登録販売者

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登録販売者(とうろくはんばいしゃ)とは、医薬品の店舗販売業者等において、医薬品リスク区分の第二類および第三類一般用医薬品を販売する資格である。

目次

[編集] 概要

2009年6月1日より施行されている資格であり、都道府県の実施する試験に合格した上で、医薬品の販売に従事する店舗の所在地の都道府県に販売従事登録をした者である。第1回試験は、関東甲信越地方で2008年8月12日に実施されたのをはじめ、8月中旬から10月下旬にかけて各地方で順次実施された。

ドラッグストアなど、薬局・薬店で一般用医薬品の販売を薬剤師とともに担う。既に薬種商として営業している者は登録販売者試験に合格した者とみなされる。販売業であるが、職業区分上は医療従事者として扱われる。

登録販売者制度が制定される以前から、薬剤師のいない店舗においても一定の実務経験のうえ都道府県知事の行う薬種商販売業認定試験に合格した者であれば、指定医薬品をのぞく一般用医薬品を販売することができた。しかし受験は開業の計画がある者だけに制限されており、個人に与えられる資格というよりも、店舗に与えられる許可という性質が強かった。

2006年の薬事法改正で薬種商制度が廃止され、登録販売者制度が創設された。これは実務経験等の条件を満たせば誰でも受験できるものであり、資格も個人に与えられるものとなった。また、一般用医薬品の95%以上が第二類および第三類医薬品に指定されることから、ドラッグストアチェーンなどが社員を大量に受験させ、店舗網の拡大や24時間販売に利用するほか、薬剤師のいない店舗を設置して人件費抑制につなげようとする動きもみせている。このほか、ドラッグストア業界以外の異業種が参入するのではないかとの見方もある。

一方でここ数年の処方箋枚数急増に目をつけたドラッグストアは調剤併設型店舗を増やしているが、この運営には薬剤師の常駐が不可欠であるほか、現在保険医療費抑制のため、医薬品のスイッチOTC化が進められているが、これは多くが承認から数年間の間は第一類医薬品となることから、これらの新規に発売されるスイッチOTC薬は登録販売者では販売できない。従ってドラッグストアのうち登録販売者だけの店舗と薬剤師がいる店舗で販売可能品目に差ができることになる。

なお、店舗販売業の許可を得るには、第一類医薬品を扱う店舗では薬剤師を、第二類および第三類医薬品のみを扱う店舗では薬剤師又は登録販売者を店舗管理者としなければならない。この店舗管理者は他店舗との兼任はできず、非常勤者であってはならない。実際に医薬品を販売する際には、原則店舗で対面によらなければならないとされており、第二類医薬品については情報提供の努力義務が課せられている。第三類医薬品については情報提供の義務付けはないものの、客からの相談には応じる義務があり、営業時間中は薬剤師または登録販売者を常駐させなければならないこととなっている。

[編集] 販売できる医薬品の範囲

第一類医薬品は薬剤師による対面販売での書面情報提供義務があるので販売できないほか、毒劇薬や医療用医薬品の零売、毒劇物の販売、調剤などはこの資格では行うことができない。なお、一部で「資格があれば、薬局・薬店以外でも販売できる」という誤った報道が見受けられるが、店舗販売業などの正式な許可を受けた店舗内においてのみ、販売することが可能である。動物用医薬品特例店舗販売業の許可を受けた、あるいはみなし許可の有効期限内の店舗では、指定医薬品以外の動物用医薬品を販売できる。このとき、登録販売者は動物用医薬品販売従事登録を受ける必要がある。

なお、登録販売者として勤務を開始してから3年間の実績(勤続)を積むと、[1]第一類医薬品を扱う店舗販売業の管理者になることが可能になるが、登録販売者が第一類医薬品を販売することはできないため、第一類医薬品を販売する場合には、管理者以外に薬剤師を配置する必要がある。第一類医薬品を販売する資格がない登録販売者が管理者となることに薬剤師会等から異議が申し立てられている。

[編集] 受験資格

薬事法施行規則により、以下のいずれかに該当する者。

  1. 高等学校卒業、かつ、満1年以上の実務経験のある者
  2. 高等学校未卒業、もしくは、高等学校卒業同等資格を持たない者は、満4年以上の実務経験のある者
  3. 6年制薬学部又は旧4年制薬学部等の卒業者
  4. 上記の者と同等以上の知識経験があると都道府県知事が認めた者
    1. 大検および高等学校卒業程度認定試験の合格者で、かつ、1年間の実務経験のある者
    2. 外国薬学校卒業者

