電子ボルト

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電子ボルト
(エレクトロンボルト)
記号 eV
SI併用単位(SI単位で表される数値が実験的に得られるもの)
エネルギー
SI 1.60217733(49)×10-19 J
定義 電子1個を1Vの電位差で加速したときのエネルギー
  

電子ボルト(でんしぼると、エレクトロンボルト, electron volt, 記号 eV)は、エネルギー単位である。エレクトロンボルトともいう。素粒子の質量の単位としても使われる。[1]

1 V の電位差がある自由空間内で電子 1 つが得るエネルギーを 1 eV とする。非常に小さな単位である。1 eV のCODATA推奨値は 1.60217733(49)×10-19 J(括弧内は拡張不確かさ)である。質量に換算する[2]と 1.783×10-36 kgとなる。1 eVの平均運動エネルギーをもつ気体の温度は11,604 Kとなる。

物性物理学から素粒子物理学、あるいは化学半導体工学などの幅広い分野で使用されるエネルギーの単位である(*)。分野によって使用される桁数が大きく異なる。物性分野では数 meV - 数 eV(もっと大きい場合もある)のオーダー(1 meVが約10 Kに相当)である。素粒子分野では数 MeV - 数 GeV(あるいはそれ以上)のオーダーでの議論がなされる。電子質量は約0.5MeV、陽子質量は約1GeVに相当する。

日本語では活字での正式な表記の際には「電子ボルト」を用いることが多いが、発表・会話などではほとんどの場合「エレクトロンボルト」と読む。単に「イーヴィー」と読まれることもある。日本の高エネルギー(素粒子)分野では、MeV、GeV、TeVなどをそれぞれ、“メブ”、“ジェブ”、“テブ”などと発声する場合がある。

[編集] 主な利用場面

電子ボルトは日常生活ではあまり用いられない単位と言えるが、巨視的な物質や現象を素粒子1個単位から記述するのに便利である。このため学問や産業の現場において、光子電子原子などの持つエネルギーを表す際に広く利用される。以下、代表的な例を幾つか挙げる。

  • 物質中の電子の持つエネルギーを表現する際に用いられる。例えば外部から与えた電界によって全体の電位が1V変化すると、中の電子のポテンシャルエネルギーが1eV変化することになるため、計算上都合が良い。慣れると、うっかりVとの区別を忘れるほどである。
  • 可視光域での光子1個のエネルギーは数eV単位となり、物質との相互作用の取り扱いに便利である。

[編集] 脚注

  1. ^国際単位系(SI)及びその使い方」によると、“特殊な分野に限り併用してよい単位”となっている。
  2. ^ 質量とエネルギーの等価性(E=mc2)によると、エネルギーと質量の単位は、互いに変換することができる。

[編集] 関連項目

エネルギーの単位
ジュール キロワット時 電子ボルト 重量キログラムメートル カロリー
1 J = 1 kg·m²/s² ~=0.278×10−6 ~=6.241×1018 ~=0.102 ~=0.239
1 kWh = 3.6×106 = 1 ~=22.5×1024 ~=0.367×106 ~=0.860×106
1 eV ~=0.1602×10−18 ~=44.5×10−27 = 1 ~=16.3×10−21 ~=38.3×10−21
1 kgf·m = 9.80665 ~=2.72×10−6 ~=0.613×1018 = 1 ~=2.34
1 calIT = 4.1868 ~=1.163×10−6 ~=0.261×1020 ~=0.427 = 1

最終更新 2009年8月14日 (金) 04:25 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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