自由貿易協定
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自由貿易協定(じゆうぼうえききょうてい、英: Free Trade Agreement, FTA)は、物品の関税、その他の制限的な通商規則、サービス貿易等の障壁など、通商上の障壁を取り除く自由貿易地域の結成を目的とした、2国間以上の国際協定である。
地域経済統合の形態の中では、緩やかなものとされている。2国間協定が多いが、NAFTA(北米自由貿易協定)等の多国間協定もある。
またFTAには自由貿易地域(英: Free Trade Area)として、自由貿易協定を結んだ地域を指す場合がある。 国際的には自由貿易協定(Free Trade Agreement)によって設定される自由貿易地域(Free trade Area, FTA)に略語を当てることが多く、日本では、自由貿易協定(Free Trade Agreement)にFTAの略語を当てることが多い。
目次 |
[編集] 自由貿易協定(FTA)の規定
- GATT(関税と貿易に関する一般協定)第24条
- GATS(サービス貿易に関する一般協定)第5条
2002年6月末時点で、130以上のスキーム(計画)がGATT/WTOに通報されている。この他に、途上国間のFTAには、WTOの「授権条項(enabling clause、1979年GATT決定)」に基づいたものがある。これは、先進国が途上国に対し、他よりも低率な関税を適用することを認め、途上国間の自由貿易協定締結を容易にすることを認めるものであり、GATT第24条の厳格な要件は適用されない。ただ単に通商上の障壁を取り除くだけでなく、両経済領域での連携強化・協力の促進等をも含めたものは、経済連携協定(EPA)と呼ばれている。
[編集] 東・東南アジア地域におけるFTA締結の動き
東・東南アジア地域では授権条項に基づくバンコク協定などを除き、FTA締結の動きは遅れた。ASEAN諸国は、ASEAN自由貿易地域(AFTA)を1992年に締結し、段階的な貿易自由化を行い始めた。ASEAN域内での関税や非関税障壁(NTB)の引き下げを行い、貿易の自由化、それに伴う経済の活性化、発展を目的とするものである。しかし、東アジア諸国がFTA締結に取組始めるのは、1990年代末以降である。また、中国や台湾はそれぞれ、2001年、2002年までWTOにも加盟しておらず、WTO加盟国とのFTA締結はできない状況にあった。
この地域において、FTAに最も積極的なのは、シンガポールである。AFTAにおいても、提唱国のタイと並ぶ推進者であった。AFTAだけではなく、域外国とのFTA締結にも熱心であり、2000年11月にニュージーランドとの間でニュージーランド・シンガポール経済連携緊密化協定に調印した。その後、日本、EFTA(2002年)、オーストラリア、アメリカ(2003年)、ヨルダン(2004年)、インド、太平洋4カ国(チリ、ニュージーランド、ブルネイ)FTA、韓国、パナマ、カタール(2005年)などとの間で締結済みである。
今日の東アジア経済統合において、ASEANは事実上中核的な位置を占めている。中国や日本、のちに韓国はASEAN諸国全体とのFTA(ASEAN+1FTA)をそれぞれ締結し、それをまとめたものをASEAN+3FTAとして事実上の東アジアFTAを構築するのが既定路線になっている。2002年に日本の小泉首相がASEAN+5構想を提唱し、オーストラリアやニュージーランドも含むべきだと主張したが、これもASEANを中心とする枠組み構築に沿ったものであった。オーストラリア、ニュージーランドはすでにANZCERを締結し、このCERとAFTAの間のFTA構想も交渉が行われている。
また、ASEANでは広域FTAの中核となるだけではなく、域内経済統合の深化を模索する動きもある。2003年に、第9回ASEAN首脳会議はASEAN経済共同体と他2分野における共同体の創設を目指す「第二ASEAN共和宣言(バリ・コンコード II)」を採択した[1]。ただし、このASEAN経済共同体はFTA+αとして議論されており、ヨーロッパにおける経済共同体 (EEC) やEC市場統合などと比較できるレベルのものではない。
