非情のライセンス

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非情のライセンス(ひじょう-) 

  1. 1973年4月5日より放送されたテレビドラマの題名。主演天知茂本項で説明する。
  2. 歌謡曲の楽曲のひとつ。野際陽子が歌った『キイハンター』の主題歌が有名。
※ちなみに、野際は『非情のライセンス』第1シリーズ第2話「兇悪の迷路」にゲスト出演している。

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目次

[編集] 概要

はみ出し刑事の集まり「警視庁特捜部」に所属する会田刑事(天知茂)が型破りな捜査方法で悪と戦う姿を描くハードボイルド形式の刑事ドラマ

原作は生島治郎の兇悪シリーズの短編集『兇悪の門』。

全編で展開されるストーリーは当時の世相を反映した政治的な社会犯罪から小市民の悲哀まで、取り扱うテーマは幅広い。

第2シリーズの第103話「袋小路」がギャラクシー賞を受賞している。

主人公について

  • 特捜部は警視庁のはみ出し刑事の集まりで、会田はそのリーダー的な存在。巨悪に対しては強引な捜査を行い、時に上層部の問題になる。
  • 特捜部の部長は創設者でもある矢部警視。会田はかつて在籍していた捜査四課時代に過剰防衛で刑事を免職されそうになっていたが、矢部警視により特捜部に迎え入れられた。
  • 広島出身の会田刑事は原爆で両親を亡くしており、自らも軽度の白血病を患う被爆者。姉が米兵に暴行され自殺するという過去も持ち、その出自に関連したサイドストーリーも用意されている。 これは原作にはないテレビドラマ独自の設定であり、まだ戦争の傷跡に苦しむ人々が大勢いた1970年代当時、視聴者の共感を喚起する上で重要な要素となった。(第1・第2シリーズのみの設定)
  • このドラマはあくまで会田刑事が単独主人公の作品であり、特捜部の他の刑事は毎回出演することはないが、それぞれのキャラクターの設定は確立されている。

世界観について

  • 『非情のライセンス』の作品世界は主題歌『昭和ブルース』に符合している。サントラ盤CDの解説では「ザ・ブルーベル・シンガーズの『昭和ブルース』(1969年)を聞いた片岡政義プロデューサーが戦中派の心情を汲み取って製作した作品」と書かれている。
  • 第2シリーズの終了後スタッフは新たにスタートした『特捜最前線』に異動。その影響か最前線の初期は本作の流れを継いだ作劇であった。

[編集] 備考

映像の特徴

  • 各回共通のオープニング用のタイトルバック映像はない。本編はオープニング・テーマと共にキャストやスタッフのクレジットを流しながら始まり、『昭和ブルース』と共に終わる。次回予告は会田刑事のナレーション。

原作との違い

  • 原作の会田刑事は肩まで髪を伸ばし、マニキュアをすることから若者と思われる。また「昇進は部長刑事どまりで結構」と言う台詞があることから階級は巡査部長以下。
  • 原作のレギュラーは会田刑事と矢部警視、四方刑事のみ。特捜部と反目する警視庁捜査一課の橘警部もTV独自のキャラクターであり、小説には登場しない。

[編集] 放映期間

  • 第1シリーズ
1973年4月5日~1974年3月28日 NET(現・テレビ朝日)系 毎週 木曜日22:00~22:54(全52話)
  • 第2シリーズ
1974年10月3日~1977年3月31日 NET(現・テレビ朝日)系 毎週 木曜日22:00~22:54(全124話)
  • 第3シリーズ
1980年5月1日~1980年12月4日 ANB(テレビ朝日)系 毎週 木曜日22:00~22:54(全26話)

