競艇

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競走中のモーターボート

競艇(きょうてい、kyotei)は、競輪競馬オートレースと並ぶ公営競技の1つで、プロの選手達によって行われるモーターボート競技である。

モーターボート競走法という特別法に基づいて、指定自治体がパリミュチュエル方式により勝舟投票券(舟券)を販売している。

所轄官庁は国土交通省中央省庁再編前は運輸省)で、造船関係の産業を振興すること等を目的として、1952年昭和27年)から実施された。それ以来長らく日本独自のものであったが、2002年平成14年)より韓国美沙里(ミサリ)競艇場でも行われるようになった。

競技の呼称は、以前より「ボート」や「モーターボート競走」とも呼ばれていたが、1997年度以降「競艇 (kyotei)」に統一された[1]

目次

[編集] 競走の概要

以下の節では、主に日本で行われている競艇について詳述する。

水面(競走水面)に浮かぶ2つのブイ(ターンマーク)を目印として、反時計回り(左回り)に3周する[1]。これは水上の交通ルール(船舶はすべて右側通行)に従っているためである。ターンマーク(正確にはターンマークとスタンド側を垂直に結ぶ線)間の距離は300mで、約1,800mを航走する。なお、ボートと選手が着用するカポック(防具)には艇番と枠番別の色が、ボートの舳先には枠番色別の旗がつけられて区別している。

[編集]

ボート[2]モーター[3]競艇場に用意されており、開催初日の前日(「前検日」と呼ばれる)に抽選で各選手に割り当てられる。開催期間中の選手はモーターの整備とプロペラ[4]のマッチングの調整に多くの時間を費やす[5]。モーターの整備も整備士に相談することはできるが、作業はすべて選手自身で行わなければならない。

モーターは同じロットの量産品であるが、量産時に起こりうる性能の個体差に加え、その後の整備によって徐々にその性格が変化してくる。元々性能良く仕上がっていたモーターを整備の上手な選手が調整した場合はやがて最強のモーターに成長したり、そこそこの仕上がりのモーターを並みの調整で使っていると勝てないモーターに成り下がったりする。また、転覆などでモーターが水を被るとその後の調整しだいでモーターの性格が大きく変化することがある。

こうしてある程度モーターが「育った」状態になると、選手がくじ引きでどのモーターを引くかが勝敗の分かれ目になる。このため、各紙の着順予想ではモーターの状態を表すマークが記載されている。なお、モーターとボートは登録から1年を超えて競走に使用できないことから、年に1度一斉に取り替えられる。

モーターやプロペラの整備後、選手は次の競走までの間に水面を利用して試運転を行う。試運転の回数に制限はなく、整備をしてはこまめに試運転を繰り返す選手もいれば、あまり試運転を行わない選手もいる。この試運転も舟券の予想の参考になる。

モーターとボートはすべて、ヤマト発動機が製造している。

[編集] 選手

詳細は「競艇選手」を参照

他の公営競技と比べ、現役選手として活動する期間が長く、経験が豊富で駆け引きの巧みな年長者と新人選手の競走も見所である。先輩・後輩の力関係、日本各地の競艇場を転戦するため選手の出身地も舟券予想の重要なポイントのひとつとされる。一見、機械に依存している様に見えるが、実際には熱い人間ドラマが繰り広げられている。

なお、かつては体重の下限に規定がなく、期間中に過酷な減量を行い体調を崩す選手が多発したため、1988年11月に「体重に関する規定」が設けられ、現在は男子が50kg、女子が47kgを下限とし、これを下回った場合は重りを載せて調整する。

[編集] 競艇の開催

モーターボート競走法、モーターボート競走法施行令、モーターボート競走法施行規則などにより、競走場・施行者あたりの開催回数および開催日数、1開催あたりの開催日数、1日の競走回数が定められている。1回の開催では最大18日開催可能。開催は主に4日から6日の間で設定される「節(シリーズとも呼ぶ)」で構成され、これを複数回組み込んでいることが多い。

法令上の開催回数は出走表に記載されるか、勝舟投票券に印字されるが、一般的にはあまり認知されていない。

施行者は選手に対して節ごとに出場の斡旋を行う。斡旋された選手は前検日の指定された時間までに競艇場へ集合し、各種の検査を受けた後でエンジンとボートの抽選を行う(後述)。その後は他の公営競技と同様に、開催終了(あるいは斡旋解除)まで宿舎に宿泊し、外部との連絡は一切認められていない。

