したメーカーもあり、アクセラや現行シビックなど3ナンバー車にも教習車仕様が設定され、それを使っているところもある。
かつてはフェンダーミラーが主流であったが、現在発売されている乗用車ではドアミラーが主流であるため、最近では教習車もドアミラーが主流になり、フェンダーミラーの設定がない車種もある。
駆動方式は後輪駆動が多かったが、市販の乗用車が前輪駆動が主流となり、一般乗用車では後輪駆動車自体ないメーカーも珍しくない昨今では、教習車も前輪駆動車を採用するところがほとんどである。
教習車は燃費の面で有利なディーゼル車やLPG車が多く使用されてきたが、近年は1800cc-2000ccクラスのガソリン車を導入しているところもある。ちなみに、公安委員会「指定」教習所の教習車はガソリン税(揮発油税)・軽油引取税を免除されている[5]。ディーゼルMT車はガソリンMT車に比べてエンストしにくいため教えやすいが、卒業後にガソリンMT車に乗ればエンストに戸惑うといったデメリットもある。
オートマチック車で教習を行なう際は、多く4AT、5ATの車を使用する。しかし、現在はオートマチックに加えて無段変速機の車も普及しており、AT教習用にCVT車両を使う教習所も出始めている。
高速教習を行う場合は、変速操作のミスなどによる事故を防ぐため、多くの教習所ではMT免許を取得する場合もオートマチック車を使用しているが、現在もMT車を使用している教習所も若干存在する。エアバッグやABS、ETCが装備されている場合が多い。また、高速教習には、下記のような高級車が用いられることもある。これは高速道路への本線合流の際には、加速性能に余裕がある車種の方が望ましいといった事情もある。高速道路に交通規制が生じたり、所在地に高速道路がない場合には、高速教習はドライビングシミュレーターで行われる。
一時期、受講者を増やすためにSUVやミニバン、輸入車を使用する自動車教習所も現れた。高速教習のみそれらを使う教習所もある。輸入車ではBMW・3シリーズ、メルセデス・ベンツCクラスなどが使われる。危険予測教習でSUVを使う教習所もある。
また、環境問題に対する意識の高まりを受けてプリウス等のハイブリッド車を導入しているところもある[6]。かつての「ハイソカー」ブームの時代にはマークII三姉妹やローレルが教習車として大量に投入されていた[7]。変わったところでは、高速教習にレクサス車[8]・12代目クラウン[9]を使うところもある。
[編集] 教習車仕様として現在メーカーから発売されている車種
[編集] 過去に教習車仕様がメーカーから発売されていた車種
- トヨタ
- クラウンセダン、マークII、チェイサー、クレスタ、カリーナ、コロナ[11]
- 日産
- セドリックセダン、グロリアセダン、ローレル、スカイライン、 クルー、ブルーバードシルフィ、ブルーバード
- ホンダ
- アコード、シビックフェリオ[12]、ドマーニ
- マツダ
- ルーチェ、カペラ、ファミリア
- 三菱
- ギャラン
- いすゞ
- フローリアン、アスカ
- メルセデス・ベンツ
- 190E、Cクラス
- ボルボ
- 850、S/V70、S40/V50
- BMW
- 3シリーズ
(この他にもメーカーが教習車として発売されていないが、教習車として使われる車種もある。
[編集] 大型・中型自動車
これまでの旧・大型第一種免許教習用車両は、いすゞ・フォワード、日野・レンジャー、日産ディーゼル・コンドル、三菱ふそう・ファイターといった、車体長7m~7.8mクラスのトラックで教習および検定が行われていた(中型ベースのいわゆる「増トン仕様」)が[13]、2007年6月2日の中型自動車免許新設に伴い、それまでの大型教習車は中型教習車[14]となり、法令により中型教習車で路上卒業検定などで他の教習生を乗せるためダブルキャブになっている積載量5トンの新中型教習トラックも新規導入され、荷台にはダミーウエイト(重り)も積載される。大型教習車は日野・プロフィア、三菱ふそう・スーパーグレートのような車体長11m~12mクラスのトラック[15]が使用され、中型同様にダブルキャブ車にダミーウエイトが積載される。