注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] 主なキャスト

[編集] 第1~3シリーズ共通

<警視庁特捜部>

本名・会田健。階級は警部補。クールな反面、熱くなると上層部の命令を無視して暴走する。元捜査四課。
特捜部部長。言うことを訊かない部下たちに手を焼くが、全幅の信頼を寄せている。第3シリーズ第5話では、20年前に起きた外国人神父による女性殺害事件の責任で捜査一課課長を辞任した過去を打ち明ける。最終話、政府の食糧問題対策としての人体改造計画の悪用を阻止しようと動いたが、車内に仕掛けられた爆弾によって爆死。後に事故死として処理された。

<警視庁捜査一課>

捜査一課課長。東大法学部卒。犯罪の起きた原因よりも、犯罪が起こったという結果を重視する冷徹なエリート。はみ出し者の集まりである特捜部とは常に対立し、会田とも反目しているが、お互いのことは認め合っている。

[編集] 第1シリーズ

<警視庁特捜部>

特捜刑事ナンバー2。外事課出身。冷静で穏健な警部補だが、時として会田以上に暴走することもある。
人情派の老刑事。特捜部の知恵袋的存在。暴力団撲滅に対する執念は会田からも一目置かれている。
会田の弟分ともいえる暴力刑事。国体で活躍した射撃の名手でもあるが、国体出場中に妻が友人と駆け落ちして離婚。そのために銃を撃つことを躊躇うようになった。強面を活かし、捜査において殺し屋や脅迫者を演じることもある。画集を原書で収集するという意外な趣味を持つ。
朴訥としたキャラクターを持つムードメーカー。
キャリアでは会田や四方を上回るベテラン。主に情報分析などのデスクワークで活躍。第3シリーズまで継続出演する。

<その他セミレギュラー>

特捜部に良く出入りするクリーニング屋。町内の防犯会長。最終回、会田の自宅にクリーニング済のシャツを届けに来たために、会田の身代りとして暴力団に銃殺される。
太郎の妹でクリーニング屋を手伝っている。会田のことを密かに慕っている。第6話「兇悪の目」では、連続射殺犯のカメラマン・沢井(小池朝雄)に拉致されるが、会田に助けられる。
銀座のクラブ「キャリオカ」のママ。会田に情報を提供することもある。
元は警視庁詰めの新聞記者。第16話「兇悪の湖」での太郎の活躍振りに一目惚れし、太郎の妻となった。
かつての会田の上司。特捜部に対してはあまり快く思っていない。
橘警部の上司。
  • 大西刑事:東晃声横山刑事:横山繁
共に捜査一課の刑事で橘警部の部下。

[編集] 第2シリーズ

<警視庁特捜部>

第3話で密輸組織に加担した過去が明らかになり、元妻・和子(宮本信子)が密輸組織の殺し屋(財津一郎)に射殺される。第58話で教会での挙式中に暗殺される。
離婚歴を持つため、第2シリーズでは女性に対して懐疑的な一面を見せることがあった。第97話でライフル銃を持って籠城した大学時代の後輩・羽島(和崎俊哉)を説得するために丸腰で乗り込んだが、機動隊から投げ込まれた催涙弾で興奮した羽島に撃たれて殉職。
第2シリーズは第100話まで登場。
本名・右田一平。特捜部のコメディリリーフとして活躍。前シリーズの竜巻太郎と瓜二つのため太郎ちゃんと呼ばれることもあった。好対照な個性を持つ坂井との掛け合いは絶妙。第99話で広域暴力団祖父江組に単独で逮捕に乗り込んだが、組長の祖父江(富田仲次郎)と幹部(八名信夫木村元)らに撃たれて殉職。
本名・江沢景子。元少年課。定時制高校時代に殺人事件に巻き込まれ、その事件を担当していた矢部を頼って警察官になる。第73話で定時制高校時代の幼馴染で殺人犯でもある川口(竜崎勝)と婚約。川口に拳銃を渡すように説得したが、その川口と揉み合っているうちに撃たれて殉職。
第7話より登場。若手刑事。会田に犯人と間違えられて逮捕される。
特捜部きってのプレイボーイ。第26話で結婚(新婦役はひし美ゆり子)するが、新婚旅行先で暴力団に惨殺される。
第89話より登場。資料室から特捜部に配属された。坂井の殉職で自暴自棄になっていた会田の辞職を「(自分だったら)辞めませんよ絶対。辞めたら坂井さんに悪いです」と思い止まらせた人物でもある。趣味は音楽鑑賞。
本名・滝悠子。第101話より登場。交通課から特捜部に転属された。結婚を前提に付き合い、麻薬組織に潜入して麻薬中毒にされた公安の刑事・大和田(井上孝雄)を射殺する。
第102話より登場。長崎出身。警察官でありながら副業として叔母(桜むつ子)と一緒に焼鳥屋を開いている。