選手が競走場(競艇場)へ持ち込み、使用することが認められている私物は以下の通り。

上記以外は競走場で定められたものを必要に応じて購入する。特にエンジンの整備や私物の持込には細かな規定があり、違反した場合には厳重な罰則が規定されている[7]

[編集] 安定板の装着

強風や波浪などで波高が高くなるなどの要因で水面が荒れている場合は、ボートが水面でバウンドした時に転覆しやすくなり危険なため、各ボートに「安定板」と呼ばれるフィンを主催者判断で装着することがある。安定板を装着すると船体は安定するが、ダッシュ力が落ち伸びが悪くなるといわれ、着順予想にも影響を与えるため事前に「安定板装着」であることが主催者より告知される。

[編集] レース前の展示航走

レース前に行われる「展示航走」は「スタート展示」と「周回展示」の2つがある。主にモーターや選手の調子を見るのが目的。第1競走のみ開始予定時刻が事前に告知され、以降は前レース終了後に以下の展示航走が行われる。

[編集] スタート展示

スタート展示では出場選手がピットアウトからスタートまで一連の所作を行う。各選手のピット離れやコース取り、スタートタイミングなどを見るのが目的。「スタ展」と略されることもある。

スタート展示の詳細は、以下の情報が場内モニターなどで公開される。

  • 各選手の進入コース
  • 各選手のスタートタイミング(スリット写真)

以前は「スタート練習」と呼ばれ、公式の展示航走とはされていなかったが、参考にするファンも多かった。しかし、練習と本番で進入コースが異なるなどで苦情も多く一度は廃止されたが、一方でスタート練習の復活を望む声も根強くあり、予想の参考のひとつとして名称も「スタート展示」と改められて復活した。

[編集] 進入についての規程変更
  • 以前はスタート展示において6コースから進入した選手がレース本番で1コースに進入することが認められず、このような事態が発生した場合、当該選手は出走資格の喪失(返還欠場となり、関係する舟券は全額返還される。ただし、レース本番で2コースに入ったが、その後1コースの艇が欠場して結果的に最内になってしまった場合など審判委員長がやむを得ないと認めた場合は除く)とされていたが、この規定は2008年5月1日以降を初日とする開催から順次廃止された[8]
  • また、従来スタート展示に出られなかった艇はレース本番で最アウトコースから進入することとされ、これを怠った場合は違反となっていたが、この規定は2009年5月1日を初日とする開催から順次廃止された。

[編集] 周回展示

スタート展示後は、そのまま周回展示に移行する。 出場選手が単独で1艇ずつ2周回する(荒天の場合には1周回に短縮される場合がある)。ターンの攻め具合や出足(加速力)、伸びを見るのが目的。 なお、審判委員長が全力で航走していないと判断した艇は、再度周回展示航走を指示される。

周回展示の情報は、以下の情報が競艇場内のモニターで発表される(ライナーは一部の競艇場のみ調整可)。

  • タイム(1周目のバックストレッチ後半のタイム)
  • 選手の体重
  • エンジンのチルト角度(傾斜角度)やライナー調整高(上下高)
  • モーターの部品やプロペラの交換の有無

これらの情報や出走表に記載されているデータを参考にして舟券を購入する(有料の予想屋予想紙を参考にするファンもいる)。

[編集] レース本番

[編集] ピットアウト、待機行動

待機行動

ピットでの発走合図で全6艇がピットアウト、通常2マークホーム側から小回り防止ブイをバックストレッチ側に回り込んだところから待機行動に入り、再びホーム側に回り込む間にコース取りを行う。スタートラインから2マークよりの水域を「待機行動水面」と呼ぶ。

競走の鉄則として「イン側が有利」とされている[9]ため、基本的にどの艇も1コースを目指して動くことになるが、あまり早くインに入ってしまう(「深イン」とも呼ぶ)とスタートまでのダッシュ距離が短くなるため、加速をつけて進入してくる外側の艇にまくられる可能性が高くなる。また競艇場によっては1マークをスタンド寄りに設定しているところがあり、その場合は進入から1マークへの角度がつくためインは不利になる。

一旦進入した後でコースを取り直す場合は一番外のコースに入らなければならないことが規則で定められているほか、新人選手は最アウトコースに入ることが不文律になっている(新人は技術が拙いため、内側に入ると他の艇に迷惑をかけることが理由とされている)。