これまでの旧・大型第二種免許教習用車両は、いすゞ・エルガLTなど9mクラスの大型バスや三菱ふそう・エアロミディMKなど9mクラスの中型バスにオーバーフェンダーを装着した車が教習車となっていたが、中型第二種免許新設に伴い9m車は2007年6月から中型第二種運転免許用の教習車両[16]となった。大型第二種教習車は11mクラスの大型バス[17]に移行、一部の自動車教習所では路線バス・観光バスの中古車を改造した車両も存在する。旧制度で大型一種免許を取得した者が大型二種免許を取得しようとする場合、9m車が使用される場合もある。
[編集] 大型特殊自動車
カタピラ車限定、農耕車限定でない場合、基本的にホイールローダーもしくはショベルローダー(後輪操舵もしくは中折れ式)で教習が行われる。
[編集] 牽引自動車
全長8m~11mクラスのセミトレーラーで教習が行われる。トラクター(トレーラーヘッド)に使われる車種は中型第一種運転免許用に使われる車種と同様である。トレーラー(シャーシ)は平ボディを引っ張っているが、上部にゲート(アオリ)のついているものと、ついていないものがある。牽引免許の試験および検定は場内だけのため、ナンバーを取得していないものがほとんどである。
[編集] 自動二輪車
二輪車は計器・制動装置類と連動するランプが装備される。
主にホンダが使われているが、2008年現在は大型二輪の教習に適した1000cc以下の車両がないことからハーレーダビッドソンを導入している教習所もある。2009年現在、CB1300が次世代の大型二輪の教習車と言われている。なおオートマチック限定免許用については、主にスズキが使われているが、これは導入時にスズキが積極的に営業を行った事と、他社に当該車両が存在しなかった背景などがある。なお、2009年現在、大型二輪のオートマチック限定免許は前出のスズキの排気量と同じ650ccまでしか乗ることが出来ない。
[編集] 教習車仕様として現在メーカーから発売されている車種(2009)
- ハーレーダビッドソン
- スポーツスターXL883(大型自動二輪車)
- ホンダ
- CB400SF(普通自動二輪車)、シルバーウイング400(普通二輪AT限定)
- スズキ
- スカイウェイブ650(大型二輪AT限定)、スカイウェイブ400(普通二輪AT限定)、アドレスV125(普通二輪小型AT限定)
- ヤマハ
- XJR1300L(大型自動二輪車)
- BMW
- BMW F800ST(大型自動二輪車)
[編集] 過去に教習車仕様がメーカーから発売されていた車種
[編集] 韓国
大韓民国道路交通法施行規則に技能試験(自動車教習所、運転免許試験場)に使う自動車の車種、車体の寸法、排気量(自動二輪車、原動機付自転車のみ)などが細かく規定されている。[18]
[編集] 普通自動車
第一種普通免許(第一種普通練習免許を含む)
下記の各項目の基準に該当する貨物自動車
- 長さ:465cm以上
- 幅:169cm以上
- 軸距:249cm以上
- 最小回転半径:520cm以上
ヒュンダイ・ポーターあるいはキア・ボンゴの運転教習用が使われている。
第二種普通免許(第二種普通練習免許を含む)
下記の各項目の基準に該当する乗用自動車、あるいは積載重量3トン以下の貨物自動車(一般乗用車と類似したバン型に限る)
- 長さ:397cm以上
- 幅:156cm以上
- 軸距:234cm以上
- 最小回転半径:420cm以上
ヒュンダイ・ヴェルナ、キア・プライドの運転教習用(1.4L)が使われている。
[編集] 大型自動車
下記の各項目の基準に該当する乗車定員30名以上の乗合自動車。
- 長さ:1,015cm以上
- 幅:246cm以上
- 軸距:480cm以上
- 最小回転半径:798cm以上
バスが使われている。周回コースを走行。
[編集] 特殊自動車
[編集] トレーラー
- 牽引自動車