[編集] 実務経験

実務経験の期間は、下のすべての条件を満たさなければならない。

  1. 薬局、一般販売業(卸売はのぞく)、店舗販売業、薬種商、配置販売業で従事していること。メーカー、卸売等は認められない。
  2. 業務内容が以下のすべてに該当すること。調剤事務、配送等、直接販売に従事しない職種は認められない。
    1. 主に一般用医薬品の販売等の直接の業務を行っていた。
    2. 一般用医薬品の販売時の情報提供を補助する業務又はその内容を知ることができる業務を行っていた。
    3. 一般用医薬品に関する相談があった場合の対応を補助する業務又はその内容を知ることができる業務を行っていた。
    4. 一般用医薬品の販売制度の内容等の説明の方法を知ることができる業務を行っていた。
    5. 一般用医薬品の管理や貯蔵に関する業務を行っていた。
    6. 一般用医薬品の陳列や広告に関する業務を行っていた。
    7. 薬剤師又は登録販売者の管理・指導の下で業務を行っていた。
  3. 開設者との間に雇用関係があること。アルバイトパートでも可。ただし、派遣社員は開設者との雇用関係がなく、認められない。
  4. 受験日前日までに、月に80時間以上連続して当該期間従事していること。期間中に80時間未満となる月があってはならないので平均80時間でも認められない。
  5. 原則として1ヵ所での勤務であること。複数ヵ所での勤務が認められるのは、人事異動や廃業など受験者の責に因らない場合で、知事がやむを得ないと認めた場合のみ。転職や個人的引っ越しによるものは不可。また、複数店舗にまたがっての勤務は認められない。
  6. 開設者の発行する証明書が得られること。死亡した個人や消滅した法人などでは認められないことがある。

[編集] 不正受験

幾つかの不正受験事案がある。

  • 不正な実務経験証明の発行により、合格取消し処分となった例[2]
  • 替え玉受験によって刑事処分を受けた例。
    • 奈良県で2009年1月に行われた第2回試験で、年配受験者が20代の男性に〝変装〟して受験し、変装を試験監督官に見破られて試験が無効、後に行政処分として刑事告訴され、逮捕された。この年配受験者は自分の息子に資格を与える目的で息子に変装して受験に臨んだ旨を供述している。この年配受験者本人は2008年8月実施の第1回試験に合格していた。

[編集] 試験

試験項目 出題数(問) 時間(分)
医薬品に共通する特性と基本的な知識 20 40
人体の働きと医薬品 20 40
主な医薬品とその作用 40 80
薬事関係法規・制度 20 40
医薬品の適正使用・安全対策 20 40
合 計 120 240

厚生労働省の検討会のとりまとめ [2]や薬事法施行規則改正案 [3]では、国の作成する「試験問題作成の手引き」等に準拠し、都道府県が問題を作成し試験を実施することとなっている。

試験はマークシート方式の筆記試験で、右記の分野について出題される。合計で7割の正答率が求められるほか、各項目ごとにも都道府県知事の定める一定の得点が必要とされる。

住所や勤務地に関係なく全国どこの都道府県でも受験可能で、合格後は従事する都道府県の知事に登録申請する。

第1回試験
2008年8月12日から10月24日にかけて、全国で実施された。合格者総数約4万人、総受験者数約6万人、合格率は約68%となった。
第2回試験
2008年12月25日以降。第1回試験と異なり、都道府県によってバラつきがある。[3]

[編集] 第1回試験概要

今後の参考の一環として、ここでは第1回試験の概要を示す。

桃色の数字は、47都道府県中、最高合格率
緑色の数字は、47都道府県中、最低合格率

地方名 都道府県名 試験日 合格率 地方名 都道府県名 試験日 合格率
北海道地方 北海道 8月20日 54.8% 近畿地方 福井県 8月31日 64.1%
東北地方 青森県 53.1% 滋賀県 55.6%
秋田県 52.9% 京都府 65.6%
岩手県 43.0% 大阪府 70.1%
山形県 47.5% 和歌山県 54.5%
宮城県 53.6% 奈良県 61.0%
福島県 52.2% 兵庫県 61.5%
関東地方 群馬県 8月12日 77.6% 中国地方 岡山県 8月26日 77.4%
栃木県 71.1% 広島県 80.7%
茨城県 73.8% 島根県 67.0%
埼玉県 77.0% 鳥取県 80.2%
東京都 82.3% 山口県 82.3%
神奈川県 84.5% 四国地方 香川県 10月25日 37.9%
千葉県 80.0% 徳島県 39.1%
甲信越地方 山梨県 66.6% 愛媛県 36.9%
長野県 75.5% 高知県 44.9%
新潟県 75.3% 九州地方 福岡県 8月24日 63.2%
北陸地方 石川県 9月17日 70.6% 佐賀県 55.7%
富山県 56.2% 大分県 54.5%
東海地方 静岡県 69.0% 宮崎県 63.9%
愛知県 74.7% 熊本県 62.9%
岐阜県 73.4% 長崎県 52.6%
三重県 69.5% 鹿児島県 56.6%
沖縄地方 沖縄県 47.8%
  • 北海道は単体で地方を構成するため、東北地方と同日に行われた。
  • 福井県は本来なら北陸地方であるが、近畿地方として扱われた。
  • 沖縄県は単体で地方を構成するため、九州地方と同日に行われた。

関東地方・甲信越地方に分類された都県は全て8月12日に試験が行われ、以下のようなシステムが取られた。

  • 東京都のみ独立問題
  • 埼玉県・千葉県・神奈川県の南関東3県で統一問題
  • 群馬県・栃木県・茨城県の北関東3県、山梨県・長野県・新潟県の甲信越3県、計6県で統一問題

都道府県によって合格率に大きな格差があるが、試験問題は『登録販売者試験の作成に関する手引き』より選定して試験問題を作成・出題され、都道府県別に難易度の格差が出ないよう配慮がなされることとなっている。しかし、全国最高合格率である神奈川県(84.5%)と全国最低合格率である愛媛県(36.9%)では、実に47.6パーセントポイントの差があることから、試験難易度に差があったことがうかがえる。

[編集] 脚注

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月24日 (火) 10:51 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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