上記の理由から最アウトコースに入る新人選手や、アウトコースからのダッシュ戦を得意とする選手(いわゆる「アウト屋」)はピットを出てから位置取りを争う内側の艇を横目に大きく艇を回してスタートラインから離れ、ダッシュ距離を稼ごうとしている場合もある。

[編集] 待機行動についての規定変更

ピットアウト後の待機行動に関する規定が一部変更され、2009年5月1日を初日とする開催から順次適用された。概要は以下の通り。

  1. 待機行動に入った後、バックストレッチ側で低速航走しようとする艇は速やかに内線へ寄せ、内線と平行に航走する。
  2. 低速航走時の右転舵を「時間稼ぎ的航法」として待機行動違反とする。ただし、内線に寄せたとき及びアウトコースの艇が助走距離をとるための右転舵はこの限りでない。
  3. 原則として、先に「150メートル見透し線」に達した艇からインコースの優先権を得る。先に150メートル見透し線に達した艇よりも内側に進入しようとした場合は「割り込み」とされ、待機行動違反となる。

[編集] スタート

競艇のスタート方法は「フライングスタート法」を採用している。待機行動に入った後、概ねスタート10秒前から全艇がスタートラインへ加速をつけて進入し、大時計が0秒-1秒を指すまでの間にスタートラインを通過して第1ターンマークへと向かう(艇の先端がスタートラインを通過したタイミングを「スタートタイミング」という)。これは他の公営競技と異なり、水面上で横一列に整列して静止することが難しいことに加え、水の抵抗でトップスピードに達するまで時間がかかるため。

助走距離が短い艇は「スロー」、後方から全速で進入してくる艇は「ダッシュ」と呼ばれる。スローとダッシュの中間位置から進入する場合もある。
ダッシュで進入する艇のうち、最もインに近い艇を「カド」と呼び、比較的有利な位置とされている。
進入時の並び順を「進入隊形」(または「進入スタイル」)と呼び、インから枠番通りに進入する場合は「枠なり進入」(または「枠なり」)と呼ばれる。

スタートタイミングが0秒より0.01秒でも速い場合は「フライング(F)」、0秒から1秒以内にスタートラインへ到達できなかった場合(スタートラインの直前・直後[10]で転覆した場合を含む)は「出遅れ(L)」と判定される(微妙な場合はスリット写真[11]が用いられる)。なお、「フライング」および「出遅れ」対象艇が含まれた舟券は全額返還されるほか、同一レースにおいて全艇(または5艇)がフライングまたは出遅れ(混合の場合を含む)となった場合は「レース不成立」となり、当該レースの舟券は全て返還となる(5艇がフライングまたは出遅れた場合、正常にスタートした残り1艇は選手責任外の欠場として扱われる)。

(参考)
  • 5艇もしくは全艇のフライング、出遅れ…全賭式不成立
  • 4艇フライング、出遅れ…3連単・3連複・2連複・拡連複・複勝式の賭式が不成立(2連単・単勝式は成立)
  • 3艇フライング、出遅れ…3連複・拡連複の賭式が不成立
  • 2艇以上が正常スタートし、全艇が返還欠場・失格…全賭式不成立
  • 2艇が正常スタートし、うち1艇が失格(全体で5艇が返還欠場・失格)…単勝式のみ成立
  • 3艇以上が正常スタートし、全体で5艇が返還欠場・失格…単勝式・複勝式のみ成立
  • 4艇以上が正常スタートし、全体で4艇が返還欠場・失格…3連単・3連複の賭式が不成立(このケースは拡連複は的中組み合わせは1組のみであるが成立する)
  • 4艇以上が正常スタートし、全体で3艇以下が返還欠場・失格…全賭式が成立、返還欠場となった番号の組み合わせのみ返還

また「フライング」や「出遅れ」をした選手には、当該節の賞典除外(開催節1回目の場合。同一節において2回目の場合は即日帰郷を命ぜられ、競艇場から”追放”される)となり、一定期間の斡旋停止(1本目:30日、2本目:60日、3本目:90日)され、訓練施設での再訓練などペナルティーが科せられる。

