OEM

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OEM(オーイーエム)とはOriginal Equipment Manufacturerの略で他社ブランドの製品を製造する企業、またはOriginal Equipment Manufacturingの略で他社ブランドの製品を製造すること[1]

日本語または日本では、元来の「OEM」の意味合いに加えて「OEM契約」、「OEM生産」や「OEM販売」など「OEM○○」と様々な言葉や用語として定着している。「Original Equipment Manufacturing」の略であると解して「他社ブランドの製品を製造すること」とされる事も多いが、「OEM」そのものの意味合いと、その後これから派生した「OEM○○」には意味合いの変化も見られる。

目次

[編集] 概要

OEMは家電自動車メーカーなど様々な業種で利用されている。

OEMを行う理由は市場の時期により大きく3つに分けて見ることができる。これら各時期への対応として企業がそれぞれの時期に採用するビジネス手法とされるが、多くの場合に各時期にわたりOEMを手法として採用するのが有効ともいわれる。 

  1. 市場が立ち上がる時期。製造の技術やラインを持たない企業にとって、自社製造を開始するまでの期間OEM供給を受ける事で他社との市場投入の差を埋めることができる。
  2. 市場が成長期を迎えた段階。自社生産が追いつかない時に他社に委託する。
  3. 市場が衰退する時期。自社生産から撤退し低コストで市場への製品供給が可能となる。

また、中小企業など営業力の弱い企業においてはOEM先の営業力を活用できるメリットもある。

販売ブランドが流通業の場合はプライベートブランド(PB)と呼ばれることが多い。

[編集] 歴史

1950年代にIBM社で造られた造語とされ、1960年代後半からDEC社の制御用ミニコンピュータの販売対象の業界の定義として米国でOEMと言う言葉を渡米して新しく知り次第に使われ始めたのが日本では最初と考えられる[2][3][4][5]

米国のコンピュータや電子部品業界から使われ始めたが、例として汎用性のあるコンピュータをコンピュータ製造業者(A)から購入した別の業者(B)がそこで独自の技術的(ハードウェアソフトウェアなど)価値を付け加え、独特のまたは特定(汎用の反対の意味)の機能を持つ製品に造り上げ、その製造業者(B)は付加価値再販業者(VAR、Value Added Reseller)としてその製品を市場に出した製造者を指した。この様に文字通り、「オリジナリティーや独創性のある製品化(装置化)を行う製造者(B)」として言葉OEMは使われた経緯がある。この時代の「OEM」は文字通り「製造者」を意味し、製造業者(A)と製造業者(B)の間に資本関係や委託製造、販売提携などの契約などはなく、あくまで両者の別個の企業行動であった。

OEMが造語として造られた1960年代頃には既にメインフレームや小型のコンピュータによる事務会計給与などいわゆる事務に関する処理は広く行われていた。一方、制御計測生産管理などいわゆる第二次産業生産現場や研究現場では多くの機器機械を用いて行われていたがこれらを統合的に結合したものではなかった。PDP-8に代表されるミニコンピュータの登場によってこれらを有機的に結びつけた装置システムを製造業者(B)自身が独自に学習し従来の技法や技術を生かした「Original Equipment 」と言われる「独自性を持った装置・システム」を差別化戦略として行えるようになった。

[編集] ターンキーシステム

この頃以降、OEMから更に発展しターンキーシステム(英語:Turnkey system)と呼ばれる装置、生産設備やシステムなど全て一式で製造し、それを顧客に販売・設置する形態も現れた。顧客側である生産・研究設備などの買い手はその設備の構築には全く係わらず、完成した段階でその設備の稼働を単に電源を入れるキーを廻すだけで稼働を開始できる設備・システム、いわゆる「ターンキーシステム」を製造する者も現れ、買い手は自社の製品を製造する設備をシステム製造業者に全面的に任せた方式の始まりでもあった。すなわち、OEMが独自装置製造業者(B)の立場から、顧客の設備稼働直前まで一式を請け負うシステムの手法へと変化していった。例えば、食品製造業者がコンピュータ化された生産設備を全てコンピュータ関係の業者に任せできあがった食品生産システムなどはターンキーシステムと呼ばれる。また病院の全コンピュータ化業務システムなどもこれに該当するものが多い。

[編集] 形態の多様化と用法

歴史としてコンピュータ製造業者(A)に限らず、各種の機器を製造する者が差別化戦略や販売戦略として「OEM」への転換を製造業者(B)に促す方法が次第に広まってゆく。 ほんの一例であるが、ソニーでは1980年代前半に3.5インチフロッピーディスクドライブを搭載したワードプロセッサを発売したが、フロッピーディスクドライブそのものの普及や販売戦略として製造業者(B)へOEMとなるように働きかけており、この時「OEM供給」や「OEMビジネス」と言う表現が用いられている[6]。元来造語である言葉「OEM」は製造業者(B)を表すものであったがデ・ファクトの用語であるがゆえに、製造者、委託製造者、販売者、消費者のそれぞれの立場から「OEM」の解釈や用法が用語としても変化してゆく。

