機内食

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ガルーダ航空の機内食の一例(2005年7月の撮影)
中国国際航空国際線機内食2008年6月の撮影)

機内食(きないしょく)とは、航空機内で航空会社が提供する食事のこと。

目次

[編集] 概要

狭義には航空会社のサービスとして無料で(航空運賃の一部として)機内で乗客に提供される食事を指すが、パイロット客室乗務員が機内で仕事中(デッドヘッドを含む)に摂る食事も機内食である。一方、空弁など、当該機体を運航する会社とは無関係に乗客が持ち込んだ食事は機内食とは呼ばれない。航空自衛隊海上自衛隊対潜哨戒機)においても長期間の飛行の際は機内食が準備され、冷凍化されたものを電子レンジで温める方式がとられている。

通常は空港近辺の工場で製造されて機内に積み込まれ、離陸後に機内にあるギャレー厨房)で加熱後、各席に配膳される。国際線では一定時間以上の飛行では要望に応じて機内食を提供しなければいけないことがIATA(国際航空運送協会)の取り決めで決まっている。全体的には距離が長くなるほど、また座席が上級になるほど充実する傾向にある。

海外における国内線では、有料で販売するケースがある。また、格安航空会社の多くは国内、国際線問わず有料販売である(日本に就航している国際線ではジェットスター航空のエコノミークラスが有償で販売している)。

[編集] 日本の国内線

日本航空国内線機内食一例
(ファーストクラス)
日本航空国内線機内食一例
(スーパーシート)
2007年1月現在廃止中であり画像は過去に運用していた時の物

日本国内では、1951年に日本航空が国内線の運航再開時にキルロイ特殊貿易(現在のロイヤルホールディングス株式会社)が、サンドイッチや魔法瓶に入れた紅茶などを機内で提供したのが始まり。その後、朝の便や夕方~夜の長距離便ではサンドイッチやスープなどの軽食が出され、その他の時間は茶菓が出るようになる。

近年では価格競争によるコストダウンのため、普通席では2006年11月までのアイベックスエアラインズ早朝便を最後に廃止され、現在は日本航空(JAL)・全日本空輸(ANA)の上級座席のみで提供される。航空会社ごとに考え方やサービスが異なり、ハイグレード化と簡素化または省略に三極化される。

日本航空グループ
  • 国内線ファーストクラス
朝は和定食または洋定食、昼は重箱弁当ならびに菓子、夜は有名店監修のセットメニュー。10日ごとにメニューが変わる。また、カップ麺うどんですかい)や軽食も用意されている他、飲み物に普通席やクラスJなど他の下位クラスには無い、シャンパンをはじめとするアルコール類が加わる。
  • クラスJ
運航時間が比較的長い路線では茶菓と飲み物、それ以外の路線では飲み物のみ提供される。なお選べる飲み物の種類は普通席と同様である。
全日本空輸グループ
  • プレミアムクラス
朝・昼・夕食時間帯は重箱弁当。これ以外の時間帯は軽食や生菓子、フルーツ等をボックスに詰めたボックスミールが出される。日本航空のファーストクラス同様、こちらも飲み物としてアルコールを選ぶ事が出来る。

この他、スカイマークがスーパーシートに相当する「シグナスクラス」の値下げに伴い、それまで実施していた軽食や飲み物のサービスを2006年2月限りで取りやめた。その後は日本の国内線で唯一、機内食や茶菓、飲み物を一切提供しないスーパーシートとして存続したが、2008年8月末をもってシグナスクラスそのものを廃止している。

[編集] 日本発着の国際線

ごく短距離の路線(福岡釜山など)を除き、概ね6時間を境に短い便では1回、長い便では2回の機内食が供される。配膳時間は出発地や到着地の時間(時刻)に関係ない場合が多い。