<その他セミレギュラー>

警視庁を定年退職後、居酒屋「吉田署」を経営。リウマチを患ったため、第23話で閉店した。
吉田の娘。居酒屋を手伝う。会田に好意を寄せている。
本名・弾三郎。上司への反抗や容疑者への暴行がもとで、配属先を何度も左遷させられている問題児。通称「サブちゃん」。
会田の白血病を治療する主治医。無類の酒好き。しかし、アルコールが抜けるとメスを持てなくなる症状のため、第72話で故郷の九州に帰ると共に医院を廃業した。
山岸のもとで働く看護婦。
元弁護士。銀座でクラブ「F」を経営。会田のことを「会田くん」と呼ぶ。第98話で弁護士に復帰する決意を会田に打ち明けた。
  • 横山刑事:北浦昭義佐々木刑事:北町嘉朗北刑事:伊吹徹森谷刑事:梶健司
共に警視庁捜査一課の刑事で橘警部の部下。

[編集] 第3シリーズ

<警視庁特捜部>

第2シリーズの右田と同様のキャラクターだが、かつては捜査一課の刑事で、橘に免職されたという過去を持つ。
愛称は「山さん」。普段は温厚な反面、態度の悪い容疑者に激昂することも多いベテラン刑事。第13話で幼少時に別れ、事件に巻き込まれた実妹・美和子(三浦真弓)と再会するが、美和子は付き合っていた暴力団誠東会組員・吉光(西田健)に射殺される。第25話で娘の純子(五十嵐知子)がボーイフレンドと共に、農協襲撃殺人事件の一味で過去に山路が逮捕した石岡(大谷朗)と神島(きくち英一)らに誘拐されて殺害される。
本名・北里龍夫。東都大学ラグビー部出身。第6話では、爆破テロ組織(リーダーは北村総一朗)の一員で全国指名手配犯でもある親友(北条清嗣)を射殺する事態に追い込まれる。
  • 村井刑事:高田洋
  • 沢田直美婦警:水野靖子

<その他セミレギュラー>

特捜部の刑事たちの行きつけの喫茶店「エスプリ」の主人。元々は銀座のホステスで、当時のパトロンだった日東商事企画調査室長の榊(平田昭彦)から、会田の動きを報告する密偵役を命じられていたことが第2話で明らかになる。その後も部屋を襲撃されたり、第21話では高校時代からの親友・とも子(吉野佳子)を失うなど事件に巻き込まれることが少なくない。第24話で国際交流機関重役の篠原(井上孝雄)との結婚を考えるが、篠原の正体は特捜部を解散へと追いやる裏の国家権力の幹部であることが判明。最後は篠原に撃たれて死亡する。
しずえの店の従業員。第24話で篠原に接近して政界の大物(伊豆肇)の違法行為が記録された手帳を入手、しずえの店で会田に手帳を渡したが、店内に仕掛けられた爆弾で爆死する。
警視庁を退職後、しずえの店で働く。刑事時代に培った情報網を活かし、会田の捜査に協力することもある。第24話で店を閉店したしずえから退職金として500万円の小切手を渡された。
矢部と橘の上官に当たる保守派の警視庁幹部。第2話・第11話に登場。
買い物中、暴力団に殺される。当時妊娠中だった。第1話のみの出演だが、回想シーンに度々登場する。
  • 横山刑事:北浦昭義佐々木刑事:北町嘉朗
警視庁捜査一課の刑事で橘警部の部下。