[編集] メリットとデメリット
自由貿易協定には、経済的利益のみならず、政治的利益が期待される。
経済的メリットとしては、自由貿易の促進拡大により、スケールメリットや、協定国間における投資拡大の効果も期待される[1]。また、地域間における競争促進によって、国内経済の活性化や、地域全体における効率的な産業の再配置が行われ、生産性向上のメリットも期待される。
政治的メリットとしては、協定国間の地域紛争や政治的軋轢の軽減や、地域間の信頼関係の熟成が期待され、また貿易上の問題点や労働力問題なども、各国が個々に対応するよりも協定地域間全体として対応をすることができる。
一方でデメリットも憂慮される。協定推進の立場の国や人々は、地域間における生産や開発の自由競争や合理化を前提にしていることが多く、自国に立地の優位性がない場合、相手国に産業や生産拠点が移転する可能性がある。このため、国内で競争力があまり強くない産業や生産品目が打撃を受けたり[2]、国内消費者が求める生産品の品質にも影響を及ぼす可能性が存在する。また、日本人の国産品に対する指向や、日本人独特の一定レベルの製品品質を求める傾向、外国製品に対する先入観などから、他の自由貿易協定(FTA)地域で起きたメリットと同じことが、日本が結ぶ地域間においても起こるとは限らず、むしろ国民が望まない方向へ経済的にも政治的にも進む可能性もある。
[編集] 日本のFTA戦略
日本は、1999年に韓国と共同研究を皮切りに本格的にFTAを推進する方針に転換した。しかし、韓国とのFTA交渉は遅れ、その間に日本はシンガポールとの間でFTA交渉を迅速に進め、2002年に日本初の地域貿易協定(日本・シンガポール新時代経済連携協定)が発効されるに至った。その後、ASEAN諸国それぞれとの二国間FTA交渉に乗り出し、またメキシコとのFTAも締結した。2007年4月には日豪FTAの交渉が始まる予定であるが、農業・酪農に関する関税が撤廃されれば日本産の農作物や乳製品が圧倒されると予想され、北海道などで反発が相次いでいる。
- 東アジアEPA構想
- 日本・ASEAN包括的経済連携構想
日・ベトナム経済連携協定
日・ブルネイ経済連携協定
日・インドネシア経済連携協定
日・タイ経済連携協定
日・フィリピン経済連携協定
日・マレーシア経済連携協定
日本・シンガポール新時代経済連携協定
日本・スイス経済連携協定
日本・オーストラリア経済連携協定
日本・インド経済連携協定
日本・チリ経済連携協定
日本・メキシコ経済連携協定
日・GCC FTA
日韓FTA
[編集] その他FTAの動き
中国
- 中国本土・香港経済連携緊密化取決め
- 中国本土・マカオ経済連携緊密化取決め
- 中国・チリ自由貿易協定
韓国
- 韓国・チリ自由貿易協定
- 韓国・シンガポール自由貿易協定
- 韓国・EFTA自由貿易協定
- 韓米FTA
オーストラリア
- ANZCER
[編集] 主な多国間協定
- ASEAN自由貿易地域(AFTA)
- ラテンアメリカ統合連合(ALADI)
- アンデス共同市場(ANCOM)
- 中欧自由貿易協定(CEFTA)
- 欧州経済領域(EEA)
- 欧州自由貿易連合(EFTA)
- メルコスール(MERCOSUR)
- 北米自由貿易協定(NAFTA)
- 南アジア協力連合特恵貿易協定(SAPTA)
- 日中韓自由貿易協定構想
[編集] 脚注・参考資料
- ^ WTOと、EPA/FTA等 の推進による国際事業環境の整備 経済産業省
- ^ 自由貿易協定 【FTA】 経済/金融用語辞典
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年9月11日 (金) 22:12 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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