全国規模で発売される大きなレースの優勝戦や準優勝戦で選手責任によるフライングや出遅れが発生した場合は、下記のように厳しい罰則が課せられる[12]。ただし、選手責任外による出遅れ(強風や転覆などによる場合)の場合はこの限りでない。

  • SG優勝戦:12か月間SG選出除外(賞金王決定戦のみ資格を満たせば出場可能・賞金王シリーズは出場できない)および6か月間G1選出除外
  • SG準優勝戦および賞金王決定戦トライアル:以後のSG4節選出除外(賞金王決定戦のみ資格を満たせば出場可能・賞金王シリーズは出場できない)および3か月間G1選出除外
  • G1優勝戦:6か月間G1選出除外
  • G1準優勝戦:3か月間G1選出除外

[編集] 1周目1ターンマークの攻防

戦法としては、イン(1コース)の利を生かしてそのまま内側から最短距離で旋回して逃げる「逃げ」、「逃げ」を打つ艇に対して外側からスピードをつけて内寄りの艇を抜く「まくり」「ツケマイ」、内寄りの艇を先に行かせて更に内側を突く「差し」、「まくり」と「差し」の複合技である「まくり差し」がある。「まくり差し」の例としては、1マークへの到達の遅れた選手等を「まくり」、全速ターンでターンマークをはずした選手等を「差し」て勝利をうばった場合や、外側の艇が1マークで空いているところを見つけて突っ込んできた場合等がある。高速でターンをしてさらに「差し」をきめるために艇を自在にコントロールする必要があるため、難易度はかなり高い。

1980年代まではターンマークを回るときはスピードを落として小回りに回る「落としマイ」が定石だったが、1990年代今村豊が「全速ターン」を開発した。その後、それまでの正座の姿勢でひざで立って、両ひざで艇を押しながら身体を安定させて回っていた旋回が、両足を伸ばした状態で腰を浮かせ、足で艇を蹴るように旋回する「モンキーターン」になったことにより、旋回スピードが増し、外側の艇が内側の艇より先に回ることが多くなった。今ではほとんどの選手がモンキーターンを行っている。

1マークを回った時点でそのレースの大まかな着順が決まるため、ここでの攻防がレースの最大の見所となる。1着艇が1着を確定させた行動により、「決まり手」が判定される。

[編集] 道中(ゴールまで)の攻防

1周目1マークで後手を踏んだ艇は1つでも着順を上げるべく、「抜き」を試みることになる。1周目1マークで2番手以下だった艇が、その後逆転して1着になった場合、決まり手は「抜き」となる。なお、イン(1コース)の選手が「逃げ」に失敗したのち、追い上げて逆転した場合も「抜き」となる。スポーツ新聞等には「抜き」は「道中競り」(○周○マーク)と記述される場合もある。

道中2、3番手の艇が「抜き」で1着になる例はままあるが、6番手(最下位)の艇が追い上げて1着となることは極めて稀である。これは、水上では艇の後ろに「引き波」が生じ、後ろの艇の推進力を大きく損なうためである。なお、前述のフライング等があったときの決まり手は「恵まれ」となる。1位の選手は1周目でほぼ固まってしまう場合が多いが、2着以下については前に行く艇の引き波がターンマーク近くに残ることで最後まで順位争いがもつれる要因となる。

[編集] その他の競技規程について

転覆失格

モーターボート競走競技規程により、以下の状態になった場合は失格となる。

  • 競走中にモーターボートが転覆(転覆失格)・沈没(沈没失格)、選手が落水(落水失格)、またはモーターが停止(エンスト失格)した場合であって速やかに元の状態に戻ることができないとき。
  • 他のモーターボートの正常な航走を妨げた場合(妨害失格)
  • 先頭のモーターボートがゴールインした時から30秒以内にゴールインできなかった場合(不完走失格)
  • ターンマークを著しく破損させた場合
  • 事故艇または救助艇がある場合に当該事故艇または救助艇と安全な間隔[13]を保って航走しなかった場合

[編集] レース終了

  • 的中者には的中した舟券の払戻が行われるほか、返還がある場合は確定後に返還される。[14]
  • 終了後は直ちに次レースのスタート展示・周回展示が行われ、これを最終レースまで繰り返す。

