退学
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退学(たいがく)とは、児童・生徒・学生が、卒業・修了を待たずに学校を辞めること(自主退学)、あるいは辞めさせられること(懲戒退学、退学処分)をいう。
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[編集] 日本
以下の種類がある。いずれの場合も、学生証の返納など幾つかの手続きを必要とする。
[編集] 退学の種類
[編集] 自主退学と懲戒退学
自主退学(じしゅたいがく)は、幼児・児童・生徒・学生、および、その保護者の意思で退学することである。
一般的な手続きとしては、幼児・児童・生徒・学生とその保護者(または保証人など)の連名により退学願が出され、一般的に学校内において審議した後に、校務をつかさどる校長から許可されることによって退学する。
懲戒退学(ちょうかいたいがく)とは、
- 性行不良で改善の見込がないと認められる者(学校教育法施行規則第26条第3項第1号)
- 学力劣等で成業の見込がないと認められる者(学校教育法施行規則第26条第3項第2号)
- 正当の理由がなくて出席常でない者(学校教育法施行規則第26条第3項第3号)
- 学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者(学校教育法施行規則第26条第3項第4号)
のいずれかに該当する者に対する懲戒処分の一種であり、退学処分(たいがくしょぶん)、放校(ほうこう)、放学(ほうがく)などともいう。懲戒退学は、校長(大学にあっては、学長の委任を受けた学部長を含む[1])が行う。一般に「学校をやめさせられる」とはこのことを指す。懲戒退学は、学校教育法(昭和22年法律第26号)第11条[2]に基づいて行使される懲戒権に含まれ、懲戒退学を行うにあたっては各種の制約がある。
学校教育法施行規則には、懲戒退学の理由として「学費を支払っていない者」(滞納している者)は列挙されていないが、学費の未納は国立大学法人の設置する学校、および、私立の学校の場合は学則、公立の学校の場合は地方公共団体が所管する文書に基づいて、除籍となることがある。
[編集] 中途退学と満期退学
中途退学(ちゅうとたいがく)とは、修業年限として定められている期間を在学せずに退学することである。中退(ちゅうたい)と略されることもある。「中途に学校を辞めた」ことを強調するニュアンスで用いられることが多い。
満期退学(まんきたいがく)とは、修業年限として定められている期間以上を在学したものの卒業または修了に至らないまま退学すること(例:四年制大学で4年以上在籍したものの卒業せずに退学する)である。特に大学院の博士後期課程・後期3年博士課程、一貫制博士課程などを退学した際に用いられることがあり、「単位修得満期退学」などのように、修了に必要な単位を修得していることも付記することが多い。1980年代以前は、博士学位請求論文を提出しても博士論文として認められない場合がそれなりにあり、学生は、論文を提出した後に、博士の学位が授与されるという修了を迎えないまま退学した。このような時、大学院の博士後期課程・後期3年博士課程、一貫制博士課程などに在学し、研究指導を受けていたことを表すために満期退学と表記されることがある。
中途退学は、自主退学・懲戒退学のいずれの場合でも用いられ、満期退学は、通例、自主退学の場合のみ用いられる。
[編集] 退学をめぐる背景
[編集] 教育段階と退学の状況
- 公立学校(公立の併設型中学校を除く)における義務教育の課程にある児童・生徒には、懲戒退学とすることはできない(学校教育法施行規則第26条第3項)。ただし、他の学校へ転学する場合や、学齢(満15歳に達した日の属する学年の終わり)を超過しかつ本人の希望がある場合などに退学の扱いとなることがある。このような事由による退学はあるが、懲戒としての退学処分を行うことはできない。一方私立学校については、懲戒退学処分を受けたとしても公立学校に転入することが可能であることから、学齢児童・生徒に対する懲戒退学処分も認められている。「転校勧奨」などの名称で、退学に等しい処分が行われる場合もある。
- 高等学校の場合だと、退学の例も見られる。現在の日本においては、いじめや各種の学校不適応などの問題から高等学校を自主退学することも生じやすく、1990年代以降は、退学後に学校で再度学ぶこともなく就職も行わない者(=ニート)が増加しているともいわれる。この場合だと(たとえ学歴が不問とされていても)大企業やホワイトカラー職種への就職は不可能となり、ブルーカラー職種への就職も困難となる。また、就職の際に提出する履歴書にも、(自主・懲戒問わず)退学も学歴として記載しなければならない。近年では学歴や大学ブランドよりも個人の素質や実力を重視した募集を行う企業が増えている。なお、高等学校を卒業する前に退学した者が大学入試を受験しようとする際、高等学校卒業程度認定試験(高認。旧「大検」こと「大学入学資格検定」)に合格する必要がある。この認定試験に合格することで初めて大学入試の受験資格が得られる。2006年度の文部科学省の調査では合格者の約半数が大学、短大、専門学校に進学したという結果も出ている。(2007年05月15日発表 [1])