近距離便では概ね離陸から1時間以内、遠距離便では1回目は離陸から概ね2時間以内、2回目は到着予定時刻の約2時間前である場合が多い。この辺りの事情を考慮せずに出発直前に食事を多く摂ると機内食が十分食べられなくなったり、機内食を十分食べた事で到着地での食事のリズムを壊し体調に影響が出る場合もある。なお、ほとんどの国際線では宗教などの理由から特別食の用意があり、事前に申し込めば特別食が出される。

この他に機内食として出される食事以外にも、随時ビスケットなど軽食のサービスや、夜行便等では夜食としてパンやサンドイッチ、日本への発着便ではおにぎりカップ麺(JALの「うどんですかい」やANAの「とびっきりおうどん」ほか)などの軽食を用意している会社もある。

基本的には相手国の業者と契約して復路便の分を手配してもらうが、日本発の韓国や中華民国中華人民共和国フィリピングアム線のような近距離路線なら復路の分もまとめて載せることもある。

[編集] 業者

機内食を調理する業者は概ね航空会社が出資する関連会社が多いが、一方で外食企業が機内食事業を手がける場合もあり、近年は料理のグレードアップの際に、有名レストランホテル料亭などがメニューを監修することもある。

[編集] メニュー

一般に航空会社の本国の料理が出されることが多い(前述の復路など現地で調達する場合、現地料理の色合いが出る場合がある)。また座席等級によって食事の内容が異なる。

[編集] エコノミークラスの一般的な構成

全日空機内食一例エコノミークラス

1人前をトレーに載せて配膳する。

  • 主菜(メインディッシュ:加熱して提供される。ご飯を含む場合もある)
    • 通常は2種類のメニューを搭載する。
  • 副菜(サラダ等、野菜中心のことが多い。これ以外にも、例えば日本線の場合は、蕎麦寿司等が、韓国発着便はキムチがそれぞれ提供されることもある)
  • パン
  • デザートまたは果物
  • 飲み物(一部中東の航空会社を除きも選択可。欧米便では炭酸水がそのまま出されることもある)

酒は上級席種では無料であるが、エコノミークラスでは酒の種類によっては有料となることもある。エールフランスはエコノミークラスでもシャンパンが無料で提供されている。 主菜は、例えば肉と魚、鶏と牛など2種類の料理の中から選択できるが、先着順のため一方しか残っていないことも多い。 近年では、顧客獲得のため機内食のメニューを増やすことも多い。たとえば、大韓航空ではビビンバタイ国際航空ではタイカレーなどを出す。

[編集] ファーストクラス、ビジネスクラスの一般的な構成

日本航空エグゼクティブクラス機内食(一例)

コースメニューとなっており、いずれも3~4種類から選択できる。配膳は料理ごとに行われ、各席で食器に盛りつける。近距離路線ではボックスミール(弁当)になることもある。長距離路線ではサンドイッチピザアイスクリームラーメン等の間食が用意されていることが多い。

日本航空機内食(朝食)一例 ビジネスクラス
日本航空機内食(夕食)一例 エコノミークラス(ワインは別途オーダー(無料))
日本航空機内食(朝食)一例 エコノミークラス

[編集] 朝食

ランチやディナーと異なり、あっさりした軽めのものが多い。国際線では主に到着前の2回目の食事で提供される。また、「朝」に当たらない時間帯の軽食を「リフレッシュメント」と呼ぶこともある。

[編集] 特別食

ほとんどの航空会社では、医学的・宗教的理由(いわゆる食のタブー)によって通常の機内食を食べられない乗客のために、特別食(スペシャルミール:Special meal)を用意している。

特別食の具体例としては以下のようなものがある。

特別食はどの機体にも常備しているわけではなく、大抵は事前に(多くは出発24時間前までに、祈祷など手数のかかるコーシャ・ミールは48 - 72時間前に)予約を要する。ただし、航空会社や目的地によっては乗客の需要が異なるため、2種類ある通常食の一方がベジタリアン・ミールだったり、ムスリム・ミールのみ(例:エミレーツ航空[1])となることもある。