[編集] 参考事項

[編集] 一節間の進行

レース番組は、初日が前検日(前検終了後)、2日目以降は前日のレース終了後に主催者から発表される。

選手は1日に1回ないしは2回出走する。節間の出走回数は抽選によって決められる。

競艇は3 - 7日間(通常は4 - 6日間)を一節として開催される。勝ち上がりは原則としてリーグ戦トーナメント方式の併用で、前3 - 4日間を「予選」として総当りで争い[15]、予選成績上位18名が「準優勝戦」に進出。そこで上位2着に入った6選手によって「優勝戦」が行われる。準優勝戦で3着以下に敗れた選手は、中位グループと下位グループに分けられた「特別選抜戦」に回る(規定により「準優勝戦」が2レースで、上位3着までの選手が「優勝戦」に進出する開催もある)。

ただし、準優勝戦に進めなかった選手の中で競走成績を極端に落とす可能性がある(モーターの調子がすこぶる悪いなど)選手は出走調整を希望すれば5、6日目は1走のみの場合もある。競輪のように途中で帰郷する選手はけがなどをした選手を除きほとんどない。

3 - 4日間の短い節では準優勝戦を行わず、優勝戦は前日までの成績上位6選手で争う形態が多い。また賞金王決定戦のように、予選の番組を1レースごとに抽選で決める節もある[16]

[編集] 進入固定競走

各艇の進入コースを1コースを1号艇 - 6コース6号艇と決めておく「進入固定競走」が全競艇場で行なわれていた時期があった(ある競艇場では全開催レースを進入固定にしたこともあった)。当然1コースつまり1号艇が断然有利になるため、レースの紛れが少なくなって、あまりファンからの支持を得られず、現在では蒲郡競艇場浜名湖競艇場大村競艇場下関競艇場で1日1 - 2レース行われるのみとなった。

[編集] 2着の決まり手

2着に関しては前述の通り道中で逆転する場合が多いため、競走成績では「決まり手」を公示しない。しかし、道中での逆転がない場合、もしくは1周1マーク終了時点では次のような状態になることが多い。

  • 1着は「イン逃げ」、2着は「差し」
競艇の2連単では「1-2」で決まることが多いが、これは2コースの艇が1コースの艇をマークして差しに構えることが多いためである。大外から、最内に差して2着に残るケースもあるが、上記の1-2と比較すると発生確率が低く、高配当となる。
  • 1着は「イン逃げ」、2着が「まくり差し」
まくりに来た艇に対して内側の艇が反発して、まくった艇が後退してしまったときに、間隙を縫ってきた艇(まくりに来た艇の1つ外側の艇が多い)が2着になる場合、および、まくりに来た艇が途中でまくりをあきらめてまくり差しに変更した場合が考えられる。これらのケースも非常に多い。
  • 1着が「まくり差し」、2着が「イン残り」
差しもしくはまくり差しが届いて1着になってしまったケースである。まくりが決まったときにはイン(1コース)は2着にも残れないことが多いが、差しの場合には、インがドカ遅れしていなければ残るケースが多い。大外からの最内差しが成功した場合には、2着が1コースの場合でも高配当になることが多い。
  • 1着が「まくり」、2着が「マーク差し」
まくりが成功して、まくった艇が1着になった場合には、まくった艇の一つ外側の艇が2着になることが多い。まくり(つけまい)が決まると内側の艇はまくった艇の引き波に飲み込まれて大きく減速するため、その場合には2着には外側の艇が、減速している内側の艇とまくった艇の間のスペースにまくり差しを入れて2着をとることが多い。なお、大外まくりの場合には、外側に艇がいないため、最後にまくられたインコースは2着に来ることは少ないが、どの艇が2着に残るかは状況による。
  • 1着が「まくり差し」、2着が「2番差し」
まくって来た艇に内側の艇が反発して、両者が飛んで大回りになった場合等に発生する。大きな差し場ができるので、外側の艇は容易に差しもしくはまくり差しを決めることができるため、外側の艇で上位を独占するケースが多い。この場合には、ほぼ確実に高配当になる。

[編集] 鉄板番組

その節中に、好調子の選手と不調子の選手とをわざと同じカードに組むこと。これによって観客は本命一本の頭流しなどでの安易な予想がしやすくなるが、展開によっては高配当になる場合もある。しかし、初めて舟券を買う人などの競艇初心者にわかりやすいレース展開となることがほとんどで、大抵は低配当になる。三国の「おはよう特賞」、戸田の「バッハプラザ特別」など。