- 制限なし
- 被牽引自動車(トレーラ部分)
- 長さ:1,200cm以上
- 幅:240cm以上
- 軸距:890cm以上
- 最小回転半径:798cm以上
周回コースは走行せず、トレーラー専用のコースを使用。(100点満点で90点以上が合格)
[編集] レッカー
- 牽引自動車
- 長さ:643cm以上
- 幅:219cm以上
- 軸距:379cm以上
- 被牽引自動車(第一種普通免許で使用される技能試験車両と同じ大きさ)
- 長さ:465cm以上
- 幅:169cm以上
- 軸距:249cm以上
- 最小回転半径:520cm以上
技能試験方法はレッカー車#韓国での運転免許を参照。周回コースは走行しない。
[編集] 二輪自動車(第二種小型免許)
排気量200cc以上の自動二輪車。周回コースは走行せず、曲線コース、屈折コース、一本橋、スラローム(100点満点で90点以上が合格)
[編集] 原動機付自転車
排気量49cc以上の原動機付自転車。技能試験方法は第二種小型免許と同じ。(100点満点で90点以上が合格)
[編集] 脚注
- ^ 1960年12月20日の道路交通法施行規則制定で、最大積載量1,500kg以上の普通自動車または乗車定員6人以上の普通乗用自動車と定められる。1965年9月1日から最大積載量1,500kg以上の普通自動車が削除され、乗車定員6人以上の普通乗用自動車のみとなる。1970年8月20日から乗車定員の改正と規格が定められる。
- ^ 1960年12月19日までは小型自動四輪車免許の教習車。
- ^ なお、軽自動車ではこの条件を満たさない。
- ^ ファミリア、ランサーなどの小型車がこれにあたる。
- ^ 構内使用のフォークリフトなどと同じ扱い。
- ^ 四日市南自動車学校や土浦自動車学校などの例(これは一例に過ぎず、他にも採用しているところはある)
- ^ マークIIにはセダンに教習車仕様の専用グレードが存在したが、4ドアハードトップのグランデ車を使用するところもあった。(兵庫県の播磨自動車教習所)
- ^ IS250が愛知県の星が丘自動車学校
- ^ 2.5Lのロイヤルエクストラが福岡県の姪浜ドライビングスクールで使用。
- ^ 1991-2003年までは三菱教習車
- ^ 9代目のトヨタ教習車と10代目コロナプレミオを含む。
- ^ シビックフェリオは1.5リッターの廉価グレードを大半の自動車教習所が使用しているが、1.7リッターのモデルを使用しているところもあり、茨城県日立市のある自動車教習所では最上級モデルのミラノレッドの1.7RSを使っているところもある(ただし、ホイールキャップやオートエアコンなどは省かれている)。
- ^ 1960年12月20日の道路交通法施行規則から1965年8月30日までは最大積載量5,000kg以上の大型自動車とともに、乗車定員30名以上の大型自動車も教習用車両として可能であった。同年9月1日から最大積載量5,000kg以上の大型自動車のみとなった。
- ^ 最大積載量5,000kg以上の中型自動車で長さが7.00m以上、幅が2.25m以上及び最遠軸距が4.10m以上のもの(道路交通法施行規則第24条)
- ^ 最大積載量10,000kg以上の大型自動車で、長さが11.00m以上、幅が2.40m以上及び最遠軸距が6.90m以上のもの(ただし運転することができる大型自動車を自衛隊用自動車に限る大型免許にあつては、最大積載量6,000kg以上の大型自動車で長さが6.65m以上幅が2.40m及び最遠軸距が4.40m以上のもの)(道路交通法施行規則第24条)
- ^ 乗車定員11人以上29人以下のバス型の大型自動車で長さが8.20m以上、幅が2.25m以上及び最遠軸距が4.20m以上のもの(道路交通法施行規則第24条)
- ^ 乗車定員30人以上のバス型の大型自動車で長さが10.00m以上、幅が2.40m以上及び最遠軸距が5.15m以上のもの(道路交通法施行規則第24条)
- ^ 大韓民国道路交通法施行規則第70条