特別食は、信条や信仰宗教とは無関係に申し込みできる。例えば、豚肉アレルギーを持つ人間がイスラム食を申し込むことは可能である[2] [3]

提供される個々の特別食の詳細(例えばベジタリアン・ミールといっても宗教ごとに材料の違いから複数ある)については、各社の公式ウェブサイトなど案内を参照されたい。

[編集] 乗務員向け

万が一食中毒が起こった時に乗務員が全員発症することのないよう、客室乗務員の一部は乗客と異なる食事を摂る。また、同様の理由から機長(もしくはPIC)と副操縦士(もしくはSIC)はそれぞれ食材・調味料など全く異なるものを食べる[4]。操縦クルーの場合、選択肢は機長の意思が優先されるので、副操縦士は好きなメニューを選べないことがまれにある。

食事の等級は通常ビジネスクラス程度の内容をエコノミークラスの食器などに簡易的につめたものである。また、ルフトハンザドイツ航空のように、客室乗務員用の食事が用意されていない航空会社もある。その場合、客室乗務員の食事は、ファーストクラス、ビジネスクラスの残り物の食事を食べることもある。また、事前に乗務員用の機内食を購入することが可能となっている。

[編集] 貨物機の場合

貨物機にも小規模ながら機内食の設備があり、遠距離便を中心にエコノミークラス相当の食事が用意されるが、客室乗務員がいないため手の空いている乗務員(主に航空機関士副操縦士)が用意する。貨物の関係で乗務員以外の者が貨物機に添乗する場合はその人間の分も手配されるが、乗務員の飲酒を防ぐため飲み物に酒類は含まれない。

[編集] その他の特徴

[編集] 調理

主菜は半加工品。冷蔵状態で搭載され、配膳の直前に加熱調理される。加熱方法は旧型機(主にボーイング747-400より前に路線就航した機種)はオーブンで数個ずつ加熱する方法と、各トレイに加熱板を備えて主菜だけを一斉に加熱する方法(主にボーイング747-400以降に搭載)とがある。

[編集] 配膳

客室乗務員がカートに載せて通路から各席の可動式テーブルに配膳する。機体の前後やワイドボディ機の主翼付近(ギャレーのある位置)から順番に回る。なお、種類の選択が可能な場合、マイレージ上級会員から先にオーダーを取り選択肢を残すようにしていることが多い。

[編集] 食器

エコノミークラスではプラスチック、またはアルミニウムの容器が多い。ビジネスクラス以上は陶磁器製の食器が使われる。

ナイフ、フォークなどはプラスチック製。ハイジャックの武器となるのを防ぐためとも言われているが、主に洗浄コストがかかることから、コスト削減を主眼に使い捨てが可能なプラスチック製を使用している。基本的にビジネスクラス以上では金属製のカトラリーが用いられ、航空会社によってはエコノミーでも環境保護の観点から金属製を用いる航空会社もある。近年は航空燃料節約の観点から、軽量化食器の開発が盛んである。

[編集] 機内食工場とフードローダー

機内食工場                 (名古屋エアケータリング:中部国際空港)
昇降可能なフードローダーの荷台    (テイエフケー:成田国際空港)             ベース車:日野・スーパードルフィン

機内食工場は多くが2階建てになっていて、1階は空のカートを回収して食器を洗浄、2階は調理・配膳とトラックへの積み込み口になっている。空港近隣の機内食工場から航空機へ機内食を盛りつけたしたカートを輸送するトラックをフードローダー(Food Loader)と呼び、工場での積載時と航空機への積み降ろしのときに荷台が機体の高さまで持ち上がる。なお航空機へ機内食を積み込むときはローダーの前から行う。

[編集] 主要企業・業界団体

[編集] 脚注

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年11月23日 (月) 10:07 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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