[編集] 歴史

モーターボートレースの歴史についてはモーターボートの当該項目を参照すること。

[編集] 競走格付け

競艇の競走格付けにはグレード制が採用されており、上位のグレードから以下のように分類される。

それぞれの詳細については競艇の競走格付けを参照すること。

[編集] 競艇場

詳細については競艇場を参照のこと。

[編集] 舟券の発売種類

舟券の発売種類は、以下の7種類である。

  • 単勝式→1着になりそうな艇番を予想する
  • 複勝式(2着払い)→2着までに入りそうな艇番を予想する
  • 普通二連勝複式(二連複)→1着・2着に入りそうな2艇を順不同で予想する
  • 拡大二連勝複式(拡連複)→3着までに入りそうな2艇を順不同で予想する
  • 二連勝単式(二連単)→1着・2着を着順通りに予想する
  • 三連勝複式(三連複)→1着・2着・3着を順不同で予想する
  • 三連勝単式(三連単)→1着・2着・3着を着順通りに予想する

競艇の場合、現在は売り上げの大半が三連単となっている。これはレースが6艇で行われることから、他の賭式がいずれも的中確率が高い[18]ため、高配当の可能性が低いことが理由としてあげられる。

[編集] 電話投票

電話投票

  • テレボート
    テレボートとは、電話・インターネット投票に関わる事務を一括して行うセンターの愛称。かつては地区ごとに「テレボート九州」「テレボートせと」などと分かれて存在し、各テレボートごとに競艇を紹介する小さな展示館のような施設を持っていたが、数年前に全国の事務を一括して受け付ける「テレボート」に統合され、各地の展示施設も廃止された。現在のテレボートは、電話・インターネット投票の募集や情報提供を主に行っている。

[編集] 場外発売場

競艇主催者の中には、競艇場以外の場所に「ボートピア」などの愛称で知られる場外発売場を設置して、舟券の発売を行っている者も多数いる。詳細は競艇場外発売場の項を参照のこと。

[編集] 各メディアでの展開

[編集] テレビ

  • 以前は優勝戦をテレビ東京TXNの各系列局制作で放送していたが、優勝戦が日曜日に開催されるようになり、夏季はナイター競走による開催が定着していることもある関係上、テレビ東京系で一部放送できない場合があるため、関東・中京・近畿の各広域放送地域では地元の独立UHF放送局を使って中継する場合も多い。ただし、一部地域では放送しない場合もあるほか、深夜の録画中継に変更される場合もある。近年では画像処理を施し、水面上に距離を表す数字とラインを重畳している場合もある(但し、実際に競艇場には表す事は出来ない)。
  • 地方局制作の場合、本来の系列と関係ない臨時的なネットワークが行われる場合がある。
  • また、各地のGI(周年記念など)・GII・GIIIなどは主に開催される地域の独立UHF放送局が実況放送する場合があり、場外発売を行う地域でも放送される場合がある。
  • 上記のほか、一部のSGはBSデジタル放送(主にBS-TBSBS日テレ)でも放送している。地上波と同系列のBS局で同時放送する場合もある。
  • スカパー!ではレジャーチャンネル(有料)で放送。5チャンネルを使用して一般戦も含め完全生中継を行うほか、一部はビクトリーチャンネルでも無料放送している。
  • テレビ埼玉では、埼玉県内の公営競技のダイジェスト番組「バッハプラザ」が毎日放送される。戸田競艇場で開催がある場合は全レースの結果と翌日の第7レース『バッハプラザ特別』(GIII以下の開催のみ)・最終2~3レースの展望が放映される。節の前半は元選手の金子安雄、後半は専門紙記者が解説することが多い(新聞社等の冠レースの場合、1節間通じてその新聞社の記者が解説を行うケースがある)。

[編集] テレビ中継の主な解説者

[編集] テレビ中継の主な出演者

概ね下記の各出演者が担当する。

  • 生島ヒロシ-メイン(主に優勝戦の司会を担当)
  • 青島健太-メイン
  • 梶原しげる-メイン
  • 桑野信義-メイン・リポーター(以前は優勝戦中継時に、主にスタンドからリポートしていた。)
  • 川口和久-メイン・リポーター(最近はドリーム戦の司会を担当することもある)
  • 永山美穂-アシスタント
  • 高尾晶子-ピットリポートを担当することが多い。優勝戦直後にはテレビ・ラジオ共通の優勝者インタビュアーも担当。
  • 上記の他、芸能人・元スポーツ選手(蛭子能収など)が出演する。

