旧司法試験
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旧司法試験(きゅうしほうしけん)は、日本において司法試験法に基づいて行われる法曹資格試験(国家試験)の1つ。第2次世界大戦以降の日本において実施されてきた司法試験の試験内容をほぼ継承するものであるが、司法試験法の改正により、2011年の新司法試験への移行期間終了とともに廃止される予定。
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[編集] 概説
司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律(平成14年法律第138号)(以下「改正法」)施行前においては、改正法による改正前の司法試験法を根拠として、改正法施行後においては、改正法附則7条1項を根拠として行われる。
司法試験と国家公務員一種試験、公認会計士試験、医師国家試験、不動産鑑定士試験[要出典]の中の2つの試験を組み合わせて、三大難関国家試験、三大国家資格(この場合は、厳密にいうと、弁護士試験という意味で言われる)などと言われることもあったほか、その合格率の低さと合格までに要する年数の長さから、「国家試験の最難関」「現代の科挙」などと言われたこともある。
実際、司法試験に合格し、司法修習を修了して弁護士となれる地位を取得すると、税理士、弁理士、行政書士、社会保険労務士として当然に登録できる地位を有するほか、弁護士として登録すると、司法書士としての登録は出来ないが、当然に司法書士業務ができると解されており(裁判例がある)、また、公認会計士試験と不動産鑑定士試験の受験に際しては、司法試験で受験した科目は免除となる(逆に、公認会計士試験や不動産鑑定士試験に合格しても、司法試験の該当科目は免除されない)など、隣接職種相互の間ではもっとも難易度が高いことを前提とした規定がある。 2005年(平成17年)以前においては、法曹(裁判官、検察官、弁護士)になろうとするものは、原則としてこの方式の試験を受けなければならなかった。現在は司法試験制度の移行期であり、法改正によりロースクール(法科大学院)の卒業を前提とする司法試験(新司法試験)を経由することが法上の原則となっているが、経過措置として旧来の制度も存置されている(改正法附則7条以下を参照)。
[編集] 制度の概要
試験は2次・4段階よりなる。
[編集] 第一次試験
第一次試験は、幅広い科目からなる教養試験であり、短答式試験および論文式試験からなる。
年齢性別・資格不問だが(高校生が一次試験を通過し話題になった事がある)、短大以外の大学を卒業又は2年以上在学し、一定の単位(具体的には一般教養年次修了。32単位以上)を取得していれば生涯免除される。このため、多くの受験者は二次試験からの受験となる。また、一次試験に一度合格してしまえば、その後は生涯免除となる。
合格者には社会保険労務士試験の受験資格が与えられる。つまり短期大学卒業同等とみなされる。
[編集] 第二次試験
第二次試験は法律的知識を問うための試験であり、筆記試験(短答式)・筆記試験(論文式)・口述試験の3段階(後述)からなる。一般的な用法として、第二次試験のみを指して司法試験(旧司法試験)と呼ばれることもある。
第二次試験考査委員については下記外部リンク参照。
[編集] 短答式試験
短答式試験は例年5月の第2日曜日(母の日)に、憲法、民法、刑法の3科目について、60問(各科目20問ずつ)、3時間30分通して行われる。5肢からの択一式試験でマークシートを用いて行われる試験である。そのため通称択一式試験とも呼ばれる。
一定の点数を獲得したものを合格させるタイプの試験ではなく、論文式試験の受験者を限定する趣旨(それゆえ、昭和30年までは短答式試験はなく論文式試験からのスタートであった)での競争試験であることから、年によって難易度も大きく異なり、求められる正答率は7割弱から8割程度まで変動する。
短答式試験は、前年度合格したとしても翌年の受験免除等の制度がないため、論文式試験に合格するまでは前年度の短答式試験合格者、合格経験者であっても再度受験の必要があり、前年の短答合格者が落ちることも珍しくない。
なお、後に述べる論文式試験・口述式試験とは異なり、六法等の試験中の参照物は認められない。
[編集] 論文式試験
論文式試験は、7月第3月曜日(海の日)と、その前日の二日間にわたり、初日:憲法、民法、商法、二日目:刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法の各科目につき、それぞれ2題ずつ、制限時間は2時間で、文章にて解答する形式で行われる(選択科目が存在した時代は三日間かけて行われていたが制度変更に伴い廃止された)。
