Earth-Moon-Earth
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Earth-Moon-Earth(EME)(アースムーンアース)(以下EME)はアマチュア無線における対月面反射通信の略。
地上のアマチュア無線局同士が、地球から往復約75万キロメートル離れた月に対してアンテナを向け電波を輻射し、その反射を利用して通信する。大掛かりな指向性アンテナや大出力の無線機、そして高度な技術をもった局同士でしか実行不可能なため、アマチュア無線での最終的な目標とみなされることが多い。
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[編集] 通信の方法および特質
詳細は「アマチュア無線の周波数帯」を参照
アマチュア無線技士なら誰でも行うことができるが、V/UHFでの数百ワットの空中線電力、幾重にもスタックされた八木アンテナ(パラボラアンテナを製作して使う人さえいる)、方位角および仰角指定のできる設備、そしてノイズ以下とも言われるモールス信号を聞き分けるテクニックが必要不可欠なため、必然的に1級ないし2級アマチュア無線技士に運用者が多い。
通信自体は通常のCQ呼び出しではなく、両局のスケジュールQSOの形式となる。なお減衰が激しいため通信はEME通信専用のモールス符号を用いて行われる。周波数はEME通信の許可された各バンド(144MHz,430MHz,1.2GHz以上)と近年許可された50MHzで行うことができる。
EME通信を行うに当たっては、通常のアマチュア局免許の範囲を超える出力(50MHzで1kW、144MHz以上で500W)の許可に準備期間が長くかかる。
[編集] 歴史
- 1928年 アメリカ海軍研究所(NRL)で月面反射エコー検出の試み [1]
- 1946年3月 アメリカ陸軍信号軍団がレーダーの月面反射波を確認 [2](111.5MHz, 3kW, 24dBのアンテナ使用 [3])
- 1951年10月21日 NRLはメリーランド州スタンプネックの地形固定67 x 80 m楕円パラボラから198MHzにて10マイクロ秒のパルスを750Wで送信。受信はレーダーアンテナ。予想より受信パルスの変形が小さく、月の1/10の直径の範囲(直径338km)からのみの反射と推定。 [4]
- 1953年 アマチュア無線局W4AOとW3GKPによる144MHz電波の月面反射波検出。[5]
- 1954年7月24日、初めての人声によるEMEループ通信がNRLのJames H. Trexlerによって成功する[6]
- 1955年11月29日太平洋標準時23時51分、NRLはスタンプネックのパラボラアンテナ施設から301MHzで送信したテレタイプ信号の、サンディエゴでの受信テストに成功。[7]
- 1956年1月23日、NRLはオアフ島ワヒアワにて300MHz、10kWのテレタイプ信号をSK-2レーダー受信機で受信。[8]
- 1960年1月 米海軍のCommunication Moon Relay通信システム正式稼動。1月28日には開所セレモニーでホノルルからワシントンDCへ空母ハンコック上の人文字の航空写真が月経由で送信された。送信所はメリーランド州アナポリスとオアフ島オパナで直径28mの可動パラボラアンテナに400MHzの100kW送信機。受信所はメリーランド州チェルテンハムとオアフ島ワヒアワ。モードは写真ファクシミリとテレタイプ(16台並列60 words / min)。[9]
- 1960年7月17日 W1BUとW6HB間でアマチュア無線による初めてのEME通信。局はカリフォルニア州サンカーロスのEimac Radio Club、W6AYとマサチューセッツ州のRhododendron Swamp VHF Society、W1BU[10]。周波数は1296MHz。
- 1960年 エコー (人工衛星)
- (1960年前後) NRLがウエストバージニア州シュガーグローブの海軍施設に直径600フィートの月面反射可動ディッシュアンテナを企画。1980年代に部材が通信衛星傍受施設に転用された。同時期にはロケットで酸化アルミニウムと硝酸セシウムを散布して反射波により電波情報を得る人工流星バースト通信実験が米国南西部で実施され1時間反射が得られた(ISBN 0-385-49908-6)。
- 1961年12月15日 NRLの情報収集船Oxford号は初めて月面反射通信を受信した船舶となった [Bamford]。直径5mの可動パラボラアンテナ使用。1962年には1kWへの出力増強で双方向通信が可能となった [11]。実際にはシステムは実用に耐えなかったという(ISBN 0-385-49908-6)。
- 1962年 テルスター衛星、リレー1号ケネディ暗殺時の画像を中継した衛星。中継地上局だったKDDI茨城衛星通信センターは2007年3月16日に閉鎖されその直後32mディッシュが8N1EME臨時運用に使われた。ケネディ画像に使われたのは22m。[12])。
- 1963年11月22日 Oxford号の後継Muller号はケネディ大統領暗殺の日にもMoon Relayシステムを使用した(ISBN 0-385-49908-6)。
- 1964年 シンコム3静止通信衛星(東京オリンピックの画像を中継)
- 1965年 OSCAR-3 能動型アマチュア無線衛星
- (1960年代) 国防高等研究計画局資金補助で建設されたアレシボ天文台を使用してNSAがソ連のレーダー電波を月面反射で受信(ISBN 0-385-49908-6)。
- 1967年 直径16フィートの月面反射通信アンテナを備えた情報収集船リバティー号がイスラエル軍に攻撃されたリバティー号事件。月面反射装置は故障の連続で殆ど稼動しなかった(ISBN 0-385-49908-6)。
- 2007年12月9日 協定世界時16時26分、アマチュア無線局DF2ZCとDH7FBの間でEarth - International Space Station - Earth CW QSO。国際宇宙ステーション表面の受動反射による交信。144MHzで出力300W、21dBd八木アンテナと、750W、20dBd八木アンテナ使用。[13]
[編集] イベント
- ビッグディッシュプロジェクト(big dish project)→訳 「大きなお皿計画」
KDDI株式会社の全面協力のもと、JARLが主催する月面反射通信実験。KDDI茨城衛星通信センター(茨城県高萩市)の直径32mの巨大商用パラボラアンテナを用いて行われる。各V/U/SHF帯での運用が行われている。運用に際しては8N1EME特別記念局が担当している。またこのイベントに関連した特別記念局も運用されている。
[編集] 外部リンク
- 「ビッグ・ディッシュ・プロジェクト」情報
- EME申請をしたアマチュア局(JH2CLV)の例
- BAMFORD, James. "Body of Secrets" Anchor, New York ISBN 0-385-49908-6, 2002.引用ページリスト
最終更新 2009年10月27日 (火) 12:20 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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