1980年代後半頃から別の業者(C)に製造委託し、販売業者(D)が自社(D)のブランドとする商品やその手法や両業者なども含めて用法としてOEM化、OEMをする、OEM製品、OEM供給、OEM元やOEM先など多様化して用いられる。また「OEM」の「E」は「Equipment」と言われる装置や比較的大きなな機器や機械を表すが、「Equipment」と呼ぶに該当しないと考えられる機器、製品や商品分野にまで渡って幅広く用法や用語として定着してゆく。例えば自動車業界や市場においてOEM元やOEM先が用いられるが、完成した自動車を装置や機器と呼べるかは議論の分かれるところであろう。

尚、製造元の企業をOEM元、供給先の企業をOEM先と呼ぶことが多いが、逆に製造の委託元の企業をOEM元、委託先の企業をOEM先と呼ぶ場合もあり、注意が必要である。

一方、日本においては一般的に用いられないが、Original design manufacturer(ODM)の用語が有る。これは製造業者(C)は設計から製造まで行い、販売業者(D)に提供することを主な業態とする場合やまたは販売業者(D)が設計段階から全面的に製造業者(C)に依存してその製品を購入し販売する場合は、製造業者(C)をOriginal design manufacturer(ODM)と呼んでいる。例えば、台湾の多くの半導体ファウンダリや半導体受託製造会社は「OEM元」と呼ぶより「ODM」と呼ぶべきであろう。特に国際市場で仕事をするビジネスパーソンOEMODMの峻別した理解や用法とすることが必要である。

近年では相互供給や、OEM元とOEM先の逆転も起きている。

[編集] 他社ブランド

「他社ブランドの製品の製造」を表すこととなった製造委託において、以前は競争相手のブランドを製造するということで製品供給側からは敬遠されていた。しかし1980年代VTR戦争が始まると、VHS陣営である日本ビクター松下電器産業といったメーカーは、他社VHS陣営にVTRを供給するようになる。このVTRの黎明期はまさしく上記の1つ目の市場が立ち上がる時期にOEMが行われていた。

DVDレコーダーなどのデジタルAV機器の普及に伴い、日本国内の家電メーカーの多くは自社生産から韓国中国などの海外のメーカーに製造を委託するOEMに移行していった。

そして2006年現在、VTRの技術は完全に成熟した段階に達しており、価格競争を通じて3つ目の市場が衰退する時期を迎えている。この流れはVTRに留まらない。ラジカセ、ブラウン管テレビ、ポケットラジオ、電気ストーブ、トースター、ミキサーといった最先端ではない電化製品の殆どは韓国中国などの海外企業のOEM製品である。

他社ブランドとしてある製造者によって製造され、販売者のブランドで市場に出す製品は必ずしもその製品がOEM製品であり製造者が別の者であることは明らかにされていない。例えば過去にGEブランドのVTR松下寿電子工業で製造され、取扱説明書の箱詰めまで行われてGEへ出荷・輸出され販売された[7]

時代を経て「OEM」が日本語として、または日本の社会において家電業界以外でも用いられるがこの様な意味合いを表すこととなった段階では元来の「独自性」や商品の範囲も「装置」とはかけ離れた事となっている。

[編集] 脚注

  1. ^ "OEM契約とライセンス契約の違いについて". 日本貿易振興機構(JETRO) (2009-03-19). 2009-06-26 閲覧。
  2. ^ Albert Barnor; Lynn Elaine Browne (September 2003). [Olsen, page 3/7, About OEM”]. www.economicadventure.org. [[1]]の2008-08-19時点によるアーカイブ。. http://www.economicadventure.org/decision/olsen.pdf 2008-08-19 閲覧。 (英文)
  3. ^ Computer Organization & Architecture Lecture #13, page 9/14, South Dakota State University Computer Science Club(英文)
  4. ^ “[Architecture and Organization - Computer Evaluation and Performance, page 17/41]” (Microsoft PowerPoint (PPT) File). University of Wisconsin-Green Bay. [[2]]の2008-08-19時点によるアーカイブ。. http://www.uwgb.edu/breznayp/cs353/slides/ch_02.ppt 2008-08-19 閲覧。 (英文)
  5. ^ Tracy Kidder ((C)1997). [Soul of a New Machine - CHAPTER ONE- How to Make a Lot of Money- 16th paragrapgh, "companies known as original equipment manufacturers, or OEMs"”]. Random House Inc. ISBN: 0-679-60261-5. [[3]]の2008-08-19時点によるアーカイブ。. http://www.businessweek.com/chapter/kidder.htm#contents 2008-08-19 閲覧。 (英文)
  6. ^ "Sony History第2部第13章「OEM供給で仲間を増やす」". ソニー. 2009-06-20 閲覧。
  7. ^ "主な商品の歴史、1977年輸出用VHSビデオデッキ生産開始". パナソニック四国エレクトロニクス. 2009-06-23 閲覧。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年10月3日 (土) 11:56 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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