問題の傾向としては、基本的な知識をダイレクトに問われたり、それをベースとして具体的な事案に則しての応用力が問われたりする。
参照物として、「旧司法試験用法文(2005年以前では司法試験用法文)」とよばれる最小限の条文のみが記載された小型六法が貸与される。不正受験防止のため、この法文の冊子は各科目試験終了ごとに回収されるが、論文式試験の全日程終了後は持ち帰ることが出来る。
過去には、法律選択科目(行政法、破産法、刑事政策、国際公法、国際私法、労働法から1科目選択)や教養選択科目(経済原論、心理学、政治学、社会政策、経済政策、会計学、財政学から1科目選択)も試験科目として存在していた。
[編集] 口述試験
口述試験は、論文式試験の合否発表の二週間ほど後である10月下旬の連続した3日間に、千葉県浦安市にある「法務省浦安総合センター」にて、憲法、民事系(民法・民事訴訟法)、刑事系(刑法・刑事訴訟法)の計3科目について面接方式(「主査」・「副査」とよばれる試験官2人に対し回答者1人)で行われる。試験時間は、憲法は15分~20分、民事系・刑事系は30分~40分が標準的と言われるが、憲法で30分近く、民事系・刑事系で50分近くかかることも珍しくない。
質問の内容は一般に、まず条文・定義・その他の基本的知識を問うことから始まり、具体的事例を想定してその場面での解釈を問われることが通常である。場合によっては、文献等でこれまでに余り論じられていない内容を問い、その場での柔軟な法的思考を問うような質問に到ることがある。
その場に「司法試験用法文」が用意されているが、許可を得ないと参照することはできず、質問の内容によっては参照を許可されない場合もある。
[編集] 受験人数および受験特例制度
旧来の司法試験における各試験の受験者は、時代の変化や制度の変更とともに増加し、2005年(平成17年)までは概ね、短答式:3万人~4万5千人、論文式:7~8千人(1/7)、口述:1500人(1/5)であった(新司法試験開始の初年の2006年(平成18年)においては、短答式:約3万5千人、論文式:約4千人弱)。なお、論文式試験に合格した者は、その年の口述試験に合格できなくても、その翌年に限り、筆記試験(短答式・論文式)の免除を受ける事ができる。
[編集] 合格発表以降
最終合格発表は、例年11月上旬から中旬までの間になされる。合格者は、その翌年以降の4月から、司法修習生として、最高裁判所付属の司法研修所(埼玉県和光市)で3ヶ月間の研修を受けた後、全国に散らばり1年間の実務研修を受ける。実務研修は、民事裁判・刑事裁判・検察・弁護の4ヶ所を約3ヶ月のタームで回る。その後、司法研修所に戻り再度研修を受け、試験(通称「二回試験」)を受けこれに合格すれば法曹となる資格を得る。司法研修制度も改革の中で短縮の方向にあり、以前は1年6ヶ月であった研修期間が平成18年度から1年4ヶ月に短縮された(新司法試験合格者向けの司法修習は1年)。
[編集] 司法試験の歴史
- 1949年 - 制定当初の司法試験が、1949年5月31日に司法試験法が公布され、旧高等試験司法科試験を廃止した上で始まった。初回の合格者数は265人合格率10.86%であった。
- 第一次試験 - 大学卒業程度における一般教養科目
- 第二次試験
- 筆記試験 - すべて論文試験(当時は短答式試験は存在しなかった)
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- 憲法
- 民法
- 刑法
- 民事訴訟法
- 刑事訴訟法
- 商法・行政法のいずれか1科目選択
- 商法・行政法・破産法・労働法・国際私法・刑事政策の6科目のうち1科目選択(商法及び行政法については、6で選択しなかった科目に限り選択可能)
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- 口述試験
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- 憲法
- 民法
- 刑法
- 民事訴訟法
- 刑事訴訟法
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- 1954年 - 昭和28年法律第85号による改正法(第1次改正)による試験制度の変更
- 第二次試験の筆記試験・口述試験における商法が必修化されるとともに、筆記試験における行政法が選択科目化される。
- 1956年 - 第二次試験の筆記試験に短答式試験(7科目)を導入
- 1959年 - 昭和33年法律第180号による改正法(第2次改正)による試験制度の変更
- 筆記試験(短答式試験) - 憲法、民法、刑法の3科目に科目削減
- 筆記試験(論文式試験) - 試験科目が以下のように変更