- 学校サイドによる退学処分とすると、当該の学生または生徒の将来の進路を阻むことになってしまう。処分を行う際、現場の教師、管理職、理事会、委員会などの間で議論が過熱することもしばしまある。また、該当の生徒がそのような立場に置かれた原因の公表、解明はされないことがある。退学者が出ることによって学校側のイメージが下がるということもあり、進路変更による退学や自主退学、転校と処理する、または公表しないことがある。各種統計における退学者の人数は氷山の一角に過ぎない。時にはそれが自主退学や転校の強要、無期限停学にして出席日数が足らずに留年、退学させるケースにつながることもある。強要罪が適用されたり、民法上の不法行為として損害賠償請求が認められることもあるので、注意が必要である。この場合、子ども専門の相談窓口を設けている弁護士会や法務局で相談することができる。
- 一部の大学では、優秀な学生が、通常の課程では3年以上、医学・歯学・獣医学・臨床に関わる薬学を履修する課程では4年以上在学することで、大学院に、1年または2年早い段階で進学できる場合がある。このとき、早期卒業制度がある場合は、卒業することができるが、早期卒業制度がない場合は、大学を退学しなければならない。
- バブル崩壊後の1990年代以降では、高等学校や大学などの区別なく特に私立学校においては、倒産や失業、リストラなどで親が学費が払えずにやむなく退学するケースが増えている。2007年の高校野球の特待生問題では、奨学金の廃止により学費や部費、活動費が払えずに退学者が増えてしまうのではという懸念の声が上がった。
[編集] 退学に対する評価
退学した場合、企業を初めとする社会は「目標を達成できない半端者」と評価する(自主退学でも理由を問わず、同様に評価する)。日本の場合、初等教育の課程(小学校の課程など)や前期中等教育の課程(中学校の課程、中等教育学校の前期課程など)では、義務教育が行われているため、退学の例はめずらしい。ただし、現代と義務教育年限が異なり複線教育制が行なわれていた第二次世界大戦前の教育制度においては、退学も相応に見られた。
大学を中退した場合も、社会は大学卒業者よりも下位に見る。企業は卒業者に対して評価する傾向が非常に強く、新卒採用の基準として学歴を重視して卒業見込みを前提にしている会社が数多い。そのため中退者は、新卒就職のケースでは不利な面が多々ある。(転職の場合は、個人のこれまでの就業経験を重視している傾向が強く学問不問のケースが多い) また、例え新卒採用試験に合格して内定を獲得しても留年など様々な事情で卒業できない場合は内定を取り消される事がある。 さらに、企業の人事評価は学歴の面で中卒、高卒、短大卒、専門卒、高専卒、大卒、院卒と区分けされて中退という評価枠で評価がない場合があり中退者は、大学中退は高卒と高校中退は中卒と人事面では評価される傾向もある。しかし「日本の大学は、入るのが難しく、出るのは易しい」ともいわれていることもあり、いわゆる一流大学に入学した時点で、ある程度は世間の評価を受けることもある。
また大学側として、中退率が高い(退学者が多い)といたずらに学校の評判を落とすとの懸念で、各大学の中退率・中退者数の公表は自粛されていたが、最近になって報道機関を通じてその数字が知られるようになった。従来の「日本の大学は入りにくく、出やすい」傾向にあるといわれているが、だからといって十分な学習をせずとも簡単に単位をそろえることができる大学ばかりとは限らない。
逆に中退率の高さが、従来の傾向が変わってきて要卒単位取得が困難、つまり教育内容の密度の濃い「出にくい」大学の指標になってきているのかといえば、中退率の数字だけで大学全般を、そのように判断できる傾向になったとはまだまだ言いがたい。むしろ「中退率が低い=大学側の面倒見が良い」と見ることもできる。つまり教育方針にかかわる問題である。
例えば卒業・留年の基準が厳しい学校はやはり昔からそういう傾向があり、教育方針の一貫性も具体的に周知され、社会的にもそれなりの評価を受けている。そういう大学であれば、個別に中退率の高さが数字に表れているかもしれないが、他の中退率の高い大学が、同様に教育に熱心で厳しい大学であるとは言い切れない。学校側が意図的に「出にくい」大学に転換していく、つまり徹底した厳しい教育方針が行き届くには、まだまだ実績と期間が必要であり、社会的評価が伴ってくるのもやはりそれなりの期間を要する。そういう意味で現在は日本の大学の過渡期と言えるかもしれない。つまり中退率の高さは、理念や経営方針があっても具体的な教育方針が明確でなく、教育機関としての整備・充実度が十分に行き届いていない恐れをはらんでいるので、志望校を選択する者にとっては、知名度・宣伝・風評に左右されず、自らの慎重な判断と熟慮が必要である。
大学の在学中に旧司法試験や国家公務員試験(従来の外交官試験を含む)に合格した場合、卒業前に司法・公務員職に就くこともできるため、卒業を待たずに司法職や公務員職に就く場合がかつては、まま見られた。こうした場合も大学は自主退学の中退となるが、司法・公務員職に就く場合は就業上の不利にはならず、下位に置かれることはない。
大学教員などの研究職に進む場合にも、大学院博士課程を修了する前に職に就く場合があり、大学院の中退者が修了者に比べて下位に置かれることはない。
[編集] 中国
中国では、出産を理由とした退学処分が行われていた(学生の結婚、出産が2003年まで禁止されていたため)。政府は2007年8月に、既婚学生の出産を理由とした退学はしてはならないと規定し、併せて出産前後の休学を勧告した[3]。