[編集] 主なゲスト

<第1シリーズ 第23話「兇悪のシャンソン」>

本名・丸山明男。ICPOの刑事。日本の画商によるフランス絵画の贋作取引を捜査するために訪日。画商とつながりのある暴力団が経営するクラブにフランス帰りのシャンソン歌手として潜入していた。

<第1シリーズ 第40話「兇悪の望郷」>

暴力団・真中組と結びつく部下の須藤(倉丘伸太朗)に娘を自殺に追いやられたベテラン刑事。
自殺した松井の娘・洋子と、彼女と瓜二つのホステス・秋子の二役。
関東連合系暴力団・真中組の組長。配下のノミ組織の拡大を目論み、暴力追放に立ち上がった市民(由利徹ら)にテロ行為を加える。
真中組の組員で、経営コンサルタントの肩書を持つ経済ヤクザ。背後で真中組の乗っ取りを策略する。かつて松井の部下の刑事2人を殺害し、須藤を使って娘の洋子を死に追いやった張本人でもある。

<第2シリーズ 第85話「兇悪の刑事」>

妊娠中の妻・佑子(葉山葉子)を暴力団安西組に殺された兵庫県警のエリート刑事。安西組への復讐を企てる。
広域暴力団安西組の組長。政界とも黒いつながりを持つ。
広域暴力団安西組幹部。

<第2シリーズ 第113・114話「男(前・後編)」>

元暴力団幹部。ステーキハウスのオーナーとして堅気の暮らしをしていたが、抗争に巻き込まれる。終戦時、米兵に強姦される会田の姉を、進駐軍を恐れ見て見ぬふりをしていた警官に代わって救った人物でもある。
暴力団・清和会の理事長。沢木のかつての舎弟分。

[編集] スタッフ

  • 制作:テレビ朝日(NET) / 東映
  • プロデューサー:片岡政義(第1シリーズ~第2シリーズ第62話)、高橋正樹(第2シリーズ第63話~)(NET)、近藤洲弘(第3シリーズ)(テレビ朝日)、渡辺洋一(第1シリーズ~第2シリーズ)、桑原秀郎(~第2シリーズ第109話、第3シリーズ)、深沢道尚(第2シリーズ第110話~)(東映)
  • 脚本:橋本忍石松愛弘、橋本綾、多村映美、桜井康裕、宮川一郎、国弘威雄、今村文人、曽田博久ほか
  • 撮影:西山誠ほか
  • 監督:永野靖忠、松島稔、吉川一義天野利彦田中秀夫、小山幹夫、伊賀山正光、鈴木敏郎ほか

補足

  • 第2シリーズ第39話「やさしい兇悪」の監督は天知茂。1975年7月3日放送。
  • 第2シリーズ第55話「兇悪の花道」の脚本は、作家デビューする前の赤川次郎。1975年10月30日放送。

[編集] 主題歌

オープニング

  • 『非情のライセンスのテーマ』 作曲・編曲:渡辺岳夫
(第2シリーズ52話から63話以外)
(『非情のライセンスのテーマ』に歌詞を付けた曲、第2シリーズ52話から63話まで使用)

エンディング

  • 『昭和ブルース』 作詞:山上路夫 作曲:佐藤勝 演奏:伊部晴美(ギター)、ポリドール・オーケストラ  歌:天知茂

[編集] 放映ネット局

※は遅れネット


NET 木曜22:00枠
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非情のライセンス
第1シリーズ

最終更新 2009年11月18日 (水) 17:32 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【非情のライセンス】変更履歴

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