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- 憲法
- 民法
- 商法
- 刑法
- 民事訴訟法・刑事訴訟法のいずれか1科目選択
- 法律選択科目 - 民事訴訟法・刑事訴訟法・行政法・破産法・労働法・国際公法・国際私法・刑事政策の8科目から1科目選択(民事訴訟法及び刑事訴訟法は、5において選択しなかった科目に限り、選択可能)
- 教養選択科目 - 政治学 経済原論 財政学 会計学 心理学 経済政策 社会政策 から1科目選択
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- 口述試験の科目は、論述試験科目と同じ
- 1963年ごろ - 合格者数がこのころから500人前後に固定化する
- 1990年 試験史上において最年少合格者となる、当時東京都内の国立中学校3年在籍中の15歳の男子生徒が最終合格。
- 1991年 - 長らく500人に固定化されていた合格者数が、このころから増加し始める
- 1992年 - 平成3年法律第34号改正法(第3次改正)による試験制度の変更
- 教養選択科目の廃止
- 1994年 - 史上初専門学校生が合格
- 1996~2003年 - 平成3年法律第34号改正法により導入された、受験回数から3回以内の受験者を論文式試験で特別枠(約200人)を設けて特別に合格させる通称「丙案」制度が実施された。
- 1999年 - 合格者数が1000人に。
- 2000年 - 平成10年法律第48号改正法(第4次改正)による試験制度の変更
- 現在の旧司法試験と同じ科目配置になる。 - 法律選択科目の廃止・民事刑事両訴訟法の必修化・商法の口述試験の廃止
- 2003年 - 史上2人目の専門学校生が合格
- 2006年 - 平成14年法律第138号改正(第5次改正)による試験制度の変更
- 新司法試験の実施開始。旧司法試験は経過措置として5年間(口述試験は2011年まで)実施されることになり、旧司法試験の合格者は減少傾向となる。
[編集] その他の特筆事項
2008年度の結果は、対受験者比最終合格率0.79%、合格者の平均年齢は29.75歳であった(なお、同年度の新司法試験は対受験者比最終合格率32.98%、合格者の平均年齢は28.98歳である)。多くの受験生が大学卒業後5年程度を受験勉強のために費やすこととなっている。合格者の若年化をはかるため受験回数による特別合格枠(通称「丙案」、受験開始から3年までの受験生を優先的に合格させる)などを試みたが、受け控えが増えたため効果は一時的なものだったとされている。なお、合格者数全体を増加する措置が取られたことに伴い、優勢合格枠を定める丙案は2004年以降廃止されている。
なお、合格者数の目安について司法試験委員会は、2008年度は200人程度(結果は141人)、2009年は100人程度、2010年は前年の合格者数から更に減少させることを発表している(第37回司法試験委員会会議議事要旨・配布資料)。もっとも、平成20年度の旧司法試験短答式試験合格者が1605人であったのに対し、平成21年度の短答式試験合格者は1599人とほとんど減っていないこと、平成21年度新司法試験合格者についての目安が2500-2900人だったのに2043人だったことなどから、目安が守られるかは流動的といえる。
前述した通り、法曹養成を目的とした法科大学院の創設とあわせて2006年度より新司法試験が開始されたため、2011年まで(2011年の旧司法試験は、前年の口述試験に不合格であった者のみが対象の口述試験のみ実施。)は新司法試験と旧司法試験とが併行して行われることになる。なお、法科大学院生が旧司法試験を受験した場合、修了前2年間の旧司法試験の受験や修了後の旧司法試験の受験も受験回数の制限対象となる。新司法試験と旧司法試験を同じ年度に受験することもできない。新司法試験の受験経験者で新司法試験の受験資格を喪失した者は旧司法試験の受験資格も喪失する。これらの措置は、あくまで旧司法試験は法科大学院に諸般の事情により進学できない者に対する経過措置であることに由来するものである。
平成18年の第2次試験からは、オンライン申請システムを利用することにより、インターネット経由で出願ができる。この場合においては、受験手数料が400円割安となる(通常11,500円→11,100円)。
新司法試験制度、その他の改革については法務省のウェブサイトにおいて随時報告される。
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月17日 (火) 02:25 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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