[編集] ラジオ

  • 一部のSGはラジオでも中継しており、現在は文化放送の制作で優勝戦(ナイター競走の場合は優勝戦展望。一部のナイターSGはQRからの裏送りでナイター中継を放送しない一部放送局向けに生中継する場合もある)を全国中継している。過去にはRFラジオ日本なども中継を行っていたことがある。
  • 放送形態として、ナイターレースはプロ野球中継がない場合は生放送/録音放送(生放送を編集なしで放送する場合と、レース実況と司会担当アナのレース結果速報を伝えるミニ番組のパターンがある)、それ以外は生放送を行うが、全てを放送する場合とレース実況後に飛び降りる/レース終了後に飛び乗るパターンがある。

[編集] ラジオ中継の主な出演者

  • 松島茂(文化放送アナウンサー)-司会・実況担当(過去には鈴木光裕も担当していた)
  • 上記にも述べたとおり、テレビと同様に競艇とは関係ない芸能人などがゲストとして出演する場合がある。

[編集] 雑誌

競艇を専門に扱う雑誌としては、「競艇マクール」と「BOAT Boy」などがある。

[編集] コマーシャルメッセージ (CM)

コマーシャルメッセージ (CM)

[編集] CMソング・イメージソング

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

[編集] 出演

  • CM素材については2009年4月以降CMソング・イメージソングを強調するCM(和田アキ子をメインにしたCM)素材とは別に「競艇は水上の格闘技以外でも様々な事業を行なっています。」を強調したCM(アザラシの「ラッコ」のキャラクターが登場するCM)素材の2つが放送されている。
    • 前者は主にPT(パーティーベーション)や「競艇LIVE」の中継中で流されているが、後者は決められているテレビ番組レギュラー提供番組の中のみで放送されている。(「えなりかずき・そらナビ!」と「サキヨミLIVE」もしくは同時刻放送の特番中での放送のみ。各30')
前者の場合の提供クレジット表記は「KYOTEI」で後者は前者の提供クレジット名以前に使われていた提供クレジット表記名。
      • かつての提供クレジット名は「モーターボート推進協議会」だった。

[編集] 選手の養成

詳細は「やまと競艇学校」を参照

競艇選手になるには、全国モーターボート競走会連合会が福岡県柳川市に設置した「やまと競艇学校」で1年間の訓練課程を修了する必要がある。

[編集] 男女が同じ条件で戦う競艇

競艇の特色の一つは「男女が同じ条件で戦う」ことである。

競艇の産みの親の一人である笹川良一は、太平洋戦争後「これからは男女が同じ立場になる時代が来る」と痛感。当初から女子にも選手への道を開くことを構想し、実践した。第1回全日本選手権には早くも4人の女子選手が出場し、1950年代には周年記念で3人が優勝している。

1960年代には女子の選手数が激減し一時は4人にまで落ち込んだが、1980年(昭和55年)にデビューした田中弓子の活躍を機に再び増加に転じ、現在は約1500人いる選手の1割を占める。

女子選手限定のレースも行われている(GI女子王座決定戦、GIII女子リーグ、オール女子。男女混合戦でもシリーズ中に女子選手のみのレースが組まれることがある)が、多くは男女混合のレースであり、体重制限が3kg軽い(男子は50kg以上、女子は47kg以上)以外はすべて同じ条件で争う。この体重差がレース展開に大きな影響を及ぼすこともあり、1周1マークでは前を許したものの、バックストレッチで驚異的な伸びを見せて追いつき、2マークで逆転するなどといったケースも多く見られる。

男女混合のレースで女子選手が勝つことは日常茶飯事で、一般戦では女子選手がシリーズ優勝することもそれほど珍しくなく、中堅以下の男子選手がトップクラスの女子選手に勝つことは容易ではない。

[編集] 女子選手とSG・GIの主な記録

2008年4月現在、女子選手によるSG優勝は記録されていない。

  • 1999年(平成11年)には山川美由紀が女子選手として41年ぶりにGI(四国地区選手権)で優勝した。
  • 2001年(平成13年)には寺田千恵が女子選手として初めてSG(第11回グランドチャンピオン決定戦競走)優勝戦に進出した(優勝戦は5着)。
  • 2001年(平成13年)は大島聖子が男子選手を抑えて最多勝タイトルを獲得した。これは女子選手としては初めて。
  • 2006年(平成18年)には横西奏恵が女子では2度目のSG(第41回総理大臣杯競走)優勝戦に進出した(優勝戦は6着)。


