日産・パトロール
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日産・パトロール(にっさん・Patrol)は、かつて日産自動車が生産、販売していた四輪駆動方式の自動車である。
警ら専用車両として、同名違車のトヨタ・パトロールが1955年から1967年まで存在したが、その後はトヨタ・パトロールカーへ名称変更されている。
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[編集] 概要
[編集] 初代 4W60型系 (1951年 - 1960年)
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1951年9月、試作車が完成。同年に行われた警察予備隊の要請による小型トラックの競争入札に加わり、ウィリスジープのライセンス生産車である三菱・ジープに敗れ、その後、民需の道に活路を見出した経緯はトヨタ・ジープBJ型と同様である。
車両の構成もトヨタ・ジープBJ型と非常に近く、はしご形フレームに、前後リーフ・リジッドサスペンションと、大型トラック用直列6気筒ガソリンエンジンを組み合わせる手法を採っている。エンジンは3.7 LのA型系(NA)で、基本型の最大出力は82馬力(HP)であったが、程なくNT85(日産トラック85)型の通称を持つ、85馬力のものに変更された。積載量はジープの1/4トンに対し、1/2トンと大きく、車両重量のみでも5割近く大きいが、タイヤサイズは6.00 - 16でジープと同じであり、プライ数のみが異なる。ホイールは4.5 × 16で5穴である。
駆動系は1速3ポジション(4WD・ニュートラル・2WD)のトランスファーを介して動力を分配し、プロペラシャフトでフロントデフに伝達するパートタイム4WDで、リアへはトランスファーのメインシャフトと同軸でプロペラシャフトが伸びる、フロントオフセット・リアセンタースルーのドライブレイアウトとなる。複変速機を省略した構成は、やはりトルクの大きな大排気量エンジンを持つ、トヨタ・ジープBJ型と同様である。この種の車両としては重要となる、ウインチングなどの各種作業に対応するため、PTOの装備も可能となっている。
トヨタ・ジープBJ型との違いはフロント周りで特に顕著で、BJ型は長いエンジンをフロントアクスル後方(フロントミッド)に置くが、4W60型ではアクスルにオーバ-ハングする形を採っており、全長に対する有効スペースは僅かながら大きい。そのため、フロントデフとの干渉を防ぐため、エンジン搭載位置はやや高くなっており、オイルパンは薄く、フロントデフキャリアには「逃げ」がある。またそのエンジンも、トヨタ・B型のOHVに対し、サイドバルブである。
フロント周りのデザインは、BJ型がダッジのウェポンキャリア風であったのに対し、4W60型はジープMB / GPWに近く、前照灯の向きを反転させ、整備灯とするアイディアもそのまま採用された。唯一、水平方向としたラジエターカバーの長穴に、かろうじてオリジナリティーが見て取れる。エンジン高の関係から、ボンネット全体はジープのそれに比べて高く、量産型では干渉を防ぐため、フードの中央はさらに一段高くされた。
主に国家地方警察に納入され、無線車が設定されていた点もトヨタ・ジープと同様である。
組み立ては車体メーカーに委託され、資本提携を開始した新日国工業(現・日産車体)の他、生産が本格化した4W61型からは高田工業も参加している。
1955年?には改良型のB型(NB)エンジンを得て、4W61型となる。民間用としてふさわしいデザインへの試行も行われ、エンジンフフード中央が一段と高くされたほか、平面であったラジエターカバーが中折れ形になり、メッキの装飾も加えられた。その見た目から「鉄仮面」のあだ名がつけられたが、これにもジープワゴン / ジープトラックの強い影響が見られる。当時、日産と新日国工業はジープの顔を持つ乗用車として異彩を放ったダットサン・スリフト(節約・倹約の意)の生産もおこなっており、進駐軍と共に上陸したジープが日本の工業界に与えた衝撃の大きさがうかがえる。また、フロントシートがセパレートから2 + 1のベンチシートとなり、インストゥルメントパネルの意匠も変更され、センターメーターとなる。
1958年10月、エンジンの排気量が4.0 Lに拡大されたC型(NC)となり、4W65型となる。
