馬力

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馬力(仏馬力)
hoursepower
荷役馬
荷役馬。当初の1馬力。
記号 PS, ps(仏馬力)
HP, hp, ㏋(英馬力)
メートル法重量単位系(仏馬力)
ヤードポンド法重量単位系(英馬力)
仕事率工率
SI 735.49875 W(仏馬力)
~745.700 W(英馬力)
定義 75 kgf·m/s(仏馬力)
550 lbf·ft/s(英馬力)
由来 標準的な荷役馬1頭の仕事率
  

馬力(ばりき)は仕事率工率単位である。名前の通り、元々は一頭の持つ力を1馬力と定めたものであった。今日では、ヤード・ポンド法に基づく英馬力メートル法に基づく仏馬力を始めとして、各種の馬力の定義がある。国際単位系 (SI) における仕事率、工率の単位はワット (W) であり、馬力は併用単位にもなっていない。

1馬力というのは駄馬(荷を引く馬)が継続的に荷を引っ張る際の仕事率を基準にしており、単純に「馬の最高出力=1馬力」を表すわけではない。ペルシュロン等の重種が短時間に発揮できる力は10馬力以上とも言われる。

目次

[編集] 英馬力

馬力という単位は、ジェームズ・ワット蒸気機関の能力を示すのに、標準的な荷役馬1頭のする仕事を基準としたことに始まる。これが英馬力の起源で、数値的には「1秒間につき550重量ポンド(lbf)の重量を1フィート(ft)動かすときの仕事率」(550 lbf·ft/s)となる。

こういう数値になった経緯は次の通り。ウマの牽引力の平均が180重量ポンド、1時間ウマに牽引させ進んだ距離が10852フィート、従って1時間当たりの仕事率は、180×10852=1953360フィート・重量ポンド/時である。そして1分当たりは、1953360÷60=32556≒33000フィート・重量ポンド/分となり、1秒当たりは約550フィート・重量ポンド/秒となる(これが1英馬力である)。ワットで表すと、1英馬力は約745.700ワットである。英馬力は、英語の"horse power"の頭文字をとって"HP"という記号で表される。"hp"と小文字で書くこともあり、また、"HP"を合字にした"㏋"(U+33CB、JIS X 0213 1-3-62)も使われる。

[編集] 仏馬力

言語 呼称 記号
フランスの旗フランス語 cheval-vapeur ch
イタリアの旗イタリア語 Cavalli CV
スペインの旗スペイン語 Caballos
ポルトガルの旗ポルトガル語 Cavalos
スウェーデンの旗スウェーデン語 hästkraft hk
デンマークの旗デンマーク語
ノルウェーの旗ノルウェー語
hestekraft
フィンランドの旗フィン語 hevosvoima hv
チェコの旗チェコ語 koňská síla k, ks
クロアチアの旗クロアチア語 konjska snaga
ポーランドの旗ポーランド語 koń mechaniczny KM
ハンガリーの旗マジャール語 lóerő LE
オランダの旗オランダ語 paardenkracht pk
ドイツの旗ドイツ語 Pferdestärke PS

仏馬力は、メートル法(重力単位系)に基づいて、英馬力の値にできるだけ近くなるように定義したものである。メートル法がフランス発祥であることから仏馬力と呼ばれる。その定義は、「1秒間につき75重量キログラム (kgf) の重量を1メートル動かすときの仕事率」(75 kgf·m/s)となる。ワットで表すと、1仏馬力は 735.49875 ワットである。

ft·lbf ≒ 0.0138255 m·kgf なので、550 lbf·ft/s ≒ 76.040225 kgf·m/s だが、きりのいい 75 kgf·m/s が仏馬力に選ばれた。このため英馬力と仏馬力は等しくなく、1 仏馬力 = 約 0.986 英馬力である。

こういう数値になった経緯は次の通り。550フィート・ポンド/秒が1英馬力である。これを重量キログラム、メートルに換算すると、約 75 kgf·m/s である(これが1仏馬力である)。

記号は、ドイツ語のPferdestärke(馬の力)の頭文字の、PS または ps が日本や英語圏で使われるほか、表のような各国固有の記号も使われる。

[編集] 日本での馬力表示

日本の旧計量法では、1馬力は英馬力とも仏馬力とも違う750ワットとしていた。これを日本馬力と呼ぶことがある。

1999年施行の新計量法では日本馬力をやめて仏馬力を採用している(条文上はワットの735.5倍としている)。ただし、本文ではなく附則において、内燃機関外燃機関の工率の計量に限定して「当分の間、工率の法定計量単位とみなす」として使用を認めているものである。これは、新計量法がSIを全面的に導入するために制定されたものであり、本来であればSI組立単位であるワットを使うべきであるが、馬力がいまだに広く使われており、これを廃止すると混乱を招くために移行措置として使用を認めているものである。今日でも、レシプロエンジンの出力表示にはキロワット (kW) とともに馬力(仏馬力)が併記されていることが多い。

また、日本では、エア・コンディショナー(特にビル用の大型空調設備)の能力も「馬力」という単位で表現されることが多い。元来の意味は、圧縮機を動かすモーターの出力(1馬力≒750W)を示していたが、現在ではモーターの出力と馬力数は必ずしも一致しない。正式な換算式は存在しないが、慣習的に1馬力≒2.8kW程度の空調能力(約8相当の空間を冷やす能力)とされている。[1]

[編集] 派生した俗語

  • 転じて「馬力」という言葉は人間が仕事をするための精力・活動力(スタミナ)の意味としても使われる。
  • 大相撲隠語で、のこと。酒を飲むことを「馬力をかける」ともいう。酒を飲むと元気がついて馬力が出るところから、この言葉が派生した。

[編集] 脚注

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[編集] 関連項目

仕事率の単位
W kgf·m/s PS kcal/h
1 ワット(W) = 1 = 0.102 = 0.00136 ~= 0.860
1 重量キログラムメートル毎秒(kgf·m/s) = 9.80665 = 1 ~= 0.01333 ~= 8.4322
1 仏馬力(PS) = 735.49875 = 75 = 1 ~= 632.415
1 キロカロリー毎時(kcal/h) = 1.163 ~= 0.1186 ~= 0.00158 = 1

最終更新 2009年9月9日 (水) 16:55 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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