[編集] 競艇をテーマにした作品

[編集] 漫画

[編集] ゲーム

[編集] 競艇イメージキャラクター

競艇ではイメージキャラクターを採用しており、主にPR活動のほか、表彰式や開会式での司会を担当する。

歴代のイメージキャラクターは次の通り。

担当期間 担当者
2002年 - 2003年 遠藤久美子
2004年 - 2007年 優木まおみ
2008年 - 和田アキ子

[編集] 韓国の競艇

1991年12月31日に競輪競艇法が成立。エンジン開発や選手養成等の準備期間を経て2002年10月18日、渼沙里漕艇競技場において初開催。実施主体はソウルオリンピック記念国民体育振興公団競艇運営本部。当初は毎週火曜日・水曜日に1日8R、単勝・複勝・2連単・2連複の各賭け式の舟券が発売された。翌年から水・木曜日に変更、2004年に3連複が導入され、2008年現在は1日15R行われている。競技形式は日本のものを取り入れているが、スタートタイミングが2秒以上で出遅れとなるなど若干の違いがある。

大村競艇場では、2008年4月6日に韓国競艇のトップ選手6名(男子4、女子2)を招いて模擬競走を行った。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

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  1. ^ 荒天の場合は2周に短縮される場合もある。
  2. ^ 現在は「ハイドロプレーン」と呼ばれるタイプが使われている(「ハイドロ」とも略される)が、以前は「ランナバウト」と呼ばれるタイプのボートも使われており、それを用いた競走は「ランナ戦」と呼ばれていた。ランナバウトは体重の有利不利が出にくいため、比較的体重の重い選手が得意としていたが、スピード感でハイドロプレーンに及ばず、現在は使われていない。
  3. ^ 一般的なモーターボートは「エンジン」と呼ぶが、競艇関連のメディアでは「モーター」と表記するのが一般的。馬力は32馬力、2サイクルで混合油で動く。
  4. ^ 一般には「スクリュー」と呼ばれるが、競艇では「プロペラ」あるいは「ペラ」と呼ぶのが一般的。
  5. ^ 開催期間外もほとんどの時間はプロペラの調整に充てられ、地域ごとに研究のグループが作られているほど、プロペラの出来不出来がレースの結果に大きな影響を及ぼす。
  6. ^ 以前は競艇場に備え付けの、アメリカンフットボールの選手がかぶるような形の物を使っていたが、最近はF1やバイクに乗るときに使うフルフェースタイプの物を使う選手が増えている。
  7. ^ 過去に認められていない私物部品を使用したことが発覚し、当時のトップ選手が永久追放処分になっている。
  8. ^ 著しく異なる進入航走の廃止
  9. ^ ターンマークに最も近く、先に出ることで後の艇を引き波にはめやすくなるため。ただし現在はターン技術が向上したことから、以前ほどではなくなっている。
  10. ^ スリット写真で撮影している範囲内を含む。
  11. ^ 他の公営競技ではゴール着順の判定に使われる。ただし競艇でも、まれにゴールの着順を写真判定する場合がある。
  12. ^ 大きなレースは多大な売り上げが見込める反面、フライングが発生した場合は返還額も巨額になり、施行者に対して多大な損害を与える(SG優勝戦の場合、返還額は20億円程度になることもある)ため、特にフライングや出遅れに関する罰則は厳しくされている。
  13. ^ 原則は外側であるが、外側に十分な間隔がない場合は内側を航走するよう指示が出る。
  14. ^ 公営競技の中では、払戻金の発表が最も速い。これは競技の性質上僅差の決着が少なく、早く確定するため。
  15. ^ 各レースごとの組み合わせ(番組)は施行者の裁量に委ねられ、各選手は概ね一日1 - 2走する。
  16. ^ 賞金王決定戦は獲得賞金額上位12名の選手が固定され、4日間で組み合わせを変えて4走する。
  17. ^ 参考リンク
  18. ^ 各式別の的中確率は、単勝1/6、複勝1/3、二連複1/15、拡連複1/5、二連単1/30、三連複1/20、三連単1/120。

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月17日 (火) 17:01 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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