1959年、C型の発展型であるOHV 4.0 L のP型(160系サファリ登場の際に一部改良が行われP40型と改称された)が搭載され、型式が4W66型となる。P型の名は、主に搭載される「Patrol」にちなんだものと言われ、1987年にTB42型が登場するまで、パトロール / サファリに使われ続けているほか、4W70型系キャリアーにも採用された。
[編集] 2代目 60型系 (1960年 - 1980年)
1960年10月、モデルチェンジ。先代のジープ型を脱し、ランドローバーSr I ~ Sr IIA にも通じる、大きな箱形フロントフェンダーを持つスタイルへ変更される。
トヨタ・ランドクルーザーは、1972年からステーションワゴンを別型式(別系列)としたが、パトロールはホイールベースや車型に関わらず、全てが同じ型式系列であった。
消防用シャーシは「ファイヤーパトロール」の名で販売され、山間部や積雪地にとどまらず、大排気量エンジンを生かしたA2級ポンプの放水能力を買われ、広く全国に配備されている。ファイヤーパトロールには、前輪の駆動装置を省いた二輪駆動仕様があり、4×4のバッジ、トランスファーレバー、副変速機レバー、フロントアクスルのデフが無いことが識別点となる。
1980年、160型系「サファリ」の発表に伴い、生産終了となった。その後も「パトロール」の名は、海外向けサファリの名称として用いられている。
[編集] ホイールベース / ボディー
- スーパーロング:ホイールベース2800 mm
- バン
- VH60
- 消防用シャーシ ファイヤーパトロール
- FH60
- バン
[編集] エンジン
PF型エンジンは、標準のP型エンジンに消防仕様として以下のような変更点が見られる。(比較参考にしたのは1975年式消防車と1971年式標準車)
・ポンプの急激な負荷変動(空気を吸った場合など)に対し、エンジンの過回転(オーバーレブ)を防止する調速機が取り付けられている。これはクランク軸からベルトで駆動させ、過回転を検出するメカニカルガバナーと、それによって操作され、強制的に吸気通路を閉じる事で回転の上昇を防止する、第二のスロットルバルブ(キャブレターとインテークマニフォールドの間に設置される)で構成されている。
・運転席計器盤に、上記のガバナーから駆動される機械式タコメーターが設置されているが、これには回転数表示のほか、エンジンメンテナンスの目安となる積算計が装備されている。この積算計は建設機械等で一般的な「時間」を基準としたアワーメーターではなく「累計回転数」であるのがユニークである。
・運転席計器盤に油温計が設置されている、この為オイルパンには油温計のセンサーが取り付けられている。
・オルタネーター(発電機)も標準車の35Aから45Aに強化され、それに伴い、運転席計器盤に装備のアンメーター(電流計)もスケールの大きなものに変更されている。
・外部電源による冷却水(寒冷地仕様など一部の車両についてはエンジンオイル用も)の加熱用ヒーターが取り付けられている。これは現在の車と違い、これらの装備が無い場合、夏季であっても暖機運転が完了するまで息つき等を起こして、まともに走る事がままならないという事情から、即動を要求される消防車では必須装備であった。
・消火作業中は走行風による冷却が期待できないことから、放水用ポンプから導いた水を用いた水冷式エンジンオイルクーラーと、サブラジエターを追加装備している。なお、冷却に使われた水は車外に排出される垂れ流し式である。
・エアクリーナーについては、標準車は1973年以降は乾式フィルターになったとされているが、消防車については従来どおり、建機のようなオイルバス式(湿式)が選択できた。
[編集] トランスミッション
- 4輪駆動:3速MT
- 2輪駆動:3速MT
消防車には、PTOギアの冷却用に、放水用ポンプから導いた水を利用するギアオイルクーラーが装備される。
[編集] トランスファー
- 4輪駆動:リア・オフセット、フロント・オフセット型、2速副変速機付き。
- 2輪駆動:トランスファーなし。
[編集] アクスル・ディファレンシャルギア
- 4輪駆動車はフロント、リア共にオフセット式アクスルを採用。
- 4輪駆動車に関しては、フロントアクスルは軽荷重(積載量400Kg)、重荷重(積載量750Kgか、消防車)共に共通のビルドアップ式で、デフはC216型であった。
- リヤアクスルについては、軽荷重仕様と重荷重仕様があり、構造が異なる。前者がビルドアップ(組み立て型・デフキャリアにパイプを差し込んでホーシングを形成している都合、デフキャリアとホーシングは一体構造)式アクスル(デフはC216型)、後者がバンジョー(成形されたホーシングに、別部品のデフキャリアをボルトで組み付けてある)式アクスル(デフはH260型)であった。
- 同じP 型エンジン搭載の四輪駆動車でも、より重荷重・高負荷で使われるニッサン・キャリアーはスプリット(左右分割)式
- 4輪駆動車に関しては、ファイナルギヤレシオ(最終減速比)は、車体重量が1.7トンクラスである標準車での使用を考えてもやや高めの 1:4.1 の一種類しか設定されなかった(似通ったガソリンエンジンを積むトヨタ・ランドクルーザー 40 系では、さらに高い 1:3.0 ~ 3.7、 消防用シャシで 1:4.1 の設定)。
- 消防車の一部に設定される2輪駆動にはトラック的な低いファイナルギヤレシオが与えられ、ローレンジを持たないハンディを補っている。
[編集] サスペンション
- フロント、リヤ共にリーフ・リジット式で、前後にトーションバー式スタビライザーを持っていた。
- リーフスプリングは乗り心地を考慮して両端に行くほど板厚が薄くなる様に加工されたテーパードリーフを採用しているのが特徴となっている。このコストがかかるスプリングは、ランドクルーザーでは使われたことがない。
- サスペンションストロークを大きく採る目的で、リーフスプリングのスパン(長さ)がフロント1100ミリ、リヤ1300ミリと当時のこのクラスとしては破格に長い物となっており、同年代のランドクルーザー 40 系が前後共に同じスパン(数値的にはパトロール60型のフロントよりもやや短く、結果サスペンションストロークも小さくなった)のリーフを採用していたのと対照的である。
[編集] 歴史
- 1968年12月頃ステアリングホイールがメッキ仕上げの3本スポークから、全樹脂被覆の2本スポークへ変更された。
- 1973年頃、法規に適合させるため、それまでの白色でクリアランスとターンシグナルが一体となったランプから、アンバーのウィンカーと白色のクリアランスランプの、独立したものに変更された。合わせてテールランプもそれまでのストップ・テール・ターンシグナル共用の丸形赤一灯式から、ダットサントラックに使われているものと同じ、アンバー・赤・白のレンズを持つ短形のコンビランプに変更された。
- 1973年頃、法規に適合させるため、フロントフェンダーに回転突起物(フロントハブ部の事)対応のエクステンション(オーバーフェンダー{初期のものは木製であったという説があるが、昭和50年式消防車の実例では鉄板のプレス成形品であった}、通称カツオブシ))が装備された。これは元来フロントアクスル先端のハブ部が極僅かであるがフェンダーよりはみ出していたものが、法規の改正で認められなくなった為の処置。このフロントアクスルがネックとなって全幅が1.7メートルを越えてしまう都合、仮にディーゼルエンジンをラインナップしたとしてもランドクルーザー 40 系のように維持費の安い4ナンバー登録は不可能であった。
- 1974年頃?ダッシュボードにクラッシュパッドが追加された。
- 1975年頃?法規に適合させるため、ファイアーパトロールの前照灯光軸間隔が広げられる。フロントフェンダー前端との干渉を避けるため、前照灯自体が前方に突出している。
- 1975年頃?ワイパーが2本から3本となり、払拭面積が拡大した。
- 1979年9月 昭和54年排出ガス規制適合となり、型式が「J-G61」、「J-FH61」となる。この際前席足元のカウルベンチレーター(通称蹴飛ばし窓)が廃止された。
[編集] その他
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 自動車愛好家P・60のホームページ - パトロールについての解説がある。
| ポータル 自動車 / プロジェクト 乗用車 / プロジェクト 自動車 / プロジェクト バス車種 |
最終更新 2009年4月3日 (